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「強制しない」と首相が約束した国旗国歌法。それがつくった今の社会  朝日新聞
http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/146.html
投稿者 ダイナモ 日時 2013 年 11 月 09 日 10:07:33: mY9T/8MdR98ug
 

もう15年近くも前の1999年9月、ニュージーランドのオークランドでAPEC首脳会合があった。私は当時、北海道新聞の東京政治経済部で日銀・大蔵省(現財務省)を担当していて、現地に出張した。会その3晩目だったと思う。小渕恵三首相と記者団との懇親会が海沿いのレストランであり、食事中ずっと、小渕氏の右に座った。丸いテーブルには6−7人。長く小渕氏に仕えた政務の秘書官やどこかの省庁の幹部もいた記憶がある。

ほとんどが冗談話だった。内容もほとんど記憶していない。ただ、自分なりに「これだけは総理に聞いてみよう」と考えていたことがいくつかあって、そのうちの一つが国旗国歌法だった。調べてみたら、この法律の発布・施行は1999年8月13日。APEC首脳会合が9月12、13日だから、法律ができてちょうど1ヶ月後だった勘定になる。国旗国歌法案の衆院提出はこの年の6月末で、衆院通過までに要した時間はおよそ1ヶ月だ。

法案審議は迅速だったが、賛成一色で法案が法律になったわけではなかった。思想信条の自由と強制性の問題、学校教育現場と行政の関係、戦争の歴史とアジアの反応。いろんな問題がテーマになり、国会の内外、あちこちで種々の議論が起きていた。当時、小渕氏が国会で言明した有名な答弁がある。その後、なんやかやで忘れられた感じがするが、こんな内容だった。当時の衆院本会議の議事録から要約・抜粋してみよう。「日の丸掲揚などが強制になるのではないか」という趣旨の質問に対する答弁だ。

<政府の見解は、政府としては、今回の法制化に当たり、国旗の掲揚等に関し義務づけを行うことは考えておらず、したがって、国民の生活に何らの影響や変化が生ずることとはならないと考えている旨を明らかにしたものであります。なお、学校における国旗と国歌の指導は、児童生徒が国旗と国歌の意義を理解し、それを尊重する態度を育てるとともに、すべての国の国旗と国歌に対して、ひとしく敬意を表する態度を育てるために行っているものであり、今回の法制化に伴い、その方針に変更が生ずるものではないと考えております。>

<法制化に伴う義務づけや国民生活等における変化に関するお尋ねでありましたが、既に御答弁申し上げましたとおり、政府といたしましては、法制化に当たり、国旗の掲揚等に関し義務づけを行うことは考えておらず、したがって、現行の運用に変更が生ずることにはならないと考えております。>

小渕氏の発言は他にも縷々存在するが、要するに「法律はできても強制はしませんよ、政府はそんなことしませんよ」と言っている。小渕氏とは別に、衆院文教委員会で答弁した政府委員は「(掲揚や斉唱の指導に)単に従わなかった、あるいは単に起立しなかった、あるいは歌わなかったといったようなことのみをもって、何らかの不利益をこうむるようなことが学校内で行われたり、あるいは児童生徒に心理的な強制力が働くような方法でその後の指導等が行われるというようなことはあってはならない」と答えている。ここでも、要するに「強制はしない」である。また、当時の文部大臣はこう答弁している。

「本当に内心の自由で嫌だと言っていることを無理矢理する、口をこじ開けてでもやるとかよく話がありますが、それは、子どもたちに対しても教えていませんし、例えば教員に対しても無理矢理に口をこじあける、これは許されないと思います。しかし、制約と申し上げているのは、内心の自由であることをしたくない教員が、他の人にも自分はこうだということを押しつけて、他の人にまでいろいろなことを干渉するということは許されないという意味で、合理的な範囲でということを申し上げているのです」

