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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131125-00000017-pseven-soci
週刊ポスト2013年12月6日号
安倍政権が悲願とする「特定秘密保護法」が今国会で成立しようとしている。権力者に不都合な情報の隠蔽を可能にする同法案が「天下の悪法」であることは言を俟たないが、同法が縛るのは秘密を報道するメディアだけではなく、第一義的には「国家機密を漏洩した者」、すなわち霞が関官僚たちのはずだ。
しかし、なぜか法案の成立を静かに見守るだけである。本誌名物の覆面官僚座談会では財務省中堅官僚A氏、経済産業省中堅官僚B氏、外務省若手官僚C氏、防衛省若手官僚D氏に集まってもらい、なぜ法案に反対しないのか、その理由を語ってもらった。
(司会・レポート/武冨薫)
──なぜ、あなた方は反対しないのか。
財務A:国家の枢機に参画するのは官僚の誇りであり、ある種、醍醐味でもある。だから決して機密を漏らさないし、退官後も墓場まで持って行く。特定秘密保護法案で罰則が強化されたからといって、その覚悟に変わりはない。
経産B:機密を漏洩しても“不逮捕特権”がある財務官僚がそれをいうかね。
(「不逮捕特権?」とC、Dは驚いた様子)
──財務官僚の不逮捕特権とは聞いたことがない。何のことか。
経産B:特定秘密保護法案のベースになっている改正自衛隊法では、「防衛秘密」を漏洩した者は最高5年以下の懲役となる。秘密保護の対象は、防衛省職員の他に、民間の防衛産業の担当者、他省庁の「防衛に関連する職務に従事する者」にまで及ぶ。
財務省で防衛予算を担当する主計官や主査、係員は、日本が迎撃ミサイルを何基調達したかなどミサイル防衛計画などの秘密の内容を知る立場にあるから、当然、対象のはずだが、現行法では罰則が及ばない。民間の軍事産業の担当者が防衛秘密を漏洩したら自衛隊法違反で懲役5年だが、財務省主計官の防衛担当は逮捕されない。そうでしょう、Aさん。
財務A:自衛隊法の防衛秘密漏洩の罪は秘密の「業務取扱者」までで、主計局のように自己の業務の遂行のために秘密の伝達を受ける「業務知得者」までは及ばないと聞いたことはある。
経産B:財務省はそんな特権があるから、防衛省に「資料を出せ」と気軽にいえるわけだ。
防衛D:そういわれれば思い当たるフシがあります。指定文書を持ち出すのは管理者立ち会いで保管庫の鍵を開けてもらわなければならないなど、手続きが非常に煩わしいのに、主計局から「資料を出せ」といわれて持って行っても担当者はろくに見ない。裏にそんな抜け穴があるとは全く知らなかった。
経産B:財務官僚は情報操作が生業で、税制改正などでは都合の良い情報だけをメディアにリークし、他省の秘密を集めるのにも熱心だが、防衛秘密保持では自分たちだけ安全圏に身を置いている。
外務C:いくらなんでも、それは不公平すぎる。
財務A:いや、今回の特定秘密保護法案では、わが省も漏洩すれば懲役10年の特定秘密の業務取扱者になる。
──特権剥奪は当然でしょう。
経産B:そうかな。現在の「特定管理秘密」の業務取扱者の人数(昨年末時点)を見ると、わが省が89人なのに対して、財務省は35人しかいない。外務省の2000人や警察庁の500人と比較するつもりはないが、財務省の場合は、人数からみて次官や官房長、局次長くらいまででしょう。
主計局の防衛担当職員でも、特定秘密は取り扱っていないという建前にすれば「業務外知得者」となり、漏洩しても処罰されない。「省の中の省」を自任し、予算編成権で全省庁の特定秘密を知りうる立場の財務省にしては腰が引けている。
財務A:わが省だけが処罰を免れてきたかのようにいわれるのは心外だ。国家公務員法の守秘義務はあるし、第一、漏洩事件など起こしていない。「特別管理秘密」も経産省は12項目あるが、うちはゼロ。人数が少ないのは当然だ。
あえていえば、この法案が施行されたとして、実際に漏洩事件が起きても起訴は難しいという点は他省庁も同じではないか。機密漏洩事件で裁判になれば、公判で外部に流出した以上の内容や、役所の漏洩防止策などまで明らかにしなければならない恐れがあるから、国益上、国は裁判を避けるために漏洩者を不起訴や起訴猶予にするケースが多くなる。これまでの防衛省の機密漏洩事件もそうだった。つまりは懲役10年への罰則強化といっても、戒めの意味が強い。
経産B:開き直ったな(苦笑)。
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