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2013年12月03日
米国が、中国政府が東シナ海の防空圏を設定した件で、ダブルスタンダードを発揮している。日韓は、今さら変更するなよ、と右往左往している。しかし、考えてみれば、到底同一の価値感で結ばれているわけでもない、日韓との同盟関係を堅持するためとはいえ、自国の民間機の航行の安全を確保しなければならないのは、当然の措置である。米国にとって、日中韓の諍いは、覇権と云う次元では関係があるとしても、自国民の生命を晒しても国益に適っていると強弁は出来ないだろう。東シナ海は、まさに米国本土から見ればかなり遠く離れた地である。中国と隣接している日本や韓国と異なる措置が、米国で選択されても何ら不思議はないだろう。
小さな島一つの帰属問題を抱え、首脳会談も行えない、いがみ合い状態でロックしている日中の間で、あらゆる犠牲を排して行司役を買って出ることは、理屈上は無理である。無論、日米同盟が存続し、米軍の替わりをやらせようとしている日本も大事だが、経済的な関係では中国の方が重要だ。まして、戦後のサンフランシスコ講和条約締結後の世界は、国際連合常任理事国5カ国の枠内での覇権争いであり、敗戦国が入り込む余地は、そもそもない。たまたま歴史の皮肉が、日本を世界第二位の経済大国に持ち上げてしまっただけだが、自信喪失者が元気を取り戻し、普通に存在すれば目立ちもしなかったのだが、自信喪失から脱した日本は、いつの間にかアジアの覇者のような奢りに精神は蝕まれて行った。
精神的奢りだけで済めば良かったが、バブル崩壊後、少子高齢化と云う構造的問題の壁を眼前に見た日本は、経済成長の限界を知るべきだった。つまり、戦後と異なる、経済至上主義ではない価値を生む国家として生まれ変わる議論を避けて通った。まだ、そこでとどまれば、平和憲法を守るアジアの小国は、緩やかに力を失う経済大国から普遍的平和を共有する存在として、まだまだイニシアチブを示せたが、09年以降の官僚組織やマスメディアの、目に見えない、血も流れない静かなクーデターで、その流れは断ち切られた。そして、麻薬漬けになるような、一時の精神高揚剤に手を出し、現在のから元気政権が生まれたのだろう。
一般の生活においてもあることだが、引っ込み思案で隅で大人しくしている自信喪失君を励まし、元気を取り戻してやろうと云う親切心が仇となり、喪失から回帰した人間が、或る日、高慢にして居丈高な人間として、親切な人々を威嚇するような皮肉は、よく起きる現象だ。おそらく、中国をはじめとするアジアや世界の人々から見る日本と云う国が、そのような側面で見られている事を、日本人として認識すべきだろう。その認識も含めて、現状を見つめていけば、もう少し冷静な我が国の方向性の議論も出来るのだろうが、金とか物の価値感しか持ち得なくなった民族には、パラダイム・シフトを行うアイディアさえ浮かんでこないのが現実なのだろう。
今現在の話に戻るが、安倍や岸田は「米政府が、民間航空会社にフライトプランを提出するよう要請したことはないと外交ルートを通じて確認している」と公言しているが、日本の外務省のアメポチどもの創作だ。アメリカは大々的祭り、感謝祭の真っ最中だし、米国務省のHPでも、民間航空会社にも、中国政府が敷いた防空識別圏(ADIZ)を無視し、フライトプランなど出さないように等とは、一言も言っていない。逆に、現状に置いては、フライトプランをノータム(、航空情報の一種であり、航空関係施設、業務、方式と危険等に係わる設定や状態、変更等についての情報である。"Notice To Airmen" の頭字語。)に従うことを期待する、となっている。つまり、公式には言えないが、通常通りのしきたりに沿っておくのが好ましい、フライトプランを出しておけ、と言っているわけだ。
