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「なぜ『官僚司法』と呼ばれるのか」(EJ第3673号) (Electronic Journal) 
http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/345.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 11 月 15 日 10:01:00: igsppGRN/E9PQ
 

「なぜ『官僚司法』と呼ばれるのか」(EJ第3673号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/380180685.html
2013年11月15日 Electronic Journal


 最高裁の事務総局には次の3課があります。これらの3課は事
務総局においてどういう役割をしているのでしょうか。

―――――――――――――――――――――――――――――

           1.  秘書課
           2.  広報課
           3.情報政策課

―――――――――――――――――――――――――――――

 この3課のなかで一番のキーマンは「秘書課長」です。多くの
場合、秘書課長は広報課長を兼務しており、記者クラブとの折衝
に当たるのも秘書課長です。西川伸一教授によると、最高裁事務
総局で本当に重要なポストは、長官、事務総長、事務次長、総務
・人事・経理の各局長と秘書課長といわれます。この人脈を押さ
えておくと、最高裁の人間関係は把握できるといいます。

 「司法官僚」の著者、千葉大学法経学部教授の新藤宗幸氏は、
事務総局を行政官庁と対比させて次のように述べています。

―――――――――――――――――――――――――――――

 事務総局の組織・機能をあえて行政官庁と対比させるならば、
 事務総長に直結する秘書課など三課と総務・人事・経理の三局
 が、中央省庁の大臣官房と同じく組織の維持管理を担う官房系
 組織といえる。一方の刑事・民事・行政・家庭局は、裁判分野
 に応じて下級審を指導、助言、監督し、そのための規範を作成
 している原局(ライン組織)とみることができよう。

      ──新藤宗幸著「司法官僚/裁判所の権力者たち」
                    岩波新書/1200

―――――――――――――――――――――――――――――

 既に述べたように事務総局では、水曜日の裁判官会議の前々日
(月曜日)と前日(火曜日)に次の2の会議があり、事務総局の
事実上の意思決定の中核となっています。

―――――――――――――――――――――――――――――

          1. 審査室会議
          2.事務総局会議

―――――――――――――――――――――――――――――

 月曜日の審査室会議は秘書課長が議長になり、事務総長会議は
事務総長が主宰しますが、段取りなどはすべて秘書課が取り仕切
るのです。企業でいえば、秘書課は企画部の位置づけです。この
会議には、局長全員と秘書課長が出席するのです。物事はこの会
議を通して決定され、各局が直接最高裁裁判官会議に案件を提出
することはないのです。

 これを内閣(行政府)と対比してみると、次の関係を読み取る
ことができます。

―――――――――――――――――――――――――――――

     最高裁事務総局          内閣
     ◎事務総局会議 ・・・・ 事務次官会議
     ◎ 裁判官会議 ・・・・     閣議

―――――――――――――――――――――――――――――

 事務総局会議が事務次官会議に該当するとすれば、事務次官会
議を主宰しているのは、内閣官房副長官(事務)であるので、事
務総長は、内閣における内閣官房副長官に該当するといってよい
でしょう。

 「官僚司法」という言葉があります。これは、裁判おいて原告
や弁護士が、裁判官に常識的な社会通念が伝わらない「苛立ち」
の表現であるといわれます。裁判官というのは特殊な人種であり
その行動には「伴食性がある」といわれます。

 「伴食性」とは何でしょうか。

 「伴食」は、文字通り、主客の伴(とも)をして、ご馳走にな
ることをいいます。相伴(しょうばん)とも呼ばれます。偉い人
と食事をすることを「陪食の栄を賜る」などといいます。これか
ら転じて、陪食性とは、偉い人のいいなりになるということを意
味するのです。「キャリア裁判官」は社会常識に欠けており、権
威的で偏った判断をすると近年批判されていますが、これを「伴
食性」というのです。

