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2013年12月 5日
12月5日の今日、特定秘密保護法案が参院委員会で可決された。
菅官房長官は「審議は尽くされた」という認識を示した。
野党連中や反対派は審議が不十分だという意見が大勢を占めているが、この法案は審議を通す健全なレベルにはほど遠い凶暴な法案である。
これは最初から存在してはならない法案である。
国家秘密を取り締まる法案は、国家公務員法やその他の有効な現行法が稼働しているのに、なぜ同質の法案を強化罰則を伴って創出するのか。
防衛、外交、スパイ活動の防止、テロ防止の4分野で国家機密の漏えいを防ぐ目的なら、現行法を充分に審議して、その有効性を高めて行けばいいことだ。
特定秘密保護法案に反対はしないが、慎重にと考えているグループにも、なぜこのように拙速に進めるのかという部分には一抹の不安と疑念を持っている。
自民党幹部連中が狂気と言ってもいいレベルでこの新法の成立を急ぐのは、CSIS(米戦略国政問題研究所)との密約を履行するためである。
前回記事でも断言したが、安倍政権の第3の矢「成長戦略」は売国政策のオンパレードである。
成長戦略の二大柱、産業競争力強化法案と国家戦略特区法案は「外国資本の外国資本による外国資本のための政策群」である。
金融・財政政策で国民をたぶらかしておきながら、第3弾の成長戦略で多国籍企業だけに焦点を絞った売国投資政策を大展開している。
言うなれば、安倍政権の成長戦略は多国籍企業の受益一辺倒の政策群であり、そのために行われる“悪の規制緩和”によって、国民の生活は崩壊する。
安倍政権が決して手を付けない改革は、所得配分の基本構造を変えて、国民に充分な所得が回っていくシステム作りである。
彼らは死に物狂いでこの考え方を拒絶する。
なぜなら、安倍政権の政策群は全てが国際金融資本への朝(ちょうこう)に収斂しているからだ。
小泉政権時代に確立された外資への傾斜配分を、これ以上できないほど先鋭化するのが安倍政権がCSISに託された最大の経済課題なのである。
配分構造の改革をあえて無視する代わりに、企業を優遇して元気づければ、やがてそれは国民に回り回って景気の底上げが為されるというのが、自民党幹部連中の言い分である。
典型的なトリクルダウン理論で国民を騙している。
だが、邦人企業でさえ、企業利潤は内部留保金にストックされてしまい、儲けた分が国民に回ってくることはない。
ましてや外資が食い込んでいる企業では、利潤の大かたが青い目の株主に吸い取られていく。
配分システムが企業への傾斜配分に一方的に進んでいる。
これは簡単に言えば日本企業の企業統治(コーポレート・ガバナンス)がアメリカ型に切り変わってきたからである。
小泉政権時代に関岡英之氏や吉川元忠(故)が警告した外資攻勢がすでに現実化していて、安倍政権は、この趨勢を究極的な到達点に導こうとしている。
森林生態学などの生物群集では「遷移(せんい)」と「極相(きょくそう)」という概念が使われる。
植物群集で言えば、さまざまな植生の分布域がある条件下で変化することを“遷移”と呼び、その遷移がやがては平衡状態(安定)に行きつくことを極相という。
小泉・竹中構造改革路線は新自由主義で彩られていたが、このフリードマン式構造改革が遷移(変化)して、第2次安倍政権で急速に経済的な極相状態に進んでいると言えば分かりやすいだろう。
この場合、森林においては温度変化など、特定の気象条件が植生の遷移を促すのだが、小泉政権以降の日本の国政を遷移させた特定の条件とは多国籍企業(グローバル資本)の内政干渉である。
それは年次改革要望書とか日米経済調和対話などと呼ばれていた。
この観点で眺めれば、菅、野田、安倍政権が自発的な国内政治ではなく、米国グローバル資本の意図で他律的に動かされていたことが分かると思う。
この事実をネットで拡散させないようにするためにCSISに命令されたのが、今回の特定秘密保護法案である。
3・11の後に菅政権はサイバー法案(コンピューター監視法案)を始動させた。
目的はネット言論を封殺するためである。
これは当時の総務省の肝煎りで行われたのだが、反対意見があまりにも多くて国際金融資本が満足するレベルには至らなかった。
その後、裏で進められていたさまざまな言論弾圧法案が出てきているが、彼らがこれだと思う決定的な法案はなかなか現実化されなかった。
しかし、今回の特定秘密保護法案はネットの中に表現されるあらゆる政治言論を恣意的に封じることができる極悪な弾圧法案である。
これは日本国内のあらゆる思想表現を標的にできる運用可能性を孕んでいる。
そのことは罰則条項の23条及び24条に出てくる「欺き」「脅迫」「共謀」「教唆」「煽動」などのワード群が、解釈次第では広範囲の表現や知る行動に引っ掛かる可能性を持つからである。
教唆や扇動などは、当局がその気になれば、我々が常識的に訊ねることや、常識的に促すことなどを平然と当てはめてしまうだろう。
いずれはこの法案で、米国の戦争経済に日本が組み込まれ、アメリカの経済利益のみで日本が臨まない戦争に突き進む経緯に対して、批判を封殺する目的があるとも言われる。
そのことは大いにあり得るが、それよりも当面の言論弾圧の目的は、グローバル資本による日本略奪行為の批判封じに使われる。
この法案の最大の目的はネットから政治言論を駆逐することにある。
つまり、マスコミの政治言論をほぼ完全に掌握した今、彼らが最優先で着手するのは政治ブロガーの粛清なのである。
おそらく、この法案が稼働し始めたら、政府批判を行う有力ブロガーを片っ端から血祭りに上げるだろう。
それが彼らの当面の狙いというか、喫緊の課題である。
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