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2013年11月13日
集団的自衛権にしても、秘密保護法案にしても、米国の安倍内閣の評価は二分している。日本のマスメディアが、米国の言いなり風な報道に終始するため、国民も半ば強制的に自民党政権は、憲法違反のような法律まで通さなければいけなくなるのだ、と言った勘違いを抱かせるような報道ばかりしている。TPPにも同じような事が言えるのだが、ティーパーティーなどは、むしろ閉鎖性を好むので、否応なく反対の立場だ。安倍内閣の、あまりと言えばあまりな、恥知らずの原発輸出トップセールスなどに関しても、米国は一枚岩とは言えない。小泉元首相が主張するように、米国は自国の原発を持て余し気味なのが現状だ。シェールガス採掘の後遺症にも不安はあるが、以前のように、原油を中核にした外交政策を選択する意味合いは薄れている。
安倍晋三の心の中には、“原子力発電=プルトニウム=核開発”と云う連想ゲームが今でも慎太郎並に生き続けているのだろうから、チョッとやソットで、プルトニウムを放棄する気にはならないのだろう。ところが、アメリカが日本の核開発など絶対に許さない立場を堅持している事を知っている小泉元首相は、米国隷属の為にも、原子力発電を放棄し、自然エネルギーにシフトすることで、スクラップ&ビルドの経済効果があるではないか、と声高に語り出したように思える。11月10日付の拙コラムでも「安倍君、原発売込みだけが前向きな成長戦略ではない 逆方向も成長戦略なのだよ」 http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/a2cc81a0b17e0af1cb35364cd43cd532 と語った発想が小泉にはあるようだ。
筆者の場合、鎖国論を語るほど民族主義的思考の持ち主だが、エネルギーを如何に輸入に頼らずに生産するかは重要な課題だ。その選択が再生可能エネルギーに行き着くのだが、市場原理主義でグローバリストで米国共同体を信奉してやまない小泉元首相が、経済政策として、「逆転の発想」(原発や原油に頼らないエネルギー)が一致するのも皮肉な話だ。世界やアジアが、戦争の焼け野原から、一転、世界第二位の経済大国になり、平和憲法を守っている日本と云う国に、それ相当の尊敬羨望が存在したのは事実だ。その日本が、平和憲法をかなぐり捨て、積極平和外交等と云う言葉を弄び、好戦国になろうと言うのだから、尊敬羨望は、早晩、軽蔑嘲笑に変わるだろう。
いずれにしても、目的は別にしても「反原発」で、小泉元首相と同一の立場であることは、妙に居心地が悪い。実は、この居心地の悪さが曲者なのだと思う。現在の「反原発運動」の活動に、小泉の言葉が英気や勇気を与えるどころか、水を差す悪影響もあるかもしれない。大衆の間を吹き抜ける、うたかたの風などは、こう云うチャチャに方向を見失うことがあるので、気を引き締めなければならない。さぞや大江健三郎も苦々しく思っているに違いない。仮の話だが、安倍晋三が小泉元首相のご意見は御尤も、と言い出したら、反原発野党の勢力は四散する。攻め口の一つに蓋をされてしまうわけだ。
小泉元首相の発言で推移するとなると、既存の原発マフィア乃至は電力マフィアが政治屋、官僚、言論界を封殺している資金(国民の税金や支払い電力料金)に群がる毒アリ共を駆逐する毒は持っている点では評価できるが、日本の既得権益勢力に変わって、アメリカ的、時にはユダヤ的“リバタリアン蟻”が大挙上陸という懸念も見えてくる。どちらに転んでも搾取するものは現れるわけで、余程、国民が自立心を持たない限り、搾取の構図は変わらないだろう。ただ、日本発の、再生可能エネルギー革命には、夢がある。一昔前のソニーやホンダの再来も夢ではないだろう。明らかに、壊す価値のあるエネルギー源問題だ。小泉の着眼力は衰えていないのが困りものだ(笑)。
ところで、孫崎氏なども「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」と云うケ小平の言葉を引きあいに、当面イイじゃないか風なことを言っているのだが、良い猫だが、腹には“イチモツ”を含んでいそうでもある。一つ考えられる事は、小泉も言っている「最終処分場」の問題だ。このまま原発を続ければ、高レベル放射性廃棄物が増えるばかりだ、と言っていたが、今まで溜まった分は、どうするのか、彼は解を語っていない。記者も質問をしていない。100のゴミが110になるのは良くないと言っていたが、100そのものをどうするか語っていない。
小泉元首相が反原発を言い出した頃は、フクイチの現場周辺を国家管理地域として、高レベル放射性廃棄物の中間所蔵所、場合によれば最終処分場にし、地上には太陽光パネルや風車を並べ、フクイチ原発並の発電をするのか、と思っていたが少々違うようだ。日本の地形を考えると、高レベル放射性廃棄物の最終処分場である地層処分などは、チョッと掘れば水が出るどころか温泉が噴き出す、と理解しているようなので、それもなさそうだ。そうなると、何処か国外に、地層処分に相応しい環境を有し、日本の要望を受け入れる相手を探すことになるのだろう。一時、アメリカと協力し、モンゴルはどうか、と云う話もあったが、その後情報は途絶えた。つまり、原発ゼロが実行されても、高レベル放射性廃棄物の行き場がないという事実は変わっていない。だとすれば、最終的解決案に至らない、原発ゼロ発言活動の目的は、別な問題であることを、示唆している。
それでは、別な問題、目的とは何なのだろう。筆者は、自民党が長期に政権政党であり続ける為の処方箋を示している、と云う考えに至った。「真の独立」など考えずに、誠心誠意アメリカンデモクラシーの尻尾の糞になり、安泰な長期政権維持の政策を考えるべきだ、と語っている。その為には、期待感だけで支えてきた“アベノミクス”なる経済政策は、早晩馬脚を現し、その神通力を失う。安倍内閣の支持率の殆どが、金に目のない国民の期待だとすれば、来年の春には、期待のすべてが幻で、大企業や既得権益勢力だけ優遇している、国民のまさに敵のような政権となり、孤立する。
そのような想定が、かなりの確率で生じるのであれば、今こそ、原発ゼロ政策を打ち出し、政権維持の第二弾を提示すべきだ。おそらく、小泉元首相は、「自民党をぶっ壊す」から「自民党を永遠に」と考えを変えたのだろう。それでなくても、大企業優遇、国民から搾取の構造が上手く行く筈もなく、その上、タカ派な秘密保護法や集団的自衛権等々を打ち出してしまったのだから、国民側に目が向いている仕草をしないのは、世間の気持を吸い上げていない証拠になる。それこそ、半分は冗談気分だが、息子の進次郎が首相の椅子に座れそうな時に、野党になられるのは困りものだ。まぁ、そこまで考えているかは別にして、小泉元首相は“アベノミクス”の終焉を予期して、「原発ゼロ」を自民党の看板にしろと言っている。
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