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2013/11/11 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
住宅や自家用車など大きな買い物は消費税率が8%に上がる前に購入すべきか――。今月5日朝のNHKニュースはこんな特集で始まった。
3連休中に大型家具店や住宅展示場、車のディーラーに密着。増税前に購入しようとする客、悩む客を映し出し、同時に専門家の「駆け込み需要のヤマは早めに始まる」「裾野は広い」「ヤマは高くなく、緩やかな丘のよう」なんて、コメントを流していた。もう駆け込み需要が始まりつつあるということだ。
10月1日に安倍首相が消費税増税を決断して以降、メディアの報道は似たり寄ったりだ。消費増税のデタラメ、重大影響はてんで報じず、「駆け込み需要を狙ってマンション販売が好調」などと、増税前の消費を煽っている。
ふざけた話だ。来年4月から庶民の暮らしはどうなるのか。住宅や車など、高額商品を買う金持ちの「駆け込み需要」なんて、庶民にはどうでもいい話だ。問題は普通のサラリーマンや年金生活者、非正規労働者の暮らしなのである。
政府の「経財諮問会議」によると、消費税率の8%引き上げで、来年度は8兆円の税収増を見込む。うち家計負担は6兆円。赤ん坊から年寄りまで国民1人当たり、年間5万円の負担増になる。
これだって十分ショッキングな数字だが、あくまで机上の計算だ。消費増税が国民生活に与えるダメージは、この程度では絶対に済まない。
増税で間違いなく不況は深刻化するからだ。そこに社会保障負担増や給付カット、日銀の円安政策による輸入物価高も襲い掛かる。まさに三重苦の中でのデタラメ増税なのである。
◇増税後の不況から逃れた国は一つもない
過去の増税時にも中小零細企業、町の商店がバタバタつぶれた。今度も間違いなく、そうなるだろう。
増税分を転嫁できる大企業はいいが、「立場が弱い中小零細企業は注文数が減ることを恐れて、価格転嫁ができないのではないか」(経済評論家・荻原博子氏)とみられているからだ。
消費増税は8%のあとにすぐに10%が控えている。それまでは「価格据え置き」というところも出てくるだろうし、そうなれば、カツカツの経営がますます、追い詰められていく。
「それでなくても、円安による輸入コスト増で中小企業は大打撃を食らっているんです。昨年の日本の輸入総額は約70兆円。20%の円安で、輸入コストは年間14兆円も増えました。その分、燃料費や資材コストは跳ね上がり、儲けが減った。そこに消費増税が追い打ちをかければ、耐え切れない企業からバタバタと淘汰されていきますよ」(経済アナリスト・菊池英博氏)
世界を見渡しても07年のドイツ、11年のイギリスと消費税(付加価値税)アップ後に景気が悪化した。両国ともデフレ下ではなかったのに、マイナス成長に陥った。
「ましてや日本のようなデフレの国で消費税を上げれば、どうなるのか。いい例が昨年、財政難で付加価値税を18%から21%に引き上げたスペインです。消費が落ち込み、税収は増えず、財政再建も進まないという最悪の展開になった。若年層の失業率は56%に達しています」(菊池英博氏=前出)
4月以降の日本の景気は地獄になっておかしくない。
◇真相を知らされず地獄の生活に叩き落とされる
それでも、消費税アップで社会保障が充実するなら、国民もまだ我慢できる。ところが、今度の増税は社会保障切り下げとワンセットなのである。
9月から厚生年金保険料は年間約9000円引き上げられ、一方、もらう側、標準世帯の年金受給額は今後3年間で「6万8700円」も削られる。来年4月から70〜74歳の医療費窓口負担は2倍となり、再来年には軽度の要介護者は特養ホームから締め出されてしまう。
「社会保障費の負担に加え、復興税で所得税も地方税もほぼ恒久的に引き上げられました。子育て世代はここ数年、年少扶養控除の廃止や旧子ども手当の減額など負担が増しています。おまけに円安の悪影響で、光熱費や食料品は怒涛の値上げラッシュです。これらの家計の支出増と合わせると、消費税8%の時点で年収300万〜500万円、中学生以下の子供2人を抱える世帯は、年間約30万円の負担増を迫られそうです」(荻原博子氏=前出)
忘れちゃいけないのはアベノミクスが年間2%のインフレ目標を掲げていることだ。
つまり、値上げ大歓迎。仮に年2%のインフレが5年も続けば、プラス10・4%になる。2年後に消費税が10%になっていれば、合わせると実質約15%の負担増になる。
ニッセイ基礎研究所主任研究員の井出真吾氏の試算によると、65歳以上の年金世帯で年間36・7万円増、子育て世帯の割合の多い40〜50代にいたっては、約50万円もの負担増になるという。よくもまあ、こんなデタラメができるものだ。
◇国家的詐欺をはびこらせたメディアの責任
安倍も景気の下支えのため、6兆円の景気対策を打つとは言っている。しかし、その大半は法人税減税など大企業優遇策に消えてしまう。
「しかも、6兆円程度の景気対策ではどうにもならない。この1年で安倍政権は13兆円以上の財政出動を行いました。それで景気は良くなりましたか、サラリーマンの給与は増えましたか。厚労省の毎月勤労統計によると、基本給や諸手当などの『所定内給与』は今年の9月まで実に16カ月連続の前年実績割れです」(菊池英博氏=前出)
改めて言うまでもないが、消費税は逆進性のある悪魔の税制だ。この国の給与所得者のうち、今や20・1%が年収200万円以下だ。非正規労働者の比率は4割に迫っている。悪魔の税制はこうした弱者をさらに苦境に追い込むのである。
「それなのに、政府の弱者対策は1万円を1回だけ渡すきり。彼らの生活は1日10円、20円を切り詰める毎日です。ランチは牛丼、電車賃を削って徒歩で出かけ、帰郷は深夜バスが定番です。そこに苛烈な負担増を押し付ければ、生活は干上がってしまう。この国の格差は、ますます下の方向に広がるばかりです」(荻原博子氏=前出)
暴動が起きても不思議じゃないのだが、国民は羊のようにおとなしい。冒頭のNHKの報道を筆頭にメディアが増税の真相を伝えないからだ。何が駆け込み需要だ、マイホームだ。まるで景気が良くなるかのような煽り方は許せない。
これじゃあ、安倍はますますツケ上がり、国家的詐欺がエスカレートする。行き着く先は1億総ビンボー。日本経済はどんどん地盤沈下していくことになる。
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