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(投稿者による書き起こし、大意)
質問「NSA、アメリカ国家安全保障局がグーグルやヤフーの通信ケーブルに侵入して傍受の疑惑が出て米国議会が問題視しています。さて、日本版NSCは?」
佐藤「国家安全保障局というのは本当にやっていることをわからなくするための名前で、本来の仕事は国家盗聴局ですからね。だからNSAが盗聴やってるって、業界人にとっては全然驚きじゃないんですね。泥棒が泥棒してるようなもんで」
佐藤「日本版NSCと秘密保全法がセットになって出てきているが、これを作るというのは、この国のあり方すら変えてしまうということです。NSCは一言で言うと、戦争するかしないかを決めるところです。ところが日本では憲法九条があって戦争放棄してますから、専守防衛です。ところがNSCは日本が戦争できるようにしていく」
質問「これら二つの法案の危うさは?」
佐藤「それ以前の問題として、安倍政権も、その前の民主党政権もでしたが、あの人達は国民から白紙委任状を得てるんだと勘違いしてるんだと思う。自分たちが考えた、国家のためになることだったら何でもやってもいいと思ってる。NSCは戦争をするかしないか決める機関ですよ、と国民に説明して、意見を聞かなくてはならないのに、そういうことを一切やらないで自分たちだけが暴走してるんです」
佐藤「国家って、カモフラージュするもんなんです。さっきの国家安全局、これがこれがもし盗聴局という名前だったらどうです?あるいは通信傍受局。NSCは、災害やテロに関する情報は関係ありません。じゃ、何やるの?ところがそれは秘密だから言えません、ってことですからね。NSCで何を議論するのか、それは秘密ですってことですが、戦争をするかしないか決めるところです」
佐藤「目に見えない憲法っていう考えがあるんです。昔の人なんですけど、ミュンヘン大学の教授で、オットー・ケルロイターという人がいたんです。この人は、ナチスの憲法理論を作った人なんです。憲法の改正はしないでいい、憲法改正しないで解釈だけ変えていくと。あるいは普通の法律と言う形で、ワイマール憲法と矛盾するものをいくつも作っていく。それを積み重ねれば、事実上のナチス憲法ができるんだ、目に見えないナチス憲法を作ってしまえばいいんだと言った人です。これが、まさにナチスの手口なんですよ。どうも最近の(日本)政府は、ナチスの手口に学んでいるんじゃないかと思います」
佐藤「憲法改正の正面からの議論をさけて、自分達のやりたいことで、憲法の枠も大きく超えていることを、戦後の体制と違うことをやろうとしてるんじゃないかと。このNSCと秘密保護法が合わさって、集約的に出てきてる気がする。でも止めることできない。どうしてかというと、大多数の支持を得て政権ができてるんだからと、政府は思ってるわけですよ」
質問「目に見えない脅威として最近の中国、また(日本人の)中国への嫌悪感などもありますが、それとこれは別ですか?」
佐藤「何が一番重要かというと、(我々は)国際世論を味方につけなければいけないんです。ルールブックを変更していないのに、ルールと違うことを始めることが国際社会から信用されるかと。中国とは過去に色々あったし、歴史の話は中国に有利です。日本は敗戦国ですから。だから日本はよかれと思ってやってるが、国際社会から見ると、大丈夫なのか、変なことしてるなー、民主主義国か?と思われるようなことしてますよね」
質問「イギリスはどうですか?NSCを作ることに協力すると言っている」
佐藤「イギリスはそういう国です。いまだに検閲がある。だからガーディアンの編集部に行って、スノーデンからもらった情報を破壊させた。これ、アメリカやドイツではできません。イギリスは成文憲法がないんです。目に見えない憲法があって、(一般庶民は)外交などには関わらせない。そのかわり戦争になったらエリートが一番先に行く」
佐藤「イギリスのメリットは、香港を失ったので、中国への足がかりとして東に同盟国がほしいということ。アメリカは今、日本のことなんか考えてる余裕ないはないです。足下に火がついてるわけですから」
佐藤「(秘密保護法で)気をつけなきゃいけないのは、秘密の担当官がのぞき屋の心理になっていくということ。ファイルを積み上げたくなるんです」
質問「石破さんが、国会議員も秘密保護法の対象になりうると言っていましたが」
佐藤「国会議員でも、例えば奥さんが外国人だとか、学生時代に活動して逮捕されたとか、沢山いますからね、自民党にもいます。そうした人は排除されるということです」
佐藤「しかし、選挙で選ばれた人を排除していいのかという問題もある。秘密会を作って、与党のメンバーが合法的に野党のメンバーを全員追い出すこともできるわけですよ」
佐藤「私は、秘密法は必要と思う。だが特定の公務員だけにかけるべきだと思いますし、共謀罪をセットでかけるべきではない」
佐藤「(秘密法が成立した後)、何が秘密かを判断するのは警察になる。ということは急速に警察の力がつき、戦前の内務省化していく可能性がある。他の省庁も、警察にびくびくしないと何もできなくなる。そうすると今度は防衛省が、憲兵組織を作れと言い出すかも知れない。そうしないと今度は、自衛隊が警察の顔色を見ないと何もできなくなるからと。こういう法案がどんどん進んでいる。国民の関心が低いテーマですから」
佐藤「映画<風立ちぬ>を見たが、その中に一瞬、重慶の無差別爆撃に使われた飛行機が出てくる。この重慶爆撃は、東京大空襲や広島・長崎を正当化する論理に使われている。その飛行機を美しいという観点でしか見ないのはダメ。日本人は、負け戦のことを考えていない、攻撃される側になることを考えていない、攻撃することしか考えていない。東京大空襲の経験があるにも関わらず。その戦争へのリアリティーの欠如がすごく恐いです。リアリティーが欠如してしまった理由の一つは、サブカルのせいもあると思う」
佐藤「今までは戦争へのボタンにカバーがかけられていたが、そのカバーがボロボロになって捨てられようとしている状態です」
佐藤優/くにまる13.11.1《完全版》特定秘密法,NSCはまるで陸軍参謀本部の様。ナチス手口に似てきた。政権は白紙委任状を貰ってると勘違いしている!
eichi break
公開日: 2013/10/31
今回は特に聞いてて怖くなります・・・いかに内容箇条書きします。
●NSAアメリカ国家安全保障局がgoogle侵入で盗聴 何の驚きもない。泥棒が泥棒をしているだけ。
●日本版は特定秘密保護法&NSC、ここの役割は戦争をするかしないかを決めるだけ
●戦前の参謀本部と同じ様な役割になる 政権は白紙委任状を貰っていると勘違いしている!
●目に見えない憲法ができようとしてる
●ナチス手口に似てきた、、見えない憲法作り
●中国と英国の思惑
●米国は日本なんか考えてる余裕なし、オバマさんはかわいそう
●日本は盗聴合法国
佐藤優氏の視点が冴えます。
引用元 文化放送/くにまるジャパン/2013.11.1
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