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2013年11月09日
「日本維新の会」の共同代表で悪名轟く橋下徹大阪市長が、世にも不思議な発言をしている。チャンと考えて、謙虚な心持ちになれば、真っ当な法律家とか、人間として、物事が考えられると云うことが判明したのは有意義だ。人間、時には落ち目になった時、変わることが出来るかどうかで、その人の器が判ることがある。その点で、今回の自民党の“秘密保護法案”に対する、橋下の発言は、変わるべくして変わる、最後のチャンスかもしれない。褒め過ぎと云う感じがしないでもないが(笑)、いいことを言った時、良いことを考えた時は、好き嫌いを別にして、大いに褒めても良いような気がする。小泉純一郎の腹の中は判らないが、反原発発言は、当面褒めることにする。時間がないので、橋下発言を丁重に報じる、犬猿の仲の朝日新聞の記事を引用しておく。
≪ 秘密保護法案「非常に危険」 維新・橋下代表の発言詳細
日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)は8日、大阪市役所で記者団の取材に応じ、審議入りした特定秘密保護法案について「非常に危険」と指摘した。発言の要旨は次の通り。
知事をやり、市長をやり、国政政党の代表もやり、権力機構がどういうものかということは実体験したが、「原則秘密」はやっぱり嫌だ。非常に危険。
日本の行政機構が、秘密というものを適正に扱えるという体制にはなっていないというふうに思っている。日本だけじゃなくて、世界のどこを見渡しても、権力機構というのは秘密を適切に適正に扱えない。
安全保障上、公開してはいけないような情報もあることはある。「原則、秘密は良くないよ」というところからスタートして、「でもやっぱり、守るべきものあるよね」と。だから、原則はどっちで例外はどっちだ、という方向性を示すのが政治家の役割だと思う。 特定秘密保護法案はやっぱり「原則秘密」になっている。国の安全を守るためには、秘密も必要。だが、「原則は公開なんだよ」ということを押さえておけば、その期間のあり方だったり、公開のやり方だったり、もっと色々考える余地があると思う。
今回の法案は、法律家としても「非常に粗いな」と思う。国家の安全保障とレベルが違うから一緒に扱うわけにはいかないが、僕のメールなんかについても、公開にしたくないことはある。でも、原則公開だよ、っていうルールに僕はしている。今回の法案は、権力の本質をきちんと押さえたようなルールになっていないなというふうに感じた。感覚的にこの法案、ちょっと嫌だなと思った。
(特定秘密の)指定の範囲にしても、指定の仕方にしても、(国が非公開とした公文書を裁判所が検証し、政権側の判断が妥当かを調べる)インカメラ(審理)を導入すると言っても、「原則公開だ」というところを押さえたような緻密(ちみつ)な法律になっていない。
守っていく秘密が必要ということに反対じゃない。外交上の問題で、秘密を守らなければいけない場面はあるので、それは絶対守っていかなければいけない。だが、原則は公開。
行政サイドは「国が国民を守るんだ」というふうに言っているが、最後、国民の判断でそういう秘密が暴かれていって、国民の生命・財産にある程度リスクが生じたとしても、それは最終的には国民の責任ということで落ち着けるのが国民主権。 行政サイドは「国民のためだ」と言って、秘密の領域が広がっていく。権力機構に携わっているのは普通の人間だから、適切に運用するのはなかなか難しい。不都合なものは隠そうということにどうしてもなってしまう。だから、原則はやっぱり公開。そういう視点で法案をブラッシュアップしなければ。今のままではちょっと粗すぎる。
理想論を言えば、秘密みたいなものがある程度出ても、国家間で安全保障上の支障がないような形で、さらに安全保障を構築していけばいい。やれ人権だとか、僕の慰安婦を巡る発言について四の五の言っていた米政府が、とんでもない人権侵害をやってるじゃないですか。それが(権力機構の)実態なんですよ。
1回ちょっと発想を切り替えて、原則公開の方がいいよと。情報が公開されることによって生じるリスクを前提に、安全保障をさらに構築していく知恵を絞ればいい。秘密にしていくことで安全保障をどんどんどんどん高めていくよりも、情報が公開されることを前提としたうえで安全保障を高めていくという発想に切り替えたら、いくらでもできる。
権力機構というのは神様のような行動ができるような集団じゃない。だから報道機関に頑張ってもらわないと。やっぱり行政機構のチェックは、情報をとにかく国民に知らせて、そして報道でチェックするという、この基本を押さえないといけない。
日本は権力機構がある意味、民主的に抑えられている。僕はいつも職員に言うんですけど、「一般有権者が役所をバカにするとか政治家をバカにするという社会の方がよほどいい」と。秘密とかそういうことになると、民主的な統制というものがぐらつくんじゃないかと思う。 ≫(朝日新聞)
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