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居酒屋大手「和民」で働いていた森美菜(みな)さん(当時26歳)が過労自殺した問題で、森さんの両親が9日、和民を経営する「ワタミフードサービス」、親会社「ワタミ」、ワタミの社長だった渡辺美樹参院議員などを相手取り、約1億5300万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴した。
訴えたのは、父豪さん(65)と母祐子さん(59)。訴状などによると、美菜さんは入社3カ月後の2008年6月12日、神奈川県横須賀市のマンションから墜落して死亡した。当時、同市の「和民・京急久里浜駅前店」で働いており、残業は月約141時間と国の定めた「過労死ライン」(月80時間)を超えていた。残されたノートには「どうか助けてください」などと記されていたという。
12年2月に労災認定された後「なぜ娘が死んだのか」と会社側に説明と再発防止の話し合いを求めてきたが、実現しなかった。会社側が賠償額確定のため申し立てた調停の場でも、具体的な説明はなかったという。
原告側は会社だけでなく渡辺氏も被告とし、懲罰的慰謝料を含めて賠償請求額を算定した。代理人の玉木一成弁護士は記者会見で「労働条件や勤務体制などは、トップが対応しなければ変わらない。賠償金を払えば済むという考え方を改めるために必要だ」と説明した。豪さんは「若者を使いつぶすのではなく、育てる社会に変えていきたい」と語った。
ワタミは「和解のご提案をしてまいりましたが、誠に残念ではありますが合意に至ることができませんでした。訴状を確認のうえ、誠実に対応してまいります」とのコメントを出した。
渡辺氏は自身のフェイスブックに「司法の結論が出た時点で、私なりに誠心誠意の対応を致すことを約束します」と記載している。【東海林智】
http://mainichi.jp/select/news/20131210k0000m040072000c.html
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懲罰的慰謝料とは、社会的な観点から被告側の行ないに特に高い悪質性が認められる場合、本来受け取ることができる金額以上の多額の慰謝料を「懲罰」の意味で科すことをいう。最近の例では朝鮮学校へ激しい威嚇行動を行ない業務を妨害した在特会幹部に高額な懲罰的損害賠償を命じた判決の例がある。
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