http://www.asyura2.com/13/senkyo157/msg/572.html
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経済が強くなるほどに政府や財界は謙虚で誠実で努力する人を指導者に据えなければ、その大国は覇権を剥き出しにして、世界から嫌われ、自国民を虐げてまで動員する羽目に陥る。そして世界帝国の野望は、意識しようとしまいと、はかない夢と消え、千年の眠りにつくしかない。歴史の因果である。
■ベトナムとの社会と経済の緊密化が6月19日に達成された。習近平国家主席とベトナムのチュオン・タン・サン国家主席と人民大会堂で中越友好条約と付属条例に署名した。その中に南中国海の島嶼紛争解決策も含まれた。両首脳は固い握手を交わした。
【中国とベトナムの親密化】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20130622/1371905450
■7月の連日40度を超す猛暑の最中、習近平と李克強は顔を突き合わせて当面の事態打開策を議論した : 釣魚(尖閣)紛争は膠着している。安倍晋三の狡猾な中国牽制はアセアン諸国がその底意地の悪さを感じ取って、諸手を挙げてではないが、中国の真摯で謙虚な対応に耳を傾けるようになった。
そんなアセアン各国の期待を裏切ることは中国にとって致命的。回避する唯一の道は中国が内需拡大に持続性を持たせる強力な政策が必要。李克強は西側世界が認める経済学者でバランス感覚も行動力もあり、なによりも笑顔を絶やさず、付き合う首脳を飽きさせない一種の愛嬌を天性で持っている。
習近平はそんなに剽軽でもなく、ただひたすらに真理と正しい道を見分けて、戦略を考案し戦術に展開してゆく才能があった。習近平と李克強の分担は自然に決まった。
習近平は膠着する日中関係を打開する過程で、本心を隠そうともしない米国の二枚舌が社会に与える欺瞞という人間不信を友人に指摘し、米国内の環境に逆らうことなく是正させる駒をうつことであった。
李克強は秋のAPECと拡大ASEAN首脳会議にアセアン各国首脳との親密化を条約によって永久化する努力を積み重ねた。それは地道で苦労の多い、目立たない実務に汗を流すことであったが、そんな事業が李克強には得意であった。
【中国・インドネシア】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131004/1380816411
【APECはオバマ出欠無関係】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131009/1381298606
【アジアの新たな胎動】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131013/1381642123
【中・越の歴史的和解】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131015/1381805098
【露印蒙三国首相“同時訪中”】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131031/1383230113
李克強は立派に、むしろ余裕をもってそれを成し遂げた。最後にはフィリピンも中国に寄り添うようになった。これから、かれらを中国が裏切らぬように細心の注意をはらいながら、意見交換を積み重ねる忍耐が報われる状態になった。
李克強の活躍は華やかな表舞台でもあったが、習近平が分担した安倍晋三対策は密かに地味に検討と小さな行動を積み重ね、米国の政府と西部劇の域を脱する気持の無い米議会の反応を読みながら進められた。
李克強によるアセアン各国との結束は思いのほかにアジア全域を包み込み、しかも評判の悪い中華思想とは無縁の、一昔前の米国経営者の親密さにも似た雰囲気を醸し出していたから、その状態こそ安倍晋三にとっては最悪の悪夢に違いなかった。
【李克強首相は人気者】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131012/1381555457
■尻込みする米国政府を叱咤し時には脅して安倍は毎月のように日米大軍事演習をショーのように見せつけたが、米軍は面従腹背であった。しまいに何故ファシズム禁止法に抵触する安倍の軍事演習に付き合うのかという怨嗟の声すら起こった。
【日米安保協議2+2】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131004/1380816292
【米英の無人機・盗聴】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131103/1383465301
そんな怨嗟の声に安倍はひときわ敏感である。安倍にとって米軍兵士がサボろうと知ったことではなく、米軍がそばに居さえすれば、日米大軍事演習をマスコミに展示できると割り切った。
【誇大化する妄想:安倍晋三】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131113/1384275519
挙句の果てに、米軍の制止もきかず、沖縄海域で大演習を行い、国際水道の宮古水道を対艦ミサイルで封鎖し、中国海軍封じ込めたりと、悦にいる有様。安倍は中国との局地戦争に対応する国内体制の確立に猛進した。
【日本防空識別圏で火遊び】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131110/1384065909
自分と3人の閣僚だけに全権力を集中させる安全保障会議と、野党や官僚と市民の反対を有無を言わせずに抑え込む特定秘密保護法があり、また『防衛目的なら』集団的自衛権も、武器輸出も先制攻撃も戦略核保有さえも現状の法体系で可能だとする大方針だ。
■安倍が11月下旬から12月末に全ての体制を整えることが見えた時点で習近平は密かに作戦を練ってきた航空識別圏の宣言をおこなった。
【中国防空識別圏に日米揺】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131125/1385369130
【日本外務省の立派な業績】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131201/1385878766
