http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/624.html
Tweet |
http://31634308.at.webry.info/201311/article_18.html
2013/11/22 00:15
昨日、1票の格差について最高裁判決に「ガッカリだ」と書いた。今の与党を気遣っただけの判決であった。裁判所というのは、法に照らして人権を侵害したものには罰則を、また人権を損なうものには、権利が平等になるように是正する最後の砦である。その最高裁判所が「0増5減」を褒めたような判決では、国会はこれまで通り何もしない。例えしても抜本改革はせず、「0増5減」程度の小手先改正を繰り返すだけであろう。
この判決について、主要な新聞社の社説を読んでみた。最も、自社の意見で裁判所を批判している新聞社を順に上げてみた。その筆頭は、今や日本の良識の見本となっている東京新聞であった。その次が、予想外の朝日新聞で、次が毎日新聞であった。読売新聞は、単に状況を説明しているだけで、社としての考えは述べていないのに等しい。論外の新聞である。きっと、内心では今回の判決に拍手を送っているのかもしれない。
以下にそれぞれ社説の注目文を抜き出してみてみた。
東京新聞 社説 『一票の不平等 しっかりしろ、最高裁』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013112102000146.html
こんな理屈に合わない判決はない。一人別枠方式という“病根”が解消されないのに、最高裁は昨年の衆院選を「違憲状態」とした。一票の不平等は続く。「憲法の番人」たりうるだろうか。
広島高裁と同高裁岡山支部で戦後初の「違憲・無効」が出たのは、国会のあざとさを見透かし、司法としての権限を堂々と振るった結果だ。札幌高裁なども「最高裁判決の指摘に沿った改正とは質的に異なる」と断じた。
名古屋高裁金沢支部などは「区割りは可能な限り人口に比例してされねばならない」と踏み込んだ判決を出したほどだ。
ところが、今回の最高裁判決は完全に腰が砕けている。「投票価値の平等は、選挙制度を決定する絶対基準でない」と述べた。国会の裁量権を大幅に認め、司法の限界の現実に屈服したわけだ。
一人別枠方式が実質温存されているのに、「人口格差を二倍未満に抑える、見直しが行われた」と評価したのには驚く。
「構造的な問題は解決されていない」と指摘したものの、司法権が「憲法上問題があると判断しても、自ら具体的制度を定められない」と言い訳もしている。
このような判例ができると、国会が司法から黄色のカードを受けても、赤色までは出ることはないと、高をくくる。平然と違反行為を繰り返すだろう。
最大二・四三倍の不平等があった総選挙を追認する判決には、強い違和感を持つ。〇増五減でも、約二倍の格差が出るのだ。最高裁判事は国民を見ているのか、それとも国会を見ているのか。
“違憲”の現実をやすやすと許したままの最高裁は、果たして国民の信頼を保てるか、極めて疑問である。
朝日新聞社説 『一票の格差―司法の役割はどこへ』
http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1
「一票の格差」の問題だ。憲法が定める法の下の平等が問われる重大事である。
国会は長らく、その問題を放置してきた。その怠慢をただせるのはもはや司法しかない。
だが、最高裁はきのうの判決で、その役割を避けた。2年前に出した「違憲状態」にとどめる判断を繰り返した。
前回の判決から1年9カ月後の昨年12月、同じ区割りのまま衆院選を迎えた国会の責任は重い。最高裁は一歩踏み出して、「違憲」と断じるべきだった。
不可解なのは、最高裁が今回の判決で、1人別枠の問題は解決されていないとしつつ、そんな国会を許容したことだ。寛容すぎると言わざるをえない。
「0増5減」後でも、実際の格差は2倍を超えているとされる。最高裁が、国会の合意づくりの難しさなどに理解を示したことは、「お墨付き」を与えたものとも受けとられかねない。
判決は司法の限界にも言及している。選挙制度の問題を指摘しても最高裁は代替案を考える立場になく、是正には国会が広い裁量権をもつ、とした。
立法府をチェックする役割をみずから限定するかのような判断であり、それを言い出せば、最高裁に違憲審査権が与えられている意味がない。
このような局面では、司法がふだんより前に出て、ものを言う必要がある。でなければ、三権分立がうまく機能せず、司法への信頼は揺らいでしまう。
毎日新聞 社説:衆院「違憲状態」 怠慢国会もう許されぬ
◇最高裁の消極性に疑問
1人別枠方式は事実上温存されており、抜本的な制度の是正とはほど遠い内容だ。
今回の最高裁の判決は、こうした国会の取り組みをどう評価するかが最大の焦点となった。場合によっては、違憲・無効の厳しい判断もあり得たからだ。
最高裁の多数意見は、「0増5減」の法改正について「是正の実現に向けた一定の前進と評価し得る法改正が成立に至っていた」と前向きにとらえた。
憲法は最高裁に違憲審査権を与えている。最高裁は、主権者である国民の基本的人権に関わることについては、より厳格に憲法秩序を守る方向で審査権を行使するのが筋ではないか。
いくつもの高裁が政治への警告を積み重ねたのに、最高裁が腰を引いた印象はぬぐえない。
今回の最高裁の判決は、14名中、たった3名しか「違憲」としたものは居なかった。今の判事は、ほとんど自民党時代に任命されている。その意味で、自民党の不利となるような判決は出さないと思っていたが、やはり今の日本には正義はない。小沢氏を、検察審査会で起訴相当とした黒幕は、最高裁判所事務局と公然と言われている。甚だ悲観的にならざるを得ない。これを変えるには、生活のような真っ当な政党を選ぶしかない。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK156掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。