http://www.asyura2.com/13/senkyo157/msg/644.html
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu301.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
日本の文化人や学者の人たちも、ずいぶんぶっ飛んだ拡大解釈を行い、
肝心の議論の中心軸がぼやけてしまったことだと感じています。大西宏
2013年12月10日 火曜日
◆特定秘密保護法反対運動で残念だった日本の知性 12月9日 大西宏
http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51407081.html
またマスコミ報道、とくにテレビ報道のいい加減さにうんざりさせられた特定秘密保護法騒動でしたが、それよりも残念だったのが、日本の文化人や学者の人たちも、ずいぶんぶっ飛んだ拡大解釈を行い、肝心の議論の中心軸がぼやけてしまったことだと感じています。ふーん、まじめに思想信条の自由、表現の自由が損なわれる、そう思っているのかと観察していたのですが、それはいいとしても、そこに感じたのは、自分たちの意にあわなければ、ナチス呼ばわりまでした反橋下キャンペーンに加担した人たちと同じ発想でした。今回の焦点のひとつは変化したアジア情勢にどう対処する道を日本が選ぶのか、またテロリズムの脅威が増してきたなかで日本はどうそれに対処するのか、とくにオリンピック開催が決まったことでその現実味が増したはずです。
まずアジアの変化ですが、日本が平和ななかで経済成長を遂げることができた時代、そのしばらく後も、アジアで日本は圧倒的な存在感を持っていました。中国も韓国も日本の経済の傘のなかにはいっていた時代で、軍事力でも、当時は自衛隊はアジア屈指の軍事力を持っていて、さらに米国の核の傘で守られるという構図でした。
しかしそんな時代は終わったのです。2010年に中国はGDPで日本を抜き、経済に脆弱性を持っているとはいえ、今なお高い経済成長を遂げており、中国はあと10年もすれば米国をも追い抜き、世界最大の経済大国になる可能性もなきにしもあらずです。
当然、日本の存在感が薄れます。東アジアでは中国が圧倒的な経済と軍事力を持つ日が刻々と近づいてきています。それはそれで現実としてとらえればいいのですが、問題は中国はアメリカに変わってアジアの警察になりたいと思っており、現実にそういった強圧的な外交を展開しはじめてきていることです。
韓国は、貿易依存度が高く、しかも貿易相手国としては輸入、輸出とも中国がトップ、しかも中国の軍事力の台頭の脅威を和らげたいために、朴槿恵政権は、対中国よりの外交を行い、そのために脱日本を印象づけるために反日キャンペーンを展開してきました。
さて、日本は、どのポジションをとりどんな道を選ぶのでしょう。選択を問われているのです。それは、中国の台頭に対する拮抗力を維持し、大きな変化を避けようとするのか、いや国際関係にパワーゲームに持ち込もうとしている中国とより親密な関係を築き、中国を傘とした東アジア圏の新しい秩序づくりをはかるのかです。
もし前者なら、自ずと米国や他の先進国との同盟関係を強化するという選択になり、そのためには同盟国との情報ネットワークを強化する方向になります。そうでなければ、韓国と同様に中国よりの外交に切り替えるか、成り行きに任せるかです。
それは国民が選択する問題ですが、すくなくとも違う道を選ぼうとした鳩山政権は、マスコミも総出で叩き、さらに民主党内部での意見の違いもあって、自己破綻し、葬りさられたのが現実です。鳩山政権が崩壊した時点で、すでに国民は結果として米国との緊密な関係の道を選んでしまったのではないでしょうか。
そして野田内閣は中国との関係に決定的なダメージを与えてしまったのです。米国や他の先進国との同盟関係を強化するということなら、情報のセキュリティで信頼されていない日本は、特定秘密保護法で情報のセキュリティの強化が求められるのも当然、またそうしようとすることは必然的な流れだったのではないでしょうか。
しかし、政権が秘密を強化することは、情報公開によって、国民の知る権利をどう担保するのか、というか政権や行政を監視したり、後に時の政権がどうだったのかを評価する機会を失いかねません。だから、どう運用するのかが重要になってきます。
残念だったのは、日本の文化人や学者の人たちが、論理的に反対するのではなく、第二次大戦に導いた軍国主義と重ね、漠然とした不安で反対を表明してしまったことでした。時代は大きく変わっています。経済も国境を超え、相互に関連し合うグローバル化が進み、また情報化が圧倒的に進展した時代と軍国主義時代を重ねることは、論理というよりも、情緒でしかないのではないかと感じるのです。反「特定秘密保護法」キャンペーンで、ずいぶんマスコミでも、反対するだけでテロなのかという誤解を流布したようですが、調べてみればそうではありません。その点は池田信夫さんが強調されていましたが、この法案が検察や警察の現状を鑑みて、どちらかというと反対の立場をとっておられる郷原弁護士も、法案そのものにその懸念はなく、誤解が生じるのなら、問題にされている「又は」を「、」に変えるだけでいいと指摘されています。
この法案が提出されたことで議論が深まれば、国家の安全のために秘密を保持することと、国民主権国家として、情報公開をどう担保し、権力を監視する機能を同時に強化するかを両立させる絶好の機会がでてきていると感じます。
その知恵を生み出せるのかどうかです。
しかし反対した人たちの多くは、オールオアナッシングに持ち込む運動をやってしまったのです。そのために焦点がぼけてしまいました。民主党の海江田さんにいたっては、もともと民主党が準備していた法案だったにもかかわらす、反対の声が高まってくると「天下の悪法」だと絶叫したのは、ポピュリズム以外のなにものでもありません。