これに対する米日などの批判は確実に予想でき、批判にはそれほどの奥行きも無く、非難する最初の一言に反論し論破できるものと推定された。
【恐怖政治屋とバイデン】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131204/1386083993
【恐怖政治屋との付合い方2】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131205/1386174677
【拝啓、安倍晋三様 習近平】http://d.hatena.ne.jp/SukiyakiSong/20131206/1386307966
バイデンは日本で心にもない友好同盟ショーを1時間ほど演じる忍耐を要求された。彼の訪中は中国経済の大胆規制緩和を決めた李克強首相から直にその意志と本質を聞きだし、米国企業がどんな参入をすれば中国にも貢献できるかを考えることにあった。
そんな米国のバイデンの訪中目的自体が安倍内閣にとっては敵対行為に等しい。中国市場で米国企業が日本の指定席を奪うからだ。安倍内閣は識別圏と尖閣問題で米国に中国を譴責させれば、米中経済親密化に水を差せると読んだのだろう。
■バイデンは約束通り習近平に抗議した。習近平は懇々と諭すように日米の間違いを指摘した。
安倍政権のバイデン副大統領に対する三つの要求は悉く拒否された(中国網)
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2013-12/07/content_30827209.htm
・・・バイデン副大統領が拒否した安倍政権の三要求:
➊中国非難の共同宣言
➋中国に防衛識別圏撤回要求
➌米国航空会社に飛行計画書提出を禁止
(➍“尖閣”を含む識別圏重複区域での軍事衝突防止ルール協定の拒否)
航空識別圏非難への中国の三つの反論(中国網)
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2013-12/07/content_30827226.htm
➊米国も日本も自国の航空識別圏の設定や拡大で周辺国に相談したことなどない
➋東海の緊張を発生させたのは、日本の釣魚軍事封鎖と米国のB52及び無数の自衛隊機だ
➌アヘン戦争以来の貧しさと弱さが積み重なった中国を仮想敵にした東アジアのパワーバランスなど強者の身勝手
米と温度差、戸惑う政府=中国防空圏に苦慮(時事)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013120700252
➊岸田外相が「全く受け入れられない」と公言してきた防空圏設定について、それに“尖閣”が含まれていようと、米側は設定自体を問題視せず、運用改善に力点を置く姿勢が鮮明
➋「中国側の立場を認めてしまうことになる」と外務省は米国の対応に強い懸念
➌ヘーゲル米国防長官は「防空圏自体は新しくも珍しくもない」、むしろ中国が決めた運用面の手続きが問題
➍バイデン副大統領も防空圏「撤回」には触れず、中国の措置を前提に、衝突回避のための危機管理メカニズムの構築を求めた
➎日中間の危機回避の仕組みづくりに中国は理解を示している
結局、バイデンも中国も韓国も安倍のその手には乗らず、寧ろ逆手に取る作戦に出た。
話はややこしいが、
★安倍内閣の『中国は無条件(=尖閣日本領前提)に首脳会談に応じろ』
★逆手を取り『安倍は無条件(=釣魚中国領前提)に衝突危機管理に応じろ』である。
■結果は習近平の圧勝と言える。米国の軍事力が金欠で陰っただけでなく、米国外交の中核を成す民主主義イデオロギーの身勝手な欺瞞性と非道性や残虐性が浮き彫りにされ、中国や日本の米国債投資で生き延びる米国政府には最早聞き役にまわるかメッセンジャー役しか勤まらない。
中国の今後の課題は➊勝ちすぎない➋経済成長速度を緩め➌内需経済に移行➍国営企業系既得権益企業の整理➎地方政府と癒着企業の摘発➏各種規制の緩和撤廃など山積。地球資源は有限である。
もし中国とインドが日米並みになったら、地球が何個あっても足らない。BRICSは日米欧に生活水準切下げを要求するだけでなく、自らも内需経済に移行しないと日米欧とBRICSは共倒れ。豊かさとは何か? 持続可能な経済生活の内容とは?を見直す時期に来た。
■愚かな繰り返し
安倍晋三の『先軍恐怖政治』;海上保安庁と自衛隊は東条内閣の海軍大臣であり海軍の中の極悪な部分を引き継ぐ嶋田に色濃く支配されている。その暴力性、秘密主義と事実の隠蔽が正体である
安倍晋三は岸信介の極悪な部分のみを引きついている。『防衛目的』なら満州も華北も占領が不可欠で、憲法違反と世界の民主主義からの非難をかわすために宣戦布告なき外国領土侵略戦争を是とし、国民を戦争に総動員し、経済と社会を完全統制するという国家社会主義である。
われの姿を見ることも無く他人の非難ばかりを先制攻撃的に行い、相手が怯んだ隙に有利なポジションを取ってしまえという人間は軽蔑される。相手が怯まず直ちに立ち直ったら、その後は手痛い反撃か周囲からの冷笑が待ち受けている。安倍とその仲間閣僚は蟻地獄に陥った。
そんな安倍晋三と相性の良い女性外相が世界に二人存在するらしい。そのうちの一人が今北京を訪問して、中国外交部はきつい反撃をした。この女性外相は世間知らずと見えて、あれほど中国を罵倒しきっておいて、中国で丁重に歓迎されると思っていた節がある。愚かなり。
■澳媒称外长毕晓普访华“遭冷遇”后慌乱应对(環球時報)
http://world.huanqiu.com/exclusive/2013-12/4639701.html
豪州の外相ビショップは過激な中国批判者で安倍の仲間。釣魚問題や識別圏で口汚い罵りを重ねてきた。そんな彼女が新春予定のアボット首相訪中議題の擦り合わせに北京に来た。ごく外交儀礼的な挨拶が済むと、直ぐに王毅外交部長がビショップ外相の言動を非難した。
人前で面と向かって非難されたビショップ外相は凍り付いた。彼女は豪中外相会談の前に記者会見を開き『釣魚主権問題に関して豪州は中立である』と宣言して、外相会談が始まった。アボット首相の訪中がキャンセルされる可能性が出てきた。彼女の外交はインドネシアのユドヨノ大統領も怒っている。
下手をすると豪州はビショップ外相のお蔭で中国(釣魚と識別圏)とインドネシア(大統領を盗聴)の二カ国から政府間交渉を断絶されるかもしれない。そうなると他のアセアン各国も追従して豪州政府を冷遇するだろう。
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