 これについて、新藤宗幸氏は「司法官僚」のなかで、次のよう
に述べています。

―――――――――――――――――――――――――――――

 たしかに、「官僚司法」という批判の根幹にあるのは、裁判官
 の行動にみられる「伴食性」であるといってよいようだ。つま
 り、たえず「主人」の言動を気遣い、それに合わせようとする
 主体性の欠如だ。そうであるとするならば、いったい「主人」
 とはだれだろうか。戦後日本においては司法省とその高級幹部
 ではない。司法機構内部に存在しょう。いまや最高裁事務総局
 はかつての司法省に代わって、裁判官の任用・再任用、転勤や
 昇進などの人事管理、裁判の運用、法解釈などの助言・指導に
 「絶大」な権限と権力をにぎつている。「主人」とは最高裁事
 務総局であり、それを担っている司法行政幹部であるといって
 よい。            ──新藤宗幸著の前掲書より

―――――――――――――――――――――――――――――

 戦前の司法省──裁判所に対する司法行政権を持つ──には、
「陸上勤務」と「海上勤務」という聞き慣れない言葉がよく使わ
れたそうです。司法省で参事官になったり、課長や局長になった
りするのは「陸上勤務」、それに対して裁判に全生命を打ちこん
でいるのが「海上勤務」と呼ばれるのです。企業の「本社勤務」
と「地方勤務」、警察における「本庁勤務」と「ショカツ」の違
いと同じ意味です。

 この言葉は、現在も最高裁において「事務総局勤務」と「それ
以外」というかたちで残っています。「それ以外」とは、定年ま
で、地方の裁判所をぐるぐる航海して回るだけで、事務総局とい
う「陸」に上がれない裁判官を指しています。最高裁では、事務
総局に入らなければ、けっして長官にはなれないし、出世は絶望
的になるのです。それも優秀さだけでなく、上に対して従順かど
うかが求められるのです。 ─── [自民党でいいのか/95]

≪画像および関連情報≫
 ●最高裁判事はどういう人が選ばれるか

  ―――――――――――――――――――――――――――

  ここで、最高裁判事がどういう分野から選ばれるかを見てみ
  よう。大きくは3分野。裁判官・検察官・弁護士である。そ
  のほかに学者・官僚(外交官・法務官僚など)からも選ばれ
  る。裁判官出身者は、主に7高裁長官のうちから選ばれるこ
  とが多い。最高裁判事に選ばれるような裁判官は、おおむね
  各地の裁判所で裁判をした時間よりも、最高裁で勤務した時
  間の方が長い。彼らは裁判官の中のエリート中のエリートで
  「陸上勤務者」と呼ばれる。検察官出身者は、大体退官時に
  最高検次長だった者が選ばれることが多いようである。弁護
  士出身者は、日弁連推薦者の中から選ばれることが多い。も
  し最高裁長官が日弁連の意向を無視したら、当然最高裁と日
  弁連の関係は悪くなるので、あまり無視することはない。彼
  らは、東京の2つの弁護士会か大阪・名古屋の弁護士会会長
  を勤めた者や、日弁連副会長などを勤めた者が選ばれること
  が多い。ただし、全く弁護士会の役職に就かなかった無名の
  弁護士が、いきなり最高裁判事に選ばれたこともある。学者
  からは、「〜法の権威」である各大学教授などが選ばれる。
  官僚、外交官が選ばれることが多いようだ。さて話はもどっ
  て、おとなしくなった判事達だが、以前みたいな荒々しい意
  見をはく人はいなくなったが、おとなしく自己主張する人達
  は、いる。一審で無罪判決が出たネパール人の再拘置に反対
  した人。死刑確定者の手紙の発信を一様に厳しく制限してい
  るのは、拘置所長の裁量としては「やりすぎ」と言った人。
  そして票の格差を「違憲」と主張する人達。そういう多数意
  見に反対する人達もいるのである。
           (最後まで読む)http://bit.ly/1cMQE3R


 

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