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もの言えぬ民は死んだも同然。口を塞がれたドクロ。=26日夜、首相官邸前 写真:田中龍作=
【秘密保護法】 母親 「私達の声がどうして届かないのか」
http://tanakaryusaku.jp/2013/11/0008287
2013年11月26日 23:43 田中龍作ジャーナル
戦後最悪の法案が衆議院を通過した今夜、国会周辺は怒りに包まれた。抗議集会が同時多発で開催された。官邸前、衆院会館前、議事堂正門前の3ヵ所だ。
官邸前と衆院会館前は主催者がツイッターなどで呼びかけたが、議事堂正門前は自然発生的に集まった。
昼前に特別委員会で強行採決されたことに危機感と反発を募らせた人たちが続々と詰めかけた。通勤カバンを提げた女性やスーツ姿の男性が目についた。勤め帰りだ。3か所すべて合わせると1,000人はゆうに超える。
午後8時12分、衆議院本会議で特定秘密保護法案が可決したことが伝えられると官邸前では どよめき が起きた。集会に参加していた山本太郎議員がマイクを握った―
「みんな、維新のうち反対する(可能性がある)議員に応援のFAXを送って下さい。僕たちの表現の自由を守りましょう。たとえ通ったとしても最後まで体を張って抗いましょう。大切な人を戦争に送るわけにはいかない」。
乳母車を押して参加した母親(31歳)の姿があった。1歳の子供はシュプレヒコールとドラムの大音量に驚いたのか、目をパチクリさせていた。
「ずっと国会中継を見ていた。“ 私たちの反対の声がどうして届かないのか? ” と絶望に陥ったが、抗議集会があると聞いて来た。私は沖縄県出身。沖縄では県中が反対しても法律を通される。そして後で(政治が)県民を説得するのを見てきた。(今回は)それが全国規模になる。パブコメも書いた。こんなに多くの人が反対しているのになぜ?」。 彼女は必死の形相で訴えかけてきた。
国会に突入されないよう鉄柵が置かれ制服警察官が隊列を作って立ちはだかった。=国会議事堂前 写真:諏訪都=
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勤め帰りに参加した女性は2児の母親だ。「他に用事があったが、子供たちの命がかかっているので来た。子供たちが戦争に取られる」。
安倍政権は秘密保護法でモノ言えぬ社会にしておいて改憲に持っていけば、国防軍を創設できる。筆者の妄想ではない。自民党の改憲草案を読めば一目瞭然だ。
戦争に行きたくない と願う若い世代の参加者も目についた―
「戦前に戻りますと世界中に言っているようなもの。(秘密保護法案は)戦死者に顔向けできないくらい恥ずかしい」。こう話すのは都内の女子高校生(3年)だ。
抗議集会に参加するため静岡から列車に乗って東京まで来た女子高校生(3年)もいた。「Kポップが好き。韓国と戦争になってほしくない」。
あどけなさの残る彼女は国会議事堂に向かって「特定秘密保護法反対」のシュプレヒコールをあげ続けた。
《文・田中龍作 / 諏訪都》
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