教員らが「内心の自由」の下で、本当に嫌だったら強制はしない、という内容だ。その上で、「嫌を他人に押し付けたらいけませんよ」とも言っている。至極、まっとうな答弁に思える。

あれから15年近くがすぎ、日の丸や君が代を巡る風景、議論の内容や位置づけは大きく変わったと思う。法律制定時のこの国の最高権力者が「強制はしない」と言ったことが、その後はすっかりないがしろになり、教育現場では、式典等で君が代が歌われる際、教員の「口パク」を監視したり、告発したりする仕組みまで出来上がった。

こう書いていくと、おそらく、「君が代や国旗は当時よりさらに浸透したんだよ」などと反発される方もいると思う。その通りである。時代は変わる。時代が変わるということは、社会のシステム・仕組みや人々の意識も変わるということだ。そして世代交代は必ず進むから、ある出来事に伴う「変化」は、やがて「日常」になり、「日常」から「常識」、さらに「歴史」へと昇華していく。

きょう7日から特定秘密保護法案の実質審議が始まる。

この法案は当初、秘密保全法案とか秘密保全法制とか呼ばれ、もう10年近くも警察、外務、防衛の3省庁が水面下に潜って、法制化への動きを続けてきた。このブログで「野田内閣は本当に『やる』のか〜秘密保全法案」とか、「国民に対する思想調査に道を開く『秘密保全法案』」といった記事を書いたのは、もう2年近くも前のことだ。そのうち、この日が来るだろう来るだろうと思っていたら、本当に、とうとうきた。

私自身はあちこちの講演会やシンポジウム、雑誌記事などで、この法案に対する考え、漠たる不安はさんざん表明してきた。その筋道は、今も大きく変わってはいない。きょう、何か書くことがあるとすれば、この国旗国歌法の「その後」だ。要するに、政府の姿勢や法律の解釈などは、時代の変遷とともに変わっていくのである。小渕氏の答弁と「その後」は、まさにそれだ。

秘密保護法案に関しては、閣僚や関係省庁の幹部、自民党の主要メンバーらが、あちこちでいろんなことを言っている。「TPP交渉」は特定秘密になると言ったり、ならないと言ったり、原発情報は入る・入らない。ひと言で言えば、法案を出したくせに、既にバラバラなのだ。首相が言い切った事柄がわずか10数年で消えてしまう実例を見ていると、政府要人の見解さえ統一できないこんな法案が通ったら、その先には、いったい何が待っているのか、分かったものではない。

いまの政府の約束は、将来への約束では決してない。そんな実例は、今まで、さんざん見せ付けられてきた。それとも、この法案に限っては、何か特別な担保でもあるというのだろうか。だから、「知る権利」に配慮するからとか、そんな言質にもならぬ言質と交換に、単なる行政官庁を国会の上位に持ってくるような法律をつくってはいけないのだと思う。

冒頭に記したニュージーランドでのこと。手元に残っている大雑把なメモによると、あの晩、国旗国歌法の制定をなぜ急いだのか、という私との問答の中で、小渕氏は「法律は変わるから」というセリフを口にしている。あの悪名高い治安維持法にしても、当時の帝国議会では暴力団対策としての側面も語られ、制定後は改正によって最高刑を死刑にした。治安維持法が猛威を振るったのは、法律が出来てからだいぶん年数が経ってからのことだ。

世の中は変わる。
法律は変わる。
解釈や条文改訂など、「変わる」ことへの道筋はいっぱいある。


http://webronza.asahi.com/bloggers/2013110700004.html  

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コメント
 
01. 2013年11月09日 10:23:51 : pP73OpyOtI
日の丸。君が代の強制はいけないというのは、ほかならぬ天皇陛下の意思である。

それこそ園遊会でハッキリと自分の言葉でそう言った(おっしゃられたというべきか)それも日の丸、君が代を強制するのに努めているとゴマをすろうとした将棋の米長(一時は名人)の前で。