国民が真剣に考え、それが政治に反映するためには、なにが課題かが正しく示されなければ考えようも、選択しようもありません。反対を叫んだ文化人や学者の人たちは、結果としてそれにノイズをつくることになり、本来国民が直面している、また解決しなければならない本来の課題から、国民を遠ざけてしまったのではないでしょうか。それが残念でなりません。
それはそうとして、みんなの党から江田さんが抜けたことは、ひさびさの明るい話題でした。細野さんももう民主党から離脱するタイミングではないでしょうか。
(私のコメント)
特定秘密保護法案の審議過程ではっきりと分かった事は、もはやテレビや新聞で大規模な反対大キャンペーンを張っても、文化人や知識人と称される人を動員したとしても、もはや国民は騙されなくなったという事です。ネットが無い時代だったならば通用したのでしょうが、国民はもはやネットで真実を知る時代となり、国民のオピニオンリーダーはネットの中にいます。
もはや田原総一郎が一言いえば総理の首が飛んだ時代は終わったのです。かつては10チャンネルの番組で田原総一郎がテレビに総理を呼び出して吊し上げて辞任に追い込んだことがあり、テレビで田原総一郎はそれを自慢げに語っていました。しかしその頃はインターネットは始まったばかりで、一般的ではなかった。
そして小泉構造改革の時代に入ると、例によってテレビ新聞は小泉構造改革を支持しようといった大キャンペーンを張っていた。しかしそれはアメリカの市場主義経済を持ち込むものであり、郵政の民営化は340兆円の郵貯簡保資金をアメリカの金融資本に開放するものであった。だから「株式日記」では反対して、何とか郵貯簡保資金がハゲタカたちに渡る事は阻止した。そのうちにリーマンショックでハゲタカは死んでしまった。
テレビで田原総一郎や竹中平蔵がわいわい言ったところで、「株式日記」が反対すれば小泉政権の思ったようには進められなかった。規制緩和を進めれば景気は良くなると言うが、アメリカ流の市場原理主義は弱肉強食であり、ハゲタカ金融資本が経済支配するようになり、日本企業の多くが三角合併によって乗っ取られるところだった。しかしあと一歩のところで神風が吹いてリーマンショックでアメリカの投資銀行は無くなった。
特定秘密保護法案も、テレビや新聞による大反対キャンペーンが行われましたが、「株式日記」では何年も前からスパイ防止法を作れと主張してきました。特定秘密保護法案もNSCの中心となる法案であり、それが無ければ中央情報部も作れない。現代は情報戦の時代であり、有効な情報を海外から手に入れるためには情報管理がなされていなければなりません。
現状では国会内部や霞が関官庁はスパイの巣窟になっており、重要な情報が大臣にもたらされると2,3日後にはマスコミにリークされて報道されてしまう。今まではそれを取り締まる法律がなかった。昨日の安倍総理の記者会見でも、尖閣での漁船衝突のビデオは特定機密ではないにもかかわらず公表が禁止されてしまった。誰が禁止したのか分かりませんでしたが、この法案があれば誰が止めさせたが分かる。
民主党政権では重要な情報がみんな中国に筒抜けになる恐れがあり、重要な機密情報は防衛省や外務省などで多くの機密情報が処分された。しかし特定秘密保護法案があれば、再び民主党政権になっても中国に情報が筒抜けになる事が防がれる。もしばれれば10年の懲役に罰せられるようになったからだ。
特に政権内部の動きは最重要機密ですが、大臣がマスコミの記者にペラペラしゃべるので政権内部の事が手に取るようにわかってしまった。外交防衛に関する閣内の動きは特定秘密に指定されなければなりませんが、首相や大臣と言えども中国やアメリカに漏らせば罰せられるようになった。今までは筒抜けだったから中国やアメリカなどに都合の悪い大臣はCIAなどの工作機関が動いて失脚させられた。
日本政府は、中国やアメリカ政権内部の動向を知る事は、記者会見で発表されること以外は分からない。ところが日本では大臣の記者会見が毎日のように行われて、大臣が閣内の動きをペラペラしゃべってしまう。アメリカや中国のように報道官が記者会見するようにすべきだろう。
小泉政権時代では首相自ら毎日二回の記者会見が行われていた。しかしオバマ大統領や習近平主席が毎日記者会見する事は考えられない。日本のように首相や大臣自ら記者会見するようになれば新聞記者の追及によって重要機密を話してしまうかもしれない。かつて田中外相は911テロの時にアメリカ大統領の避難先をしゃべってしまった。このように特定機密保護法案が通れば記者が直接首相や大臣に記者会見する事が少なくなり、だから新聞やテレビは大反対した。
官邸においても官房長官が毎日記者会見を行っていますが、担当の報道官がすればよく忙しい官房長官の会見は少なくしていいのではないかと思う。いちいち一つの事に記者から質問されれば閣内の動きがばれてしまう恐れが多い。現在の菅官房長官は失言の少ない長官ですが、中には粗忽な長官もいる。このような失言から内閣の支持率も下げる事もある。
特定秘密保護法は、これからの運用にマスコミの監視が向けられるべきであり、マスコミは法案そのものを潰そうとした。多くな文化人や知識人も動員されましたが、拡大解釈に基づくものであり、秘密は外交防衛テロなどの分野に限られる。デモまでテロだと認定すれば行き過ぎですが、石破幹事長の言動が誤解を与えている。
それよりも、マスコミは国民に対して知る権利に対して機能してきたのだろうか? アメリカは毎年のように年次改革要望書を日本政府に突き付けてきた。しかしマスコミはその事を報道せず鳩山内閣で廃止された。内政干渉も甚だしい事ですが政府部内の動きが監視されて情報がアメリカに筒抜けになっていた。これも「株式日記」で追及してきた事であり、国民の知る権利はマスコミよりも「株式日記」を読んだ方がよく分かる。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK157掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。