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時代感覚もマヒ/(C)日刊ゲンダイ
「モサドをつくれ!」 党首討論で飛び出した石原慎太郎の“妄言”
http://gendai.net/articles/view/news/146461
2013年12月5日 日刊ゲンダイ
野党7党の幹部が4日、有楽町で街頭演説し、慎重審議を訴えた。「絶叫はテロ」という自民党の石破幹事長によれば、これも立派なテロ行為。みんな逮捕されておかしくない。特定秘密保護法案とは、かようにおっかない代物なのだ。
ところが、維新の会の石原慎太郎代表は、この日の党首討論で、法案の危険性を指摘するメディアの報道を「被害妄想」「流言飛語」と批判。「時代の需要に即応した必要な法律」と断じた上で、安倍首相に「祖父の岸さんに学んで、毅然として対処していただきたい」と注文を付けた。
■暗殺も平気のスパイ組織
81歳の爺さんだ。時代感覚がマヒしているのは仕方がないとしても、驚いたのは、それに続く主張。「この法案を踏まえて、イスラエルの、私は非常に評価していますけど、小さくとも極めて優秀なモサドのような国家組織をつくるべきじゃないかと思います」と言ったのだ。
モサドとは、イスラエル諜報特務庁のこと。対外諜報活動と特務工作をやっている。偽造パスポートを使用して任務に当たり、2010年にはパレスチナの軍事部門創設者をドバイで暗殺したとされる組織だ。当然、イスラム国家から目の敵にされている。
石原は我々の税金を使って、そんな機関をつくれというのである。非合法な活動もどんどんやれというわけだ。
立正大教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「戦争ができる国家にするには、他国の情報を入手し、国内の批判を抑える必要がある。そのための特定秘密保護法であり、スパイ組織も必要だとの発想です。それにしてもモサドはない。彼らが反イスラエル勢力を弾圧し、次々と暗殺しているのは公然の秘密。それを日本にもつくればいいとは、本当に恐ろしい。日本を批判する人たちは抹殺すればいい、という考えが根底にあるのでしょう。もしも本当につくるようなことになれば、日本はもちろんアジア全域が血なまぐさい場所になってしまいます」
石原だけの妄言であることを祈りたい。
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