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2013-12-03
石破幹事長のデモ=テロ発言は今や政争の具と化していますが、彼のこの発言は良識という観点から問題視されているのであって、法案の趣旨から言えば至極真っ当な話なのです。石破は法案の内容を正確に理解した上で発言しており、それ故実質的な撤回には応じていません。
真実を知らせてくれた訳だから石破に感謝すべきだという皮肉を込めた評価が一部でなされていますが、これは一理あります。この法案は改善しようがなく、廃案に追い込まねばなりません。腰が引けた野党が主張しているような修正ではダメです。
特定秘密保護法案は非常に解り難い内容になっており、一般の人には中々理解できません。わざとそのように作られているのでしょう。問題のテロリズムの定義は、行政機関の長による適性評価について定めた第12条に出てきます。やや長いですが、この条文を以下引用します。
第五章 適性評価
(行政機関の長による適性評価の実施)
第十二条 行政機関の長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、その者が特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価(以下「適性評価」という。)を実施するものとする。
一 当該行政機関の職員(当該行政機関が警察庁である場合にあっては、警察本部長を含む。次号において同じ。)又は当該行政機関との第五条第四項若しくは第八条第一項の契約(次号において単に「契約」という。)に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者(当該行政機関の長がその者について直近に実施して次条第一項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。)
二 当該行政機関の職員又は当該行政機関との契約に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該行政機関の長がその者について直近に実施した適性評価に係る次条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
三 当該行政機関の長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
2 適性評価は、適性評価の対象となる者(以下「評価対象者」という。)について、次に掲げる事項についての調査を行い、その結果に基づき実施するものとする。
一 特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布のための装置若しくはこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機又はこれらの開発、製造、使用若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表第三号において同じ。)及びテロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。同表第四号において同じ。)との関係に関する事項(評価対象者の家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この号において同じ。)、父母、子及び兄弟姉妹並びにこれらの者以外の配偶者の父母及び子をいう。以下この号において同じ。)及び同居人(家族を除く。)の氏名、生年月日、国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を含む。)
二 犯罪及び懲戒の経歴に関する事項
三 情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項
四 薬物の濫用及び影響に関する事項
五 精神疾患に関する事項
六 飲酒についての節度に関する事項
七 信用状態その他の経済的な状況に関する事項
3 適性評価は、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を評価対象者に対し告知した上で、その同意を得て実施するものとする。
一 前項各号に掲げる事項について調査を行う旨
二 前項の調査を行うため必要な範囲内において、次項の規定により質問させ、若しくは資料の提出を求めさせ、又は照会して報告を求めることがある旨
三 評価対象者が第一項第三号に掲げる者であるときは、その旨
4 行政機関の長は、第二項の調査を行うため必要な範囲内において、当該行政機関の職員に評価対象者若しくは評価対象者の知人その他の関係者に質問させ、若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
非常に読み難いですが、重要部分にアンダーラインを付して置きましたので、その箇所だけ見て頂ければ充分です。テロリズムは、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」と定義されています。
「政治上その他の主義主張」とありますから、科学的な論争や宗教的な信条なども含まれることになります。これではガリレオ裁判や魔女狩りが再現する恐れがあります。益川さんらノーベル賞受賞者もこの法案を危惧していますが、鋭い感覚だと言えます。
もう一つの問題点は、その次に「国家若しくは他人にこれを強要し」とあり、「他人」と記されていることです。何らかの主張をして誰かが強要されたと感じたら、テロリズムとなってしまいます。これでは居酒屋で好き勝手に喋ることもできません。
もちろん、テロのレッテルを貼られたからと言って、この法案で罰せられるわけではありません。特定秘密を扱う人間として相応しくないと評価されるだけです。普段から過激な発言をしている人は仕事から外される可能性が大なので、本人にとっては一大事ですが…。
条文を見る限り、家族の思想調査までは行わないようですが、国籍や住所は調査さますから、運用次第で家族にまで対象が広げられる可能性があります。そうなると家庭崩壊に繋がりかねません。
第12条4項で、行政機関の長は職員に探偵紛いの調査をする権限を与えており、知人や近所の人たちに素行を聞き回るといった光景が日常のものとなります。地域社会もギスギスしたものとなり、戦前に回帰することになります。特高が嗅ぎ回り、国防婦人会などが活躍、隣組で相互監視させるというあの時代の再来です。
何とも嫌らしい法案で、歓迎する人は余程の変人でしょう。北朝鮮や中国が脅威だから必要だという政府の説明を鵜呑みにしている人もいますが、類似の法律が既に施行されているにも拘らず、全く機能していないのですから、そんな官僚答弁を信用してはなりません。取り締まれないのではなく、活用されていないのです。
この状態で国民に対する締め付けを厳しくするわけですから、国民を監視し、権利を剥奪することが目的であることは明白です。廃案にすべきですが、状況は真に厳しく、手遅れの感を否めません。
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