http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/527.html
Tweet |
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-10313.html
2013/11/19 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
中国との関係が改善できない安倍外交――。そのイビツな姿がいよいよ、見ちゃいられないレベルになってきた。
安倍首相は週末を使って、カンボジア、ラオスを駆け足で回った。大メディアは「これで安倍首相は就任1年足らずでASEAN10カ国をすべて回った」とか“褒めていた”が、安倍が狂ったようにASEANを回るのは中国包囲網づくりのためである。
なかでもカンボジア、ラオスは「親中国」で、安倍はそれが面白くない。で、良好な関係を引き剥がし、経済、安全保障などさまざまな面で、日本との関係を深めるために今回、訪問したのである。
実際、2012年のカンボジアの成長率は6・5%、ラオスは8・2%で市場としては魅力的だ。日本企業は熱い視線を送っていて、安倍にしてみりゃ、中国との関係に楔を打ち込み、経済協力を深化させられれば、「一石二鳥」ということだろう。
そこで「ASEANは経済再生に欠かせない友人」「アジアの海を自由にするパートナー」「ASEANを新次元に引き上げる」とかなんとか訴えたのだが、さあ、結果はどうだったか。
◇実績がないくせに「仲良くしろ」の身勝手
安倍がいくら力んでもラオスのトンシン首相は「それぞれ協力可能な対話を実施する」と踏み込まなかった。安倍が「力強い支持を得られた」と強調したカンボジアのフン・セン首相は「(安倍首相の)積極的平和主義を支持する」と言っただけだった。
それも当然で、両国は中国との関係の方が圧倒的に深いからだ。ヘタに日本に肩入れして、中国の機嫌を損ねたら、とんでもないことになってしまう。それはデータでも裏付けられていて、1994年から昨年まで中国のカンボジア投資は93億ドルだったが、日本はたった6億5000万ドル。ラオスへの中国投資は2000年から2007年で20億ドルに達したが、日本はわずか4億ドル。中国の国家主席は06年以降、両国を2回ずつ訪れているが、日本の首脳が訪問したのは安倍が実に13年ぶりだ。
これで、よくもまあ、「中国よりもオレと仲良くしろ!」と言えたものだ。両国だって、面食らったというか、対応に苦慮したのではないか。安倍は二言目にはアジア重視とか言うが、アジア諸国に言わせりゃ、「何言ってんの?」ということになる。
◇いまだに「施し外交」が有効だと思っている勘違い
身勝手な外交戦略を描いている安倍は、相手の歓心を買うために今度もさまざまなお土産を持っていった。
ラオスでは首都ビエンチャン国際空港の拡大計画に約90億円の円借款供与を決め、ベトナムからラオス、タイを横断する「東西経済回廊」のインフラ交通整備にも支援を表明した。民主党政権の円借款は55億円だったから、一気に引き上げたことになる。
カンボジアにはPKOの能力構築支援。また両国に医療保険制度や、そのための人材育成、病院経営のノウハウも「輸出」する。
もちろん、これまでのASEAN訪問でも大盤振る舞いをしていて、例えば、ミャンマーには5000億円の借金棒引きをし、910億円規模の政府開発援助の供与を表明。インドネシアでも鉄道、港湾、上下水道支援を宣言。安全保障分野での連携強化を訴えた。
◇中国包囲網がうまくいくわけがない
要するに金をバラまき、中国封じ込めの協力を要請しているわけだが、冷戦時代じゃあるまいし、まず、この感覚に呆れてしまう。しかも、日本は借金1000兆円を抱えて、アップアップの財政だ。そんな国が札束で「中国包囲網」外交とは、トチ狂っているとしか思えないが、アジア外交に精通しているジャーナリストの高野孟氏もこう言った。
「安倍首相のアジア外交は完全に間違っています。相変わらずの上から目線の“施し外交”の感覚に呆れます。ASEANは2015年に経済共同体の発足を目指しています。国際幹線道路や経済回廊の準備が進み、経済分野だけでなく、社会、文化、安全保障のすべての分野での連携を重層的に進める計画です。アジア版EUを目指しているわけで、そんなところに、日本が中途半端なカネをバラまいたところで、絶対に相手にされません。バラまく額では中国の巨大プロジェクトに全くかなわない。それで中国包囲網なんて、よくぞ、言えたものです。アジア諸国にしてみれば、日本はワケが分からない国に見えるのではないですか。安倍首相はアジア重視と言いながら、北東アジア、とりわけ中国、韓国との関係がうまくいっていないし、米国ベッタリ。TPPを進めながら、東アジア重視というのもおかしな話で、アチラでもコチラでもいい顔をしたいだけに見える。中国包囲網なんて、非現実的です。中国も含めた大連携を目指し、そのために日本がリーダーシップを発揮しないといけないのに、トンチンカンな方向に向かっている。ASEAN諸国は安倍外交を冷笑していると思います」
◇歴戦のツワモノを相手にボンボン外交の笑止
大体、安倍が交渉している相手は海千山千のツワモノ揃いで、ボンボンの安倍が太刀打ちできる相手じゃない。
カンボジアのフン・セン首相は1970年、亡命していたシハヌーク殿下の呼びかけに応じて、現政権に対抗する軍を指揮。大隊長としてプノンペン攻略に参戦、左目を失明したが、その後、ポル・ポト派を離脱して、一時、ベトナムに亡命した。この機を見るに敏な行動が奏功し、ポル・ポト派が敗走すると、世界最年少の28歳で外務大臣に就任。それからも権謀術数を駆使して、1993年、首相に就任、再任を重ねている政治的猛者だ。
他のASEAN諸国の首脳もクーデターと隣り合わせで生き抜いてきていて、ある意味、命がけで政治・外交に取り組んでいる。大甘・安倍チャンとは大違いなのである。
「彼らは国が成り立つかどうかの瀬戸際にいる。自分も追い込まれるリスクを背負い、ギリギリで勝負をしている。安倍首相とは政治経歴など含めて、キャリア、格が違うと思います。当然、日本との外交もシタタカで、首脳会談では愛想良くしても、ポーズであることが多い。その象徴がミャンマーとの関係だと思います」と元外交官の天木直人氏は言った。
◇カネだけぼったくられたミャンマー外交
ミャンマーとの関係とは月刊誌「FACTA」の11月号に詳しいが、要約すると、こういうことだ。
〈安倍首相は今年5月、昭恵夫人同伴でミャンマーを訪れ、経済協力を視野に巨額の支援を決めてきたが、大失敗した。6月末に行われた携帯電話事業の入札ではKDDI・住友商事連合が敗れ、8月にはヤンゴン近郊のハンタワディ空港の入札で大成建設の連合軍が負けた。ヤンゴン空港の拡張工事も取れず、8月にミャンマーを訪問した太田昭宏国交大臣は赤っ恥をかいた。その裏では利権目当ての政治家が蠢いていた〉
安倍の幼稚で稚拙な外交を象徴するような話である。
「この時代に中国包囲網もナンセンスです。案の定、逆に日本が包囲されているような状況になっている。トップセールスも失敗、中国包囲網も失敗では一体、何のためのASEAN訪問なのか。安倍首相の東アジア外交はあらゆる意味で失敗です」(天木直人氏=前出)
つくづく、無能をトップに担いだ国民は悲劇だ。安倍の場合、情勢分析もできず、大局観もない。いわゆる外交センスがない。ないないづくしの無能・無教養首相に外交を任せていたら、日本はアジアで孤立の道を歩むことになる。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK156掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。