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(画像はブラック企業の擬人化イメージ。石破さんに恨みはないのだが、あまりにもCSISとお友達すぎて怪しさ満開。)
国家戦略特区は日本全土のブラック企業化を狙う
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/11/post-a480.html
2013年11月17日
副題:誰のための規制緩和なのか
素直に言って神州の泉は、「国家戦略特区」というネーミング自体が憲法違反の発想を内包しているような気がして仕方がない。
奈須りえ氏がおっしゃっていることを少々参考にする。
日本国憲法第95条には「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」とある。
しかし、国家が主導して、ある特定地域の規制緩和をやることはこの条文に完全に反していると思う。
ここに特別行政区域(特区)という奇々怪々な用語の位置づけを強く疑問視せざるを得なくなる。
「国家戦略特区とはいったい何だ?」という素朴な疑問から入り、ネットを調べてみても、それに明解に答える回答は出ていない。
たいていの説明はおよそ次のようになっている。
「国家戦略特区とは、アベノミクスの「第3の矢」と位置づけられる成長戦略の目玉として6月に創設が閣議決定された。
それまでの特区は政府に認められた地域が実施主体になったが、政府が主導して地域や企業の提案をもとに事業を選ぶとともに、規制緩和や税制での優遇策を決定する。
具体的には大胆な規制緩和で民間の投資を呼び起こし、経済を再生する狙いがある。」
政策要旨の説明としてはその通りなのだろうが、ここには肝心の事柄がいっさい説明されていない。
それは“特区”が何であるのかということである。
常識的にはこれを、「ある特定の地域に限って様々な規制の適用を免除する、その特定の地域のこと」という説明がなされているが、なぜそこが特別な区域(特区)になるのかという、いわゆる特定地域の『隔離理由』のいわれや他の地域との画然性の意味を誰も説明していない。
ある日突然に、誰かが、「大胆な規制緩和を中心とした行政改革や税制措置を行う特別な地域を設ける」と言っても、革命を起こしたわけでもないのに、一定の法制度に従って機能している経済機能や社会機能を、ゲットーのように狭く区切った限定エリアだけで、突然に行政様態を変えてしまうことが、近代民主政治の中で許される行為なのだろうか。
こむずかしいことを言う気はないが、わが国の憲法は法の下に平等であるという第14条があり、そこにはこう書かれている。
第14条1項
「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」
この憲法条文が保障するところによれば、住民は経済や社会的関係において差別されないとあるが、「特区構想」は完全にその憲法理念を超越(無視)しているではないか。
簡単に言えば、同じ日本国内に規制緩和が行われる場所と、従来通りに適用されている場所の二重法律が存在するのである。
2002年の構造改革特区、2011年の総合特区、そして2013年の今行われている国家戦略特区と、特区構想は変遷してきたが、特区の思想自体が国論による自然発生的な政策論ではない。
ごく一部の怪しげな有識者たちが憲法違反を承知しながら無理やり軌道に乗せ、国民に対して、“特区”があたかも既定路線であるかのような印象を与え続けている。
小泉政権時にすでに審議されているようだが、一国に二つの制度があるのは、上述の憲法第14条にも違反するし、第一に社会秩序維持の上からも反則である。
規制改革の提案が出ること自体は問題ないが、それが限定エリアで実践されることは国家統治論的に言っても犯罪ではないのか。
日本人が“特区”に違和感を持たずに許容できる唯一の文脈は、時限的な“試験区”とか“実験区”という捉え方だろう。
ある範囲の特定エリアにおいて、規制緩和なり法人優遇なり、その他の従来にはない、思い切った異次元政策を実行し、モルモットの生体実験のように、ある時間を区切ってその効果を見るような場合である。
だが、これだってその特区が他の地域と交流できるような場合は、隔離実験の範囲を超えていろいろな問題が噴出するだろう。
だから、現実社会における行政実験が理屈として可能かどうかは疑わしい。
おそらく、これを主導する政府や一部の有識者たちは、実験室でやる一種のシュミレーション(模擬的な政策実験)のように、「特区」を国民にイメージさせているのだろう。
中国の特区を引き合いに出す人もいるが、中国の場合は中国共産党が国家の統治主体であり、国是は共産主義国家の維持である。
ところが、ご存じのように中国経済は昔のソ連がやったような、例えば農業で言うならコルホーズ、ソフホーズみたいな計画経済では成り立たなくなっていて、西側が用いている資本主義経済を採用せざるを得なくなっている。
したがって中国は、沿岸部等に経済特区を次々に作って、政治と経済の整合を図っている。
この中国の特区構想と日本のそれでは全く素性が異なっている。日本の特区の場合は外圧で無理やり創らされているのである。
そしてその淵源は1989年の日米構造協議なのである。
第二次安倍政権下で、スピードこそ命だと、がむしゃらに進めている国家戦略特区法案は、日米構造協議に始まり、数次にわたってアメリカから外圧をかけられたすえに、最終的な帰着段階として出てきた日本改造プログラムなのである。
その改造の骨子は、日本特有の規制や法制度をアメリカの企業が気に入るように変えることなのである。
TPPにまだ時間があると思っている人は考えを改めたほうがいい。
今、加速的に進んでいる国家戦略特区は、アメリカ多国籍企業による日本の新自由主義化であり、日本全土のブラック企業化なのである。
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