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現代寓話『茶色の朝』を読む(三酔人の独り言)
http://blog.goo.ne.jp/slcxt1192/e/e4cc302866b9469f9cc2cd99d272dbeb
今日、ほぼ3年ぶりにフランク=パヴロフ『茶色の朝』(絵入り/2003年/大月書店)を読んだ。7-8年前に初めて読み、これで4-5回目になる。何度読んでも、その時代状況に応じて、新たな気づきと学びがある。
本編は、10分ほどで読める短い現代寓話だ。哲学者の高橋哲哉氏(東京大学大学院教授)の「メッセージ」(解説?)が本編の後に付いており、こちらの方が読むのに時間がかかるほどだ。この「メッセージ」も良い。今日は、図書館で本書を借り、20分ほど電車に乗っている間に読了できた。
著者のパヴロフ氏は、フランスとブルガリアの国籍を持つ心理学者であり、人権活動家でもある。本著は、2001年にフランスで『Matin brun』として出版された著作の邦訳だ。
なぜ「茶色」なのか? フランスでは、茶色はナチスを連想させ、より広く全体主義的動きや「極右」の人々も連想させる色なのだ。(高橋氏「メッセージ」参照)
本編の大枠を、以下に少し紹介する(*紹介しすぎないよう気を付けつつ)。
俺とシャルリーは、ビストロでくつろいでしゃべっている。どこの国とは書かれていないが、フランスかその近辺の国だろう。
少し前に「茶色の猫」以外は処分しなければならない、との法律ができた。俺の猫も始末せざるを得なかった。そして今度は「茶色の犬」以外は・・・。こういった動きに批判的な新聞は廃刊させられ、「茶色新報」以外の選択肢がなくなってしまった。書籍も次々とやり玉に・・・。
それでも、なんとか慣れるものだ。新しい茶色の猫に茶色の犬、そして新聞・・・。こうして、世の中が茶色に染まっていくことに、しだいに違和感を持たなくなっていった。
俺「茶色に守られた安心、それも悪くない」
しかし、それだけでは済まなかった・・・
俺「政府の動きはすばやかったし、俺には仕事があるし、毎日やらなきゃならないこまごましたことも多い」・・・
途中の詳細や結末は書かないが、流れとしてはこのような話だ。私の解説や感想めいたことは、あえて書かない。中学生以上であれば、本書を興味深く読めると思う。未読の方は、ぜひ一読を。
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<参照>
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