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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131124/plt1311240730000-n1.htm
2013.11.24
小泉純一郎元首相は12日、日本記者クラブで講演し、「首相が脱原発の決断をすればできる。判断力、洞察力の問題だ。舵を切ってほしい」と、安倍晋三首相に政治決断するように迫った。
なぜ、こんなことを言い出したのか、誰にもわからない。自民党の議員も私に「まだ国民的人気が高い人なので、今のところは遠巻きで見ているしかない」と困惑気味に語っていた。
ただ、私は小泉さんが首相になった当初、「手伝ってほしい」と国家戦略会議に頼まれて、国家戦略をいろいろと提言したことがあるが、その経験からいうと、この人は何も勉強をしていないし、する気もない人だ。
今回も小泉さんには「原発即ゼロ」に対する深い洞察があるわけではない、と思う。「原発ゼロの方針を出せば、必ず知恵のある人がいい案を作ってくれる」と語っているが、当時、(はばかりながら)知恵のある人間の1人として私は日本の戦略を30ページくらいにまとめた。しかし、長すぎると言って読まなかった。
「1ページにまとめてくれ」と言うからそうすると、今度は「ワンフレーズにして」とくる。まともに相手にしてはいけない人だと思ったものだ。首相をやっており、その人にとってとても大切なプランを必死でまとめたが、最後は「オレは勘が鋭い。あまり勉強すると勘が働かなくなる」というので絶句したものだ。しかし、マスコミも国民も、こういった分かりやすい人が好きなのだ。
小泉さんは独特の勘で、「いま、安倍首相が『自然をエネルギーとする国家を作ろう』と言えば人気が出る。誰も反対できないはずだ。考えあぐねて悩んでいる国民に対しては、スパッと『原発即ゼロ』と言ったほうがいいんだよ」と指南しているつもりになっている。
国民にとって、あるいは国家戦略として、そうすることが本当にいいのかどうかなんて、この人には「たいしたことではない」のだろう。だから、郵政民営化が骨抜きにされて再官営化するのも黙って見ていた。当時、「郵政民営化に反対するヤツはぶっ倒す」と叫んだのは、いったい何だったのだろうか。ゲーム感覚で言っていたとすれば、国民はえらい迷惑を受けたことになるし、総選挙の費用800億円も無駄になったことになる。
たしかに、この人の勘は鋭い。だが、その内容は国民から見ると正しくはない。「原発即ゼロ」と打ち出せば人気が出て政権は安定すると言っているが、電力供給が安定しなかったら、どうするのか。ドイツのように電力料金が高くなって、電気自動車ひとつ成り立たなくなったらどうするのか。
そうしたさまざまな状況の中から国民の将来のために良い選択をするのが、普通の頭を持った政治家だ。だが、小泉さんはそういう考え方が嫌いなのだ。頭にあるのは、「今、ハンドルをどちらに切るのが(政治家として)得か」ということだけ。国家を誤らせるということについては、超一流の人だと思う。
結局、久しぶりにスポットライトを浴びたら気持ちよかったんじゃないだろうか。だから、この「原発即ゼロ」の主張は、しばらくはエスカレートすると思う。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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