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2013-11-30
中国政府は、自国が設定した防空識別圏を日米が無視しているため、中国軍機が緊急発進(スクランブル)をしたと発表しています。しかし、日米ではそうした動きは確認されておらず、事実ではないようです。
東京新聞は、本日付記事で次のように報じています。
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013113002000121.html)
中国軍機が「緊急発進」 国防省発表 識別圏内に日、米機
【北京=佐藤大】中国空軍は二十九日、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏に米軍機と自衛隊機を確認したため、主力戦闘機が同日午前、緊急発進(スクランブル)したと発表した。新華社通信が伝えた。
事実ならば、中国国防省が二十三日に沖縄県・尖閣諸島上空を含む空域に防空識別圏を設定して以降、初のスクランブルとなる。
しかし、中国は日米機の具体的な飛行空域や時間帯などの詳細を一切明らかにしておらず、米当局もスクランブルの事実は未確認で、中国側の発表は、国内向けに防空識別圏を有効に監視していることをアピールする狙いもあるとみられる。
発表によると、米軍のP3哨戒機とEP3偵察機の二機と、自衛隊のE767空中警戒管制機やF15戦闘機など十機を確認し、中国空軍の「スホイ30」と「殲(せん)11」がスクランブルをかけたとしている。
中国空軍の申進科報道官は「中国空軍は東海(東シナ海)の防空識別圏で忠実に任務を遂行しており、識別圏に入ってきた外国軍機を全行程で監視し、即座に識別し、その種別も判明させている」と述べた上で、「空軍と海軍の要員は常に備えを怠らず、緊密に協調し、ともに空の安全を守る」と強調した。 (下線は引用者による)
昨日の記事で紹介したように、中国は飛行制限措置を実行するのに必要なレーダーなどの対応能力を有していないと言われており、国内向けアピールに過ぎないようです。もしそうなら、神経質に対応する必要はないということになります。
防空識別圏は、領空侵犯に備えるために領空の外側に設けられる緩衝帯で、各国が勝手に設定しています。国際法上の根拠もあやふやなので、中国側の反発は尤ものように見えます。
しかし、今回の中国による防空識別圏の設定には大きな問題が二つあります。一つは、中国が領有を主張する尖閣諸島や離於島(韓国が実効支配)を含むように重なって設定されていることで、下手をすると戦争に繋がる恐れがあります。
もう一つの問題点は、防空識別圏での対処法が日米と異なっていることです。中国政府は、この空域を飛行する航空機に対して事前通告や、双方向の無線通信を維持して機体に国籍を明示することを求めており、航空機が識別に協力しなかったり指示に従わなかったりした場合、「防御的な緊急措置」を取るとしています。
この措置は問題で、外国機が通告などをせずに防空識別圏を通過すると、最悪撃墜される恐れがあります。通常こうした措置は、領空に入ろうとする外国機に対して適用されます。米国のケリー国務長官は、この点を強調して同意できないと述べており、岸田外務大臣もこれに倣った発言をしています。
要は、領空侵犯する意思のない航空機に対して事前通告を迫るなんて常識外れだと言いたいわけです。中国側の要求は確かに理不尽ですが、尖閣などを奪取するのが目的ですから、無知ではなく確信犯と思われます。中国に対して事前通告することが慣例となれば、「領有権争い」を有利に進めることが出来ます。(言うまでもありませんが、日本政府は領有権問題の存在自体を認めていません)
中国は悪役に回ることに決めたようで、この調子で南シナ海にも防空識別圏を設定したら各国から反発を買うことになります。深い部分でアジェンダの変更がなされた可能性があり、今後の展開を慎重に見守る必要があります。
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