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「最高裁と内閣法制局の密接な関係」(EJ第3675号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/380520783.html
2013年11月19日 Electronic Journal
「内閣法制局」という機関があります。その長は「内閣法制局
長官」であり、内閣法で定める主任大臣は内閣総理大臣です。定
員は77人という小さな政府機関です。
しかし、この小さな機関の政府のなかに占める存在感は圧倒的
であり、この機関の長である内閣法制局長官は、3名の官房副長
官とともに閣議にも陪席するのです。閣議にかけられる法案の概
要を説明する役割を担っているからです。
内閣法制局は、そもそも政府が国会に提出する新規法案を閣議
決定に先立って現行法の見地から問題がないかを審査する「法の
番人──リーガルアドバイザー」なのです。国民の前には姿を見
せない「黒衣」に徹しているのです。
実は、この内閣法制局と最高裁には深い関係があるのです。そ
れは、内閣法制局長官が最高裁判事になることが多いからです。
それは司法官僚が内閣法制局に深く関わっていることが原因であ
ると考えられます。
内閣法制局には、意見事務や審査事務を主たる業務とする「参
事官」というポストがあります。参事官の定員は24人です。こ
れらの参事官は、他省庁のキャリア組の出向者によって占められ
他の職務との兼職者は認められていないのです。
しかし、この24人の定員とは別に兼職者の枠が3つあるので
す。何と兼職かというと、検事と参事官の併任です。定員枠を超
えるポスト配分は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
第1部:意見事務を担当/1ポスト
第2部:法案審査を担当/2ポスト
―――――――――――――――――――――――――――――
これらの3ポストは、いずれも検事であり、最高裁は関係がな
いように思われますが、これにはウラがあります。全員検事です
が、第1部の1ポストの検事と第2部の1ポストの検事は、実は
判事が検事になって務めているのです。本物の検事のポストは、
第2部の1ポストだけです。つまり、3ポストのうちの2ポスト
は、司法官僚なのです。歴代の参事官のほとんどは、最高裁事務
総局勤務などの経験を有している司法官僚です。
この参事官は仕事のさい、とにかく大変威張っており、法案審
査では、省庁の担当者に「こんな法律、出せるわけないだろ!」
と怒鳴り上げることもしばしばあるようです。しかし、仕事には
熱心で、某省庁の中堅幹部は、金曜日の夜から土曜日の夜まで、
延々と法案審査に付き合わされたこともあるといいます。
そのため、省庁の担当者は参事官を怒らせないようマニュアル
作って対応しています。元農水官僚で作家の林雄介氏は、参事官
への対応に苦労した一人です。林雄介氏に関して、次のような話
がネットで披露されています。
―――――――――――――――――――――――――――――
ある参事官が、東京・有楽町にある高級フランス料理店の名前
を挙げて、「そこでなければ法案審査ができない」と語ったと
いう。林氏は「本当に困った。仕方なく、どこかの団体の“善
意”に頼って費用を負担してもらった」と明かす。いまも現存
する、このレストランのホームページを見ると、ランチコース
は1人5200円から8400円。ディナーコースは1万26
00円から2万2000円。「あおり烏賊のポシェとリ・ド・
ヴォーのクロメスキ エスカルゴバターソース」など、よく分
からないが、おいしそうな料理の名前がズラリと並んでいる。
http://bit.ly/1bEuDRQ
―――――――――――――――――――――――――――――
このように、内閣法制局の参事官に最高裁が関わり、内閣法制
局長官が最高裁判事になっている実態について、西川伸一教授は
次のように懸念を表明しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
わが国における司法権と行政権の関係は、三権分立の原則から
かけ離れた状況にある。「政府のリーガルアドバイザー」機関
に司法官僚が恒常的に枢要な地位を占め、最高裁にはこの「政
府のリーガルアドバイザー」機関の長を務めた者が判事として
すわっている。それこそ「公正らしさ」が疑われる。
──西川伸一著「日本司法の逆説
最高裁事務総局の『裁判しない裁判官たち』」/五月書房刊
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この内閣法制局長官の人事に強くこだわっているのは、安倍首
相です。第1次安倍内閣の発足は2006年9月26日ですが、
そのとき安倍首相は、内閣官房副長官(事務)に的場順三元国土
庁事務次官を任命しています。
官僚トップのポジションである内閣官房副長官(事務)には、
旧内務省の出身者が就いていたのですが、安倍首相は旧大蔵省出
身の的場順三氏を選んだのです。的場氏は、既に70歳を超えて
いましたが、安倍氏の父親の晋太郎元外務大臣の時代から、安倍
家とは親交があり、死ぬ覚悟で引き受けたといいます。
第1次安倍内閣で安倍首相は、組閣のさい、内閣法制局長官の
変更人事を許しています。そのため、内閣法制局長官は、阪田雅
裕氏から宮崎礼壱氏に代わっていたのです。安倍首相が的場順三
氏を内閣官房副長官(事務)に選んだのは、もちろん集団的自衛
権に関する憲法解釈の実現です。内閣法制局長官のクビを切って
でもやりたいと的場副長官の意見を求めたのです。
しかし、的場副長官は、宮崎礼壱長官は代わったばかりであり
もし、憲法解釈を変えるなら辞任するという強硬姿勢をとってい
たので、2007年の参院選に勝ってからやるべきと説得したの
ですが、安倍政権はその参院選で敗れ、実現しなかったのです。
この経験から、安倍首相は第2次安倍内閣では、集団的自衛権
の憲法解釈変更に慎重な法制局長官を最高裁判事に転出させ、容
認派の小松一郎フランス大使を内閣法制局長官に起用するという
大胆人事を行ったのです。政治と内閣法制局にはこのようないき
さつが多くあるのです。 ─── [自民党でいいのか/97]
≪画像および関連情報≫
●内閣法制局長官、集団的自衛権行使容認へ布石か
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小松一郎内閣法制局長官は11月1日の衆院国家安全保障特
別委員会で、政府が過去に憲法解釈の変更を行った前例があ
ると答弁した。内閣法制局は、これまで憲法解釈の変更自体
に極めて慎重な姿勢を示してきたが、小松氏は時代の変遷で
憲法解釈が変わってきた事実を指摘した。小松氏の答弁は、
安倍晋三政権が目指す集団的自衛権の行使容認に向けた憲法
解釈変更への布石になる可能性がある。小松氏は、シビリア
ンコントロール(文民統制)をめぐる自衛官の身分に関し、
「当初『自衛官は文民である』という解釈だったが、昭和何
年だったか、シビリアンコントロールの観点から『現職の自
衛官は文民ではない』と政府の解釈が変わった例があるよう
に記憶している」と述べた。平成16年の政府答弁書による
と、自衛隊は昭和29年の発足当初、警察予備隊や保安隊の
後身であることから「警察機能を担う組織であって武力組織
に当たらない」「旧陸海軍の組織とは性格を異にする」とさ
れ、自衛官も「文民に当たる」と解釈されてきた。ただ、そ
の後、自衛隊がある程度定着したことなどから、政府は昭和
40年に従来の解釈を変更し、自衛隊を国の武力組織と位置
付け、自衛官についても「文民に当たらない」とした。小松
氏は、こうした解釈変更の前例を踏まえ「従前の解釈を変更
することが至当であるとの結論が得られた場合には、変更が
およそ許されないことはないと考えられる」と答えた。
http://on-msn.com/1aNaQ09
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