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2013-11-12 07:09:03
橋下・大阪市長が、「特定秘密保護法案は『原則秘密』になっている。『原則は公開』でなければならない」と、政府案の根本を批判し、「非常に危険」と指摘しました。大阪市役所で記者団が11月8日にぶら下がり会見した中で語ったものです。
朝日新聞の9日朝刊が伝えたところによると、橋下発言は次の通りです(デジタル版に詳報)。「知事をやり、市長をやり、国政政党の代表もやり、権力機構がどういうものかということは実体験したが、『原則秘密』はやっぱり嫌だ。非常に危険」
「行政サイドは『国が国民を守るんだ』というふうに言っているが、最後、国民の判断でそういう秘密が暴かれていって、国民の生命・財産にある程度リスクが生じたとしても、それは最終的には国民の責任ということで落ち着けるのが国民主権。 行政サイドは『国民のためだ』と言って、秘密の領域が広がっていく。権力機構に携わっているのは普通の人間だから、適切に運用するのはなかなか難しい。不都合なものは隠そうということにどうしてもなってしまう。だから、原則はやっぱり公開。そういう視点で法案をブラッシュアップしなければ。今のままではちょっと粗すぎる」
「安全保障上、公開してはいけないような情報もあることはある。『原則、秘密は良くないよ』というところからスタートして、『でもやっぱり、守るべきものあるよね』と。だから、原則はどっちで例外はどっちだ、という方向性を示すのが政治家の役割だと思う。 特定秘密保護法案はやっぱり『原則秘密』になっている。国の安全を守るためには、秘密も必要。だが、『原則は公開なんだよ』ということを抑えておけば、その期間のあり方だったり、公開のやり方だったり、もっと色々考える余地があると思う」
「今回の法案は、法律家としても『非常に粗いな』と思う。国家の安全保障とレベルが違うから一緒に扱うわけにはいかないが、僕のメールなんかについても、公開にしたくないことはある。でも、原則公開だよ、っていうルールに僕はしている。今回の法案は、権力の本質をきちんと押さえたようなルールになっていないなというふうに感じた。感覚的にこの法案、ちょっと嫌だなと思った」
「(特定秘密の)指定の範囲にしても、指定の仕方にしても、(国が非公開とした公文書を裁判所が検証し、政権側の判断が妥当かを調べる)インカメラ(審理)を導入すると言っても、『原則公開だ』というところを抑えたような緻密(ちみつ)な法律になっていない」
「守っていく秘密が必要ということに反対じゃない。外交上の問題で、秘密を守らなければいけない場面はあるので、それは絶対守っていかなければいけない。だが、原則は公開」
「理想論を言えば、秘密みたいなものがある程度出ても、国家間で安全保障上の支障がないような形で、さらに安全保障を構築していけばいい。やれ人権だとか、僕の慰安婦を巡る発言について四の五の言っていた米政府が、とんでもない人権侵害をやってるじゃないですか。それが(権力機構の)実態なんですよ」
「一回ちょっと発想を切り替えて、原則公開の方がいいよと。情報が公開されることによって生じるリスクを前提に、安全保障をさらに構築していく知恵を絞ればいい。秘密にしていくことで安全保障をどんどんどんどん高めていくよりも、情報が公開されることを前提としたうえで安全保障を高めていくという発想に切り替えたら、いくらでもできる」
「権力機構というのは神様のような行動ができるような集団じゃない。だから報道機関に頑張ってもらわないと。やっぱり行政機構のチェックは、情報をとにかく国民に知らせて、そして報道でチェックするという、この基本を抑えないといけない」
「日本は権力機構がある意味、民主的に抑えられている。僕はいつも職員に言うんですけど、『一般有権者が役所をバカにするとか政治家をバカにするという社会の方がよほどいい』と。秘密とかそういうことになると、民主的な統制というものがぐらつくんじゃないかと思う」
橋下発言の「まともさ」にびっくりしました。「公開が原則」なんて当たり前のことだけど、橋下発言はそれが「原則秘密」という真反対にされようとしていることに改めてきちんと反対の意向を表明したことになります。また、権力というものは、かならず「情報を隠ぺいしようとする。秘密主義になる」ことも抑えています。
そうした権力の傾向を報道がチェックし、国民が判断してまともな社会を構築していく。それこそが「民主主義社会」ですよね。橋下発言はそこを抑えているといえます。失礼ながら、橋下徹って、まともな感覚してるじゃん、と思ってしまいました。
朝日新聞はこの橋下発言を伝えましたが、読売新聞は無視。読売の本音は、「特定秘密保護法案を原則支持」です。読売の立ち位置は、ハシズムよりももっと「右」になりました。
私たちは、私たちに本来備わっている「健全さの感覚」をもっと鍛えて、安倍政権の施政にブレーキをかけるとともに、その露払い役の読売をはじめとする「右寄り路線」を先細りに追い込みたいものです。
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