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2013年12月03日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆プラモデル兵器オタクで知られ防衛相を務めた自民党の石破茂幹事長が、思わぬチョンボ。こともあろうに、自分のブログ(11月29日付)で国会周辺の街頭デモに対して、以下のように批判した。
「今も議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」
テロリズムとは、何らかの政治的目的のために、暴力や暴力による脅威に訴える傾向や、それによって行われた行為のことをいう。また、恐怖政治のこと。テロリズムを標榜しテロを行う者をテロリストと呼ぶ。戦後の日本では、共産党の「火炎瓶」闘争、三菱重工業爆弾事件、後に警視総監となる土田国保警視庁警務部長方爆弾事件=土田民子夫人が死亡、四男が重傷を負った事件、オウム真理教事件の最中に起きた國松孝次警察庁長官が何者かに銃撃されて一時危篤状態になった狙撃事件などがある。
街頭デモの単なる絶叫戦術=テロ行為と決めつけている点は、日本国憲法第21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない」に明らかに違反する見解だ。基本的人権と民主主義を基本とする憲法原理に対する政治権力を握る政権側からの国民に対する挑戦である。
◆石破茂幹事長は12月2日付のブログで、次のような「お詫びと訂正」を掲載した。
「石破茂 です。整然と行われるデモや集会は、いかなる主張であっても民主主義にとって望ましいものです。一方で、一般の人々に畏怖の念を与え、市民の平穏を妨げるような大音量で自己の主張を述べるような手法は、本来あるべき民主主義とは相容れないものであるように思います。『一般市民に畏怖の念を与えるような手法』に民主主義とは相容れないテロとの共通性を感じて、『テロと本質的に変わらない』と記しましたが、この部分を撤回し、『本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思います』と改めます。自民党の責任者として、行き届かなかった点がありましたことをお詫び申し上げます」
テロ行為を撤回して「街頭デモの単なる絶叫戦術=本来あるべき民主主義の手法とは異なる」と改めているものの、「単なる絶叫戦術」を「本来あるべき民主主義の手法」とは認めず、あくまでも否定している。言い換えれば、「声を低くして、雑音、騒音を立てず、粛々と静かに歩け」ということである。
この石破茂幹事長の「民主主義手法の論理」が、正しいとするならば、自身が選挙運動で使っている「選挙カー=街宣車」から発している「石破茂、石破茂」と連呼するスピーカーの音は、一般有権者、とくにライバル陣営の有権者には、「単なる絶叫戦術=本来あるべき民主主義の手法とは異なる=テロと本質的に変わらない」ということになる。
◆いつの時代でも、国家最高権力者たる総理大臣(首相)をはじめ政権与党の権力者にとって、首相官邸や国会議事堂周辺で行われる「デモ隊」のシュプレヒコール(デモ・集会などでスローガンを全員で一斉に叫ぶ示威行為)は、実に耳障りで神経を逆撫でする嫌な騒音に聞こえるものらしい。
安倍晋三首相の祖父・岸信介首相は1960年6月15日、「安保反対」を叫び、国会議事堂に押しかけたデモ隊めがけて、岸信介首相が集めたと言われるヤクザと右翼団体が襲撃、多くの重傷者を出し、国会構内では警官隊と衝突したデモ隊に参加していた東大生・樺美智子さんが死亡した。岸信介首相は、「国会周辺は騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつも通りである。私には『声なき声』が聞こえる」といわゆる「サイレント・マジョリティ」を重視する発言をした。岸信介首相は、6月15日と18日に赤城宗徳防衛庁長官(絆創膏大臣と言われた赤城徳彦元農林水産相の祖父)に自衛隊治安出動を打診し、「国民に銃を向けるべきではない」と拒否された。6月18日深夜、条約の自然成立、6月21日批准、昭和天皇陛下が公布。新安保条約の批准書を交換した6月23日、岸信介首相は閣議で辞意を表明、7月15日、混乱の責任を取る形で岸信介内閣は総辞職に追い込まれのである。
◆最近では、野田佳彦前首相「雑音」発言問題がある。この発言から約5か月後の総選挙で民主党は大敗し、野田佳彦政権は倒れ、安倍晋三政権に交代している。
このサイトのブログ(2012年7月5日00時52分04秒配信)で「小沢一郎元代表こそ『真の君子』、野田佳彦首相は勝栄二郎財務事務次官らの声しか聞かない『暴君』だ」という見出しをつけて、次のように書いた。
「野田佳彦首相と小沢一郎元代表は、果たしてどちらが『君子』で、どちらが『暴君・独裁者』であろうか。日ごろは、野田佳彦首相に甘い朝日新聞が、7月4日付け朝刊『社説』(オピニオン面=14面)で『反原発デモ 音ではなく、声をきけ』という見出しをつけて、珍しく、以下のように厳しい苦言を呈している。『関西電力・大飯原発の再稼働に、多くの人々が首相官邸前や原発周辺などに集まって反対の声を上げた。官邸前のデモについて野田首相は、《大きな音がしますね》と漏らしたという。賛否が分かれる問題では、どちらを選んでも反対の声は上がる。いちいち耳を傾けていたら物事を決めたり、進めたりできない。人々の声を音と表現する背景に、そうした意識があるなら、思い直してもらいたい。党派に属さず、これまでデモや集会に参加したこともない。参加者にはそんな普通の生活者が多い。幅広い層が瞬時に呼応して集まり、ゆるやかにつながる。米国や中東でも見られたネット時代ならではの現象だ。思いは真剣だ』
脱原発、再稼動反対を訴え、毎週金曜日夕に首相官邸前に集まる普通の市民が、毎回、毎回増え続けている。3月に始まったころは、わずか300人だったのが、6月22日は4万5000人、これが29日には、約20万人に膨れ上がったという。この声が、野田佳彦首相には、単なる『騒音』としか聞こえていなかった。野田佳彦首相が真剣に聞いているのは、財務省の勝栄二郎事務次官や大蔵省の高級官僚出身の藤井裕久元財務相(一旦引退していたが、鳩山由紀夫元首相の強い要請を受けて復帰、いまは大の裏切り者に変節して、民主党を滅亡に導いている)、原発所管の経済産業省の高級官僚らごく一部の者の言うことしか耳にしようとしていない。『君子=人々の声を神の声として耳を済まして聞く統治者』とは、到底言い難い。いまや『暴君、独裁者』の風体である。これに対して、小沢一郎元代表は、国民の半数以上が『反消費増税』『反原発』の声を上げているのを敏感にとらえて、民主党を離党、新党を結党して、国民の声を現実の政治の場で実現しようとしている。まさに、紛れもなく『君子=人々の声を神の声として耳を済まして聞く統治者』なのである」
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