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「なぜ官僚機構は小沢を警戒したか」(EJ第3678号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/380765600.html
2013年11月22日 Electronic Journal
官僚が実質支配している法務省は別として、他の省庁において
は大臣の権限は絶大です。その権限を使えば、大臣はその省庁の
行政について何でも指揮できる立場にあります。しかし、政治家
対官僚組織という構図で見ると、大臣は身ひとつでその省庁に乗
り込むかたちになります。1999年までは、大臣には政治家の
仲間はだれもいなかったのです。
これを官僚の側から見ると、「大臣1人対多数の官僚組織」で
すから、官僚組織にとって推進したくない政策については、いく
らでもブレーキがかけられるのです。これに対して大臣が実質的
な差配を官僚組織に委ねるならば、事務次官が指揮をとって政策
の推進から、国会での大臣の答弁も準備して大臣が恥をかかない
ようすべてを取り仕切るのです。
そのため各省庁の政府委員と称する役人が国会で大臣に付き添
い、必要に応じて大臣に代わって答弁していたのです。まさに大
臣はおんぶにだっこです。これなら初任大臣でも失敗なくすべて
をこなすことができるのです。しかし、それと引き換えに、官僚
組織にとって好ましくない政策には協力が得られないのです。
この大臣と官僚組織との葛藤について、宮崎学氏と長妻昭元厚
労相が次のように話しています。
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宮崎:官僚をうまく使う、という言い方がよくあるんですが、
今の構造の中で官僚はうまく使えないんですよね。官僚
は彼らが許容する範囲内では動くだろうけれども、彼ら
が嫌なものに関しては徹底的に抵抗する。表現は柔かい
表現を取りながらも、腹の中では絶対に協力しない人た
ちなんじゃないのかなという感じがしてるんです。
長妻:官僚というのはすごく強いもので、官僚主導政治が行わ
れている。官僚が日本国を牛耳っていると。でも、よく
考えると、たかが官僚に、そんな大それたことはできな
いんですよね。では何が問題かというと、官僚と資金力
のある圧力団体が結託して強固な支配体制をつくってい
る。いわゆる官僚主導政治、でも官僚だけじゃない。後
ろに既得権益を握った資金力のある団体がべったりくっ
付いている。 ──宮崎学・辻恵・青木理著
『政権崩壊/民主党政権とはなんだったのか』/角川書店
―――――――――――――――――――――――――――――
長妻昭氏は、厚労大臣としては珍しく頑張った大臣であると思
いますが、官僚組織の猛烈な抵抗に遭い、結局、ほとんど仕事に
ならなかったのです。ここで長妻氏がいっている「官僚の後ろに
は既得権益を握った資金力のある団体がついている」というのは
本当のことです。
その良い例が、田村厚労大臣の提出した一部の医薬品のネット
販売を禁止する薬事法改正案です。医薬品のネット販売には、厚
労官僚、厚労族議員、それを牛耳る既得権益グループの利害がか
らんでおり、田村大臣はその圧力に屈して、事実上解禁になって
いた医薬品のネット販売を特定28品目に関してネットでの販売
を禁止する薬事法改正案を今国会で通そうとしています。
これは、安倍首相の進めるアベノミクスの成長戦略や規制改革
の重要な一環であったにもかかわらず、それが土壇場で葬り去ら
れようとしているのも、政府が既得権益グループに屈したことを
意味しています。このように、たとえ自民党政権であっても、官
僚組織プラス既得権益グループの意にそまぬ政策は反対し、潰し
てしまうのです。これに対して、当初は医薬品のネットへの全面
解禁を明言していた安倍首相が何もいわないのも奇妙な話です。
小沢氏は、そういう官僚支配の政治を国民の手に取り戻すため
に、野党の時代から2つのことの実現を目指して政治活動をして
きたのです。2つの政策を再現します。
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1.政府委員制度を廃止し、国会法改正などを実現する
2.政治の官僚支配の牙城である内閣法制局を廃止する
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「1」については、小沢氏が野党の自由党時代に自民党との自
自連立で実現していることは既に述べた通りです。それにしても
政府委員の廃止は官僚組織にとって相当の痛手です。国会での発
言の機会がなくなり、官僚組織にとって都合の悪い政策にブレー
キをかけるコントロールがきかなくなってきたのです。
さらに、大臣が各省庁に入るときは、認証官の副大臣と複数の
政務官という政治家の仲間とセットで乗り込むことになり、官僚
組織としては、大臣1人の場合に比べて、かなりやりにくい状況
になったことは確かです。
「2」に関しては、小沢氏は、内閣法制局こそが官僚機構の牙
城であると見抜いて打った方策なのです。小沢氏は、内閣法制局
に関して、次の持論を持っています。
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小沢の内閣法制局論によれば、法制局が基本的人権の憲法条項
を審査するのは、国民に裁判を起こされて敗訴すると政府の権
威、すなわち「お上の権威」が保てなくなることを恐れている
からで、官僚がつくる法律を官僚同士で合法化、権威付けして
いるにすぎない。その法律が国民にとって必要かどうかを判断
しているわけではない。違憲立法審査権は最高裁判所にあり、
政府がつくる法律がいいか悪いかを判断するのは立法府である
国会がやることだ。法制局に最高裁や国会を差し置いて法律の
最終判断をする権限があるはずがない。にもかかわらず、法制
局の憲法、法律解釈によって国のあり方と政治の進路が決めら
れるとすれば、それこそ紛う方なく官僚統治の実証である。
──渡辺乾介著『小沢一郎/嫌われる伝説』/小学館
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小沢氏がこれら2つの手を打ってきたことで官僚組織としては
その的確さに愕然としたのです。「小沢ならやりかねない」と官
僚機構は警戒したのです。─── [自民党でいいのか/100]
≪画像および関連情報≫
●日々坦々/2013年10月08日号
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(内閣法制局長官人事について)小沢一郎「生活の党」代表
は、先日の記者会見でも、その件については「従来の自論」
を展開していた。安倍総理が、内閣法制局長官の固定路線人
事を破り、集団的自衛権行使容認派で駐仏大使の小松一郎氏
を起用した件を、小沢さんが記者から聞かれ次のように答え
ている。『僕は、内閣法制局というのは廃止していいと思っ
ていますので、あまり関心はありません。何度も申し上げま
すように、法制局は立法府にこそ必要でありまして、これは
明治以来の旧体制の名残ですね。ところが、政治家も国民も
内閣の法制局が法の権威、法の番人みたいなことを言う人が
いまして、とんでもない話しで、今の人事が象徴するように
内閣のやりたいことを法律的に屁理屈を考えるのが法制局の
役目ですから。ですから、そういう意味で制度的には必要な
いということ・・・』。「法の番人」と呼ばれる内閣法制局
長官だが、歴代長官は主に法務、財務、総務、経済産業(名
称は現在)の4省出身者が就任してきた。必ずしも法律の専
門家ではなく、憲法解釈を担当する第1部長から次長、長官
という階段を昇ってきた。平成15年には小沢一郎自由党党
首(当時)が「役人が解釈を縛るのは僭越(せんえつ)だ」
として、国会に内閣法制局廃止法案を提出(のちに廃案)。
民主党は政権についた21年9月から24年1月まで、原則
長官を国会答弁させなかった。 http://bit.ly/14i97ef
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