中国政府も、早速米国政府の配慮に賞賛を惜しまず送っている。朝日新聞は以下のように伝えた。
≪ 防空識別圏で「米政府の対応を称賛」 中国外務省
【北京=倉重奈苗】中国が設定した防空識別圏をめぐり、米政府が米航空会社に中国への事前通知を容認したことについて、中国外務省の洪磊副報道局長は2日の定例会見で「米政府の対応は建設的な態度で称賛する」と歓迎した。
一方、洪氏は、日本政府が民間機も含め中国の求めに応じない方針をとっていることに「日本は意図的に政治問題化させ、民間航空分野の協力を不利にしている」と指摘。「間違ったやり方をやめ、中国とともに東シナ海の空域の飛行の安全と秩序の維持に力を合わせるべきだ」と訴えた。また、中国の識別圏が尖閣諸島(沖縄県)の上空を含めている点について「中国は重複問題をめぐり対話の強化を呼びかけ、誠意を示している」とも語った。 ≫(朝日新聞デジタル)
万が一にもない話だが、隷米に徹しているようなフリをして安倍晋三は、米国を試す腹積もりになっている可能性も捨てがたい。驚くほど危険な賭けに出てしまうのが、おバカの特長であり、お調子者とは、常にそういうものである。本気で中国と戦争する気はない。イザとなれば米国とロシアが仲介に立ってくれるに違いないと云う他力本願なシュミレーションを持っているかもしれない。無論、中国も本気で戦う筈もない。安倍の頭は、2012年以降、幸運の連続で、まさに運気が盛り上がっていると占いにでも出ていたのだろう。この調子でいけば、尖閣を間に一戦交え、双方鉾をおさめ、棚上げ程度でおさまるに違いない。米国が、どの程度同盟を守るかも見られるし、憲法改正の機運は嫌でも盛り上がる。なんてイイことだらけなのだろう。ホント、占いがズバリだ。何処を見渡しても、俺の周りは運気に満ちている。仮に、安倍がそのように思っているのなら、かなり怖ろしい事態まで想定出来てしまう。
しかし現実は、安倍の運気を一瞬で吹き飛ばすような事態になる可能性の方が高い。日本人も、一部で酷い目に遭う人々が出てくるかもしれない。特に海上保安庁、自衛隊の諸君は針の筵に座ることを余儀なくされるリスクが近づいている。中国が大人の国であればまだしも、習総書記自身が手腕を問われている次元なのだから、おいそれと引く筈もない。オバマ政権のレームダックを見計らって、中国政府が動き出したと云う見立てが正しいとなると、アメリカ自体の腰が引ける可能性は大いにある。米国の国益に資する争いかどうか、シビアに判定されれば、微妙な審判が下されるだろう。
まぁ、アメリカ様一辺倒の人々から見れば、アメリカが同盟国を見捨てて、太平洋からも撤退する筈がないわけだが、誰が、アメリカのそのような立場を保証できるというのか。安倍の場合、倒錯した人格を持ち合わせているので、外交防衛と経済は切り離して考えたり出来る特技がある。常識的にはあり得ない話だが、安倍の常識では可能なのだろう(笑)。グローバル経済下で、ハイパー・ナショナリズムは、世界の非常識だと言われているのに、俄然逆張りするわけだから、怖くてとても冷静には見ていられない。
“あいば”はビビっているのか!と罵る声も聞こえてきそうだが、今の日本人で中国と戦争する為に、自分の生活を犠牲に出来る腹積もりのある人間達は、おそらく一桁もいないだろう。しかし、安倍や石破には、尖閣を中心に日中間で戦争の火蓋を切る権限を与えている事実を自覚して欲しいものである。このような危険が迫る事態は、安倍や石破の時代感覚のズレなのだ。21世紀に生きていては拙かった人々と云うことだ。中国が大国的度量をみせるか、米国が心底日本を見限るのか、奇妙な倒錯の世界で、不都合な現実を見てしまうかもしれない。くわばら、クワバラである。
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