勝手に強制したいのは、安倍晋三、橋下徹、石原慎太郎、その他大勢の自民党の議員。それこそ逆賊ではないのか。


02. 2013年11月09日 10:49:53 : asQab0oZ5c
逆賊なんて。これで何処までも行くのかな

03. 2013年11月09日 13:02:35 : 085QMSchMU

不安をあおる朝日、これも治安維持法の対象だな。

治安維持法の復活、ビシビシ取り締まって欲しい。
今の日本はスパイ天国と言われておる、片っぱしからお縄にせょ

わしゃ、真っ当な人生しとるからね、ちっともなにだ。
民衆を立ちあがらせて革命を狙ってる左翼にとっては恐いことだろうよ。


04. 2013年11月09日 14:12:50 : J1NFb0tDzg
予定通り。これからは、軍隊の戦闘車両も国内で活発に使うべき。でないと、拉致とかが横行してるだろ?、今。変な連中の車を100台単位で動き回らせて、白昼街中で拉致されても、気づかないケースなんかも、あるんじゃ無いのか?。日本も、何のかんのとでかい国だからさ。思った程、小さくも無いと言うか。監視し切れない部分も出て来るんだよな?。自衛隊は、先ず、国内から平定せよ。

05. 2013年11月09日 15:04:32 : 085QMSchMU

うむ、平定すべきだな、

公開拷問の合法化を期待したい。


06. 2013年11月09日 23:07:00 : axvoo6fa2w
02 03 04 05

キミ達は下痢安倍の命令に従って先頭に立って突撃し名誉の戦死をとげていただきたい。そう悲しむ人もいないだろうし。

それがお国のためだ。


07. 2013年11月10日 03:54:48 : GCziX3ujBY
>もう10年近くも警察、外務、防衛の3省庁が水面下に潜って、法制化への動きを続けてきた

なるほど。警察国家化・秘密国家化・軍事国家化は、それぞれの省庁の利益になるからな。

自由と民主主義の国は、情報公開があってこそだが、
今でも黒塗りを出してくる国は、容易に戦前へ向かう。

02 04 05 もうその口調で、2ちゃん出身ウヨだとわかる。
自民党大好きアベちゃん大好きのみなさん。

しかし不思議だが、アベちゃんは統一教会の雑誌の表紙になっておろう。
ウヨウヨくんたちは、半島がダイッキライなはずなのに。

不思議だねえ?なぜ半島宗教と仲のいいアベちゃんが好きなの?


08. 2013年11月10日 03:56:45 : GCziX3ujBY
>>07の訂正

02 04 05 ×

03 04 05 〇


09. 2013年11月10日 10:39:32 : pXRiVCsoiM
>>07
俺、2chなんて、行った事、無いよ。2chて、なんか、楽しそうだけどな?。俺は、あまり行く気がしないが。統一教会は、創価学会同様、噂では、ヤバいよね?。それは知ってるが、ただ、民主党に政権を戻そうとしている反動連中は、明らかに間違っている。

10. 2013年11月10日 16:29:32 : 3oi5Otsb5E
アメリカの植民地じゃありませんよ、という偽装工作。

11. 2014年7月04日 02:41:29 : wfKGXMaiYg
国旗も国歌も大事だよ。
自国のオリジナルフラッグとテーマソングをこれほど蔑にしてる(させられる)国も珍しいんじゃないの?
自虐すぎてみっともない。
オリンピック選手がメダル獲得して、国旗掲揚、国歌斉唱となると、なぜか途端に誇らしく
厳かな気持ちになる人が多いってことは
普段意識しなくとも本当は大好きだからなんだろう?
心底嫌いな人は日本人とはいえない。
愛国心はどこの国の国民でも持っていて当たり前のものだ。
それに、愛国心って、身内の贔屓のひき倒しをするためにあるわけじゃないとおもうけどね。
愛すればこそ苦言を呈すってあるじゃん。

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