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2013年12月04日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆米国バイデン副大統領が12月2日夜、来日した。バイデン副大統領は3日午前、駐日米大使公邸(東京都港区)で、麻生太郎副総理兼財務相や自民党の石破茂幹事長、自民党の中曽根弘文・日米国会議員連盟会長や民主党の海江田万里代表、公明党の山口那津男代表、米側からはケネディ駐日大使やラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)らと会合した。同日午後には、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。
日米共通の主なテーマは、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏問題、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐる日本の農産品の関税撤廃に関する問題、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移転問題などであった。会合に参加した麻生太郎副総理兼財務相、石破茂幹事長の表情は、現在置かれている立場の違いにより、「心理状態の差」を覗かせていた。TPP協議の最前線指揮官である甘利明TPP担当相(経済再生担当相)は体調検査のため、12月2日朝から入院しており、欠席していた。このところ、「鬱病的な顔つき」だったが、国会周辺では、「重い狭心症」説まで流布されている。
◆麻生太郎副総理兼財務相は、財政難に苦しんでいた米国に対して、「天皇の金塊」による恩恵を提供してピンチを救った経緯があり、余裕しゃくしゃくの態度で臨み、イスで偉そうにふんぞり返っていた。バイデン副大統領の訪日は、その「お礼言上」の目的がある。正式には、2014年4月にオバマ大統領が国賓として訪日して宮中に赴き、天皇陛下に直々「お礼言上」する予定なので、バイデン副大統領は、その露払い役の意味がある。
日本が「天皇の金塊」による恩恵を米国に提供したことで、日米同盟関係は、これまで以上に強固なものになっている。
一方、石破茂幹事長は、「心中穏やかではない」という状況で、表情は表向きにこやかであったものの、実際には、緊張してコチコチ気味であった。それは、現在参院で審議中の「特定秘密保護法案」を「今国会を会期延長せず、会期末の12月6日」までに可決成立させなくてはならないからである。これは、12月4日に発足する日本版「国家安全保障会議(日本版NSC)」に続いて、「特定秘密保護法制定」が米国の強い要請を受けている。それも単なる要請というのに止まらず、防衛相を担当した石破茂幹事長は、米国防総省(ペンタゴン)から猛烈な圧力をかけられている。「失敗すれば、政治生命を問われかねない」とまで言われている。
このプレッシャーが、自分のブログ(11月29日付)で国会周辺の街頭デモに対して、「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」と書いてしまったことに表れたとも言える。議員会館の外で鳴り響いている「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量に「自分の前途を阻む敵意」を感じたのであろう。
12月2日付のブログで「お詫びと訂正」を掲載したにもかかわらず、「絶叫戦術」について、「本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思います」と言い張り、あくまでも否定する姿勢、態度を取っている。このため、国会内外、マスメディアからも厳しい批判の矢を浴びせられており、この逆風に抵抗し、巨大与党の数をたのんで強行採決によってでも「特定秘密保護法案」を成立させようとしている。
◆甘利明TPP担当相は、バイデン副大統領の訪日を恐れて、「敵前逃亡」した感が強い。
12月1日に開かれた日米協議は物別れに終わっていたからである。何しろカウンターパートは、強烈なネゴシエーターとして知られる米通商代表部のフロマン代表だ。
TPP交渉に参加中の12カ国は12月7日からシンガポールで閣僚会合を開くことになっており、米国は「年内妥結」を急ぎ、フロマン通商代表自らが、事前調整に乗り出し来日、甘利明TPP担当相と東京都内で会談した。フロマン通商代表は、甘利明TPP担当相を、グイグイ、ガンガン追い詰めたといい、会談後、甘利明TPP担当相は、ぐったりやつれた表情で記者団に対し、「極めて厳しい交渉をしたが、結論は出ていない。『安倍総理大臣の判断としてこれ以上は1センチも譲れない』という説明をした。アメリカ側からは厳しい追及もあったが、結局、協議を継続するということだ」と述べるのがやっとだったようだ。記者団が「重要5項目を関税撤廃の例外とする方針に変更はないか」と質問したのに対し、「国会の決議や自民党の選挙公約を重く受けとめてギリギリの協議をした。それ以上は言えない」と述べたまま、元気なく去ったという。
場外では、全国農協青年組織協議会(JA全青協)を中心とする若手農業者たち150人が12月2日午後5時から、衆議院第2議員会館前でTPP交渉への反対を訴えて座り込みを行ったほか、JAグループをはじめとする関係団体は12月3日正午から東京の日比谷野外音楽堂で「TPP決議の実現を求める国民集会」を開いた。
「重要5項目」を守れなかったら、甘利明TPP担当相は、「ウソつき」「裏切り者」の烙印を押されて、表を歩けなくなるのは確実である。
小沢一郎代表が常々、「政府自民党は交渉をやり遂げられない」と言い続けてきたように、「日本には小沢一郎代表以上のタフネゴシエーターはいない」ということが、TPP協議の大詰めになって、はっきり証明されてきた。
【参考引用】産経新聞msn産経ニュースが12月3日午後1時13分、「バイデン副大統領、麻生、石破氏と会談 アジア歴訪本格スタート」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「バイデン米副大統領は3日午前、東京都港区の駐日米大使公邸で、麻生太郎副総理兼財務相や自民党の石破茂幹事長らと会い、日本を皮切りにした7日までのアジア歴訪を本格的にスタートさせた。3日午後には安倍晋三首相と会談し、共同記者会見に臨む。バイデン氏は麻生氏らとの会合で、日米同盟の重要性を強調。一連の会談では中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺を含む東シナ海上空に設定した防空識別圏への対応や、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉をめぐる日本の農産品の関税撤廃に関する問題などでの協議内容が注目される。また、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移転問題に関して、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事による移設先の埋め立て承認が焦点となるなか、移設実現に向けた協力を確認する見込み。会合には麻生氏と石破氏のほかに、自民党の中曽根弘文・日米国会議員連盟会長や民主党の海江田万里代表、公明党の山口那津男代表が、米側からはケネディ駐日大使やラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)らも出席した。菅義偉(すが・よしひで)官房長官は3日の記者会見で、首相とバイデン氏の会談に関し『わが国の安全保障環境を踏まえた日米同盟の強化、大詰めを迎えるTPP交渉について日米が緊密に協力し、対応していくことが確認されるだろう』と述べた。バイデン氏は2日に東京に到着。日本滞在を終えた後、4日に北京で中国の習近平国家主席、6日にソウルで韓国の朴槿恵大統領と会談する」
産経新聞msn産経ニュースが12月2日午前10時44分、「甘利大臣が検査入院 重要日程に影響も」という見出しをつけて、次のように配信した。
「内閣府は2日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)担当相を兼務する甘利明経済再生担当相が体調検査のため、同日朝から入院したと発表した。入院は3〜4日になる見通しだという。甘利氏は7日からシンガポールで開かれるTPP交渉の閣僚級会合に出席する予定になっている。また、政府が5日に策定する消費税増税時の経済対策の取りまとめ役でもあり、今回の入院がこれらの重要日程への対応に影響を与える可能性もある。内閣府では、TPP閣僚会合の出欠席について『検査結果が出てから判断する』と説明している」
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