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2020年東京五輪が決まったIOC総会では得意満面の猪瀬直樹東京都知事だったが…(AP)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131203/dms1312031532020-n1.htm
2013.12.03
東京都の猪瀬直樹知事が、医療法人「徳洲会」グループから現金5000万円を受け取った問題が、2020年東京五輪にも悪い影響を与えそうだ。東京地検特捜部も関心を寄せるなか、猪瀬氏が疑惑の釈明に追われる可能性が高く、五輪開催に向けた準備態勢について、既定路線の見直しが迫られそうなのだ。関係者の間では、国家プロジェクトを成功させるためにも、猪瀬氏の「年内辞任」説が浮上している。
崇高な五輪精神とはかけ離れた猪瀬氏の疑惑。5日に都議会本会議、6日から一般質問がスタートするが、厳しい追及は避けられそうにない。
自民党都議は「猪瀬氏は粘ろうとするだろうが、東京五輪のことを考えれば早めに決断した方がいい。時間の問題ではないか」といい、東京都選出の国会議員も「猪瀬氏は年内は持たないだろう」と語る。
猪瀬氏はこれまで、東京五輪の準備・運営態勢をめぐり、主導権確保に躍起になってきた。10月に運営主体となる大会組織委員会の会長として、森喜朗元首相の名前が浮上したときは、「東京都とJOC(日本オリンピック委員会)が決める。いろんな人が今、こういう時期に便乗して出てくる」と噛み付いた。
11月8日には、組織委に会長職は設けずに財界人の理事長を置くと表明した。猪瀬氏と竹田恒和JOC会長、下村博文文科相、理事長の4人で構成する「2020東京ボード」が司令塔になるというのだ。
都庁関係者は「猪瀬氏にとって『東京五輪の招致成功は自分の手柄』という意識だ。ボードを作って自分が事実上のトップに収まるつもりだ」と解説する。
このため、疑惑発覚後の11月29日、猪瀬氏は都議会の所信表明演説で「(東京五輪の)組織委員会はオールジャパンの力が最大限発揮できる態勢をつくっていく」と、続投に意欲を示した。
しかし、利害関係者である徳洲会から「無担保・無利子、返済期限なし」という異常な条件で5000万円もの大金を受け取ったことへの弁明は二転三転。都議会では与野党とも「説明不足」「都民の信頼は得られない」という認識を変えていない。
組織委は今月中に人事を固め、来年2月までに設立する予定だが、猪瀬氏の疑惑のために遅れる可能性も出ている。
政治評論家の浅川博忠氏は「猪瀬氏の生き残りは絶望的だ。仮に都知事ポストにしがみついても、16年の知事選で再選することは厳しく、知事として東京五輪を迎えられないだろう。都知事に居座れば、各種団体や企業も支援しにくい。さまざまな面で悪影響が出てくる」と語る。
もはや、猪瀬氏の存在自体が「東京五輪成功への最大の障害」となってきた。
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