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<小泉・原発ゼロ発言の複雑怪奇>
安倍晋三を政界の要人へと昇らせた小泉純一郎が11月12日午後、日本記者クラブで持論の「原発ゼロ」演説を行った。フィンランドやドイツへの視察はま ともである。核のゴミの処分場のない日本に、54基もの原発を建設した日本政府の狂気に愕然とするばかりだが、小泉もそれに気付いた点はまともだ。ならば 為すべきことがいくつもあるが、それがない。ただ口舌の徒に甘んじている。政治的演技に終始している。単純に絶賛はできない。
<読売・中曽根叩きは正論>
球界の事情など関心外だが、なんと日本一の楽天監督に正力松太郎賞が輝いたという。正力こそが、日本原発推進派でCIAの代理人だ。後継が政界では中曽 根康弘、そして言論界はナベツネ読売である。正力賞に浮かれた楽天は、福島に唾を吐いたようなものだ。断れなかったのか。
小泉は福田赳夫の下足番から政界に打って出た。福田の仇敵が中曽根、そしてナベツネである。原発ゼロは彼らへの挑戦である。両者も老いぼれになった、という事情もあろう。筆者の目からすると、さしずめ「毒をもって毒を制する」のたぐいである。
小泉の原発ゼロに反撃したのは、ナベツネの社説だった。この日の小泉演説は、その原子力ムラを代表するナベツネ社説の反論から開始した。小泉に誰しもが軍配を上げるだろう。既に自民党幹事長も軌道修正しているほどだ。
「再稼働NO,即ゼロだ」は正論である。日本はドイツを見習うべきだろう。ナベツネも罪な男である。平和軍縮派の宇都宮徳馬に育てられながら、宇都宮を裏切って右翼に転身したナベツネが、永遠に勝利することはない。因果応報を信じたい。
<安倍工作はゼロ>
さて、問題は安倍攻略だが、小泉はこれを無視している。半分、本気ではない証拠だ。政界の劣等生で極右の安倍が今日あるのは、ひとえに小泉のお陰である。説得すべきだが、それはしない。
パフォーマンスでしかない。内外の敵を熟知、これまで沈黙を余儀なくされてきた小泉の突然の浮上である。セガレのためだけではあるまい。事情通は「廃炉ビジネス利権」と指摘している。
54基もの廃炉には、莫大な資金と長い時間がかかる。むろん、再稼働を続ければ、核のゴミ処理が出来たとしても10万年もかかる。日本はフィンランドのような岩盤地帯はない。受け入れる住民などいない。
福島の1~4号機の廃炉の目途など、今の科学技術では立てられない。この処理だけでも日本沈没を約束するだろう。亡国日本を印象付けている。4号機の燃料棒の取り出し作業が成功するのか、事故が起きれば大変な事態になろう。
それに10万年も保存できる容器などあろうはずもない。こう考えると、正力もナベツネも中曽根も罪が重い。いまや希望も夢もない日本である。
小泉は安倍に対しては、原発ゼロは絶好の機会、ぜひやるべきだ、とただ願望を口にしただけである。ここが怪しい。本気であれば、命がけで安倍を説得すべきなのだが。
<三井(東芝)と三菱批判ゼロ>
小泉は日本の権力の源泉を知っている。財閥で動く日本である。三井と三菱がコントロールしている。三井・東芝の原子炉、三菱と日立の原子炉が、日本に災いをもたらしている。
彼らの手先が中曽根やナベツネである。原発ゼロにするためには、まずは財閥を抑え込むことが何よりも重要である。小泉には、この財閥批判がない。三井住友や三菱批判がゼロなのである。
安倍内閣は財閥の傀儡政権である。安倍は外交権を三井や三菱のために行使している。トルコへの原発輸出は三菱のためである。三菱は日本最大の軍需産業だ。トルコとは、戦車エンジンの生産をする合弁会社をつくる交渉も始めている。
原子炉輸出が、アベノミクスの成長戦略の軸となっている。三井と三菱が支える安倍内閣といっていい。小泉はこのことを承知している。従って原発ゼロにす るためには、財閥の路線を変えさせることが、安倍工作以前に行わなければならない。しかし、それがない。それは不可能に近い。
<小泉・郵政民営化も財閥路線>
小泉内閣の内外経済政策は、主に慶応の先輩である東芝の西室泰三に任せていた。郵政民営化も、いうなれば三井・三菱の意向を受けて強行したものである。気付くと郵政社長は西室だ。
安倍の原発再稼働路線は、日米の1%の意向を受けたものだ。小泉・郵政改革も日米1%の意思に従ったものである。
朝鮮戦争とベトナム戦争で復活した日本財閥に抵抗した政権は、これまでにない。多かれ少なかれ、財閥の意向で動いてきた政権ばかりである。その財閥が安倍の内外政をコントロールしている。
この事実に国民が目を覚まし、韓国のように財閥の暴走に縛りを懸ける時代の到来が、何よりも重要なのである。新聞テレビが財閥から離脱することが先決だ。真実を報道できる新聞テレビ時代の到来が来るのかどうか。
財閥に牛耳られる政府・官界・司法・言論を、いつまで続けて行くのか。日本民主主義の行方は、この1点にかかっている。
<靖国・米ペット論に反省ゼロ>
小泉は演説の終わりで、自らの靖国参拝を正当化、中国を強く非難することを忘れなかった。「戦没者に参拝するのは当たり前だ」と開き直った。彼は全く歴史を度外視している政治屋であることを、改めて暴露した。
首相になる前だったが、彼は筆者に向かって「自分は台湾にも韓国にも行っていない」と言って、自らのバランス感覚を宣伝した。彼は大学で経済を少しだけ学んだ。問題を起こしてロンドンに留学したが、そこで勉強したという話を聞かない。
彼は中国の大地を歩いていない。韓国さえも。日本軍の侵略の現状を見ていない。知らない。反共右翼の派閥に所属した単純な反共主義者にすぎない。
彼はドイツに行って、ヒトラー戦犯らの墓地を確認したのであろうか。メルケル首相が、今でも虐殺されたユダヤ人収容所に行き、頭を垂れていることを知らないのだろうか。
米国要人も靖国参拝をしない。非宗教施設の千鳥ヶ淵墓苑に参拝したばかりだが、それでも小泉は靖国信仰にこだわりを見せた。それでいて「ワシントンのペット」が日本の安全のためだ、と強調した。
ホワイトハウスが、安倍の靖国に反対していることを知らないのであろうか。
<アフガン・イラク戦争反省ゼロ>
小泉内閣最悪の政治決断は、イラク・アフガン戦争に加担したことである。その政治的責任は重い。小泉の恥部である。彼が表に出られない理由の一つだった。
彼は日本記者クラブ会見を了解するさいに「質問は1,2問だけ」と条件をつけた。彼は未だにイラク・アフガン戦争の自己批判をしていない。英国のブレアは、議会でたっぷり油を絞られている。ブッシュは、それゆえに黒人大統領を誕生させ、世界を驚かせた。
小泉は、この問題を忘れている?しかし、靖国は記憶していた。安倍の中国・韓国への歴史認識や領土問題の対応を当たり前のことだ、と弁護した。こうしてみると、小泉の原発ゼロ発言の真意はかなり怪しい。
2013年11月13日7時10分記
本澤二郎の「日本の風景」(1457)小泉・原発ゼロ発言の複雑怪奇他 「ジャーナリスト同盟」通信
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52053167.html
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