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「軽減税率」よりも「付加価値税」を導入すべき[高橋乗宣の日本経済一歩先の真相]
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2013/11/29 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
軽減税率をめぐる与党内の議論が活発になっているようだ。公明党は食料品全般(酒類と外食を除く)と新聞や書籍、雑誌といった出版物を対象品目とする案を提示。
これに対して自民党は、「国民の納得を得るプロセスが大事で、慎重に進める必要がある」との文書を出した。国民が納得していない特定秘密保護法案を衆院で強行採決しておきながら、一方では「国民」を盾に使ってピクリとも動かない。いつもながら自民党は二枚舌だが、公明党が主張する軽減税率の導入も困難だろう。
外食といっても、その定義は難しい。テークアウトOKという店は含まれるのか。コンビニの弁当はどうなるのか。食料品も、そのまま自宅で食べる場合と、加工や販売目的で購入される場合がある。抜け穴を見つけて脱法ビジネスで儲ける業者が誕生し、取り締まりはいたちごっこなんて事態も招きかねない。税率をめぐる混乱が危惧されるのだ。
もっとも、消費税は来年8%となり、翌年には10%まで引き上げられる。生活必需品も同じ税率となれば、国民の暮らしはメチャクチャだ。
では、どうすればいいのか。やはり、この税制を根っこから見直すしかないだろう。竹下内閣が導入を決めたときから指摘してきたが、消費税は制度設計が間違っていた。すべての元凶はそこにあるのだ。
消費税は、欧州の付加価値税と比較されることが多いが、根本理念は全然違う。名前が示すとおり、消費税は一般消費者が負担する制度だ。川下が税金を支払うという発想である。一方で付加価値税は、すべての段階の付加価値にかかる税制。商品をやりとりする際、インボイスと呼ばれる請求書を回し、だれがいくら払ったかをきっちりと残していく。これなら税負担がガラス張りになるし、控除もスムーズに受けられる。税の流れがブラックボックスにならないため、立場の弱い下請けが負担を強要される心配も減るだろう。
過ちては改むるに憚ることなかれ、である。今からでも遅くはない。消費税は廃止して付加価値税を導入すべきだ。
問題は明らかなのだから、原点に立ち返って、イチから作り直すべきである。税率は10%で打ち止めとは限らない。その先も増やされる可能性があるのだから、現行制度のままでいいわけがない。
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