http://www.asyura2.com/13/senkyo156/msg/119.html
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安倍首相や政府機構は、グローバル企業や銀行の利益を重視していることは間違いないが、楽天などの新興流通企業が利益を増大させることには関心がない。
楽天の三木谷社長は、“自由主義的改革”や“市場主義”の飾り花として使われただけで、思想的には受け容れられない存在である。
現東京都知事の猪瀬氏が、「道路公団改革」で“民営化”(実質は国会の監視対象から分離)の旗振り役として利用され捨てられた構図と同じである。
薬剤の多くは“毒物”であり、適応症や用量用法を誤ると事故につながるだけでなく、大量に摂取することで、“ドラッグ”のように“遊び道具”として利用できるものもある。
過疎地での薬剤入手困難の問題は解決しなければならないが、相手がほとんど確認できないインターネット販売に規制をかけるべきではないという考えは容認できない。
(店でもきちんと確認されているとは思わないが、インターネット販売よりもまだましだろう)
大衆薬のインターネット販売を一部禁止・規制する新ルールを「改革と真逆の方向に進んでいる」と批判する三木谷氏は、節度を失った経済自由主義者だと思う。
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[FT]アベノミクス、内部分裂で最大の試練
2013/11/8 14:00
(2013年11月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
安倍晋三首相によるこの10カ月の景気回復に向けた取り組みは、常に一定の批判にさらされてきた。だが今週表面化したのは、首相と近い人物からの強烈な反発だった。
政府の産業競争力会議の民間議員を務める三木谷浩史・楽天社長は6日、政府が決めた一般医薬品(大衆薬)のインターネット販売を一部禁止・規制する新ルールを特定の利益団体に対する服従だと一蹴。記者会見で「安倍氏がこれを判断できないなら、何も判断できない」とまくし立てた。
この日は安倍首相の経済政策「アベノミクス」にとって記念すべき日となるはずだった。アベノミクスによる円安効果で、トヨタ自動車が2014年3月期の連結純利益予想を約2000億円引き上げ、1兆6700億円となる見通しを発表したからだ。
アベノミクス効果による増益で大企業では高揚感が高まる一方、政策の長期的効果を疑う声は依然消えない。安倍氏が反改革派の与党議員と妥協を重ね、首相の指示で日銀が主導したインフレに苦しむ労働者が増えるにつれ、疑問の声は激しさを増している。
アベノミクスは3本の「矢」からなる成長戦略。金融緩和と財政出動による景気刺激策を、長期的な成長率を押し上げる構造改革で補強する。最も困難を伴うのは最後の矢だ。
今回の三木谷氏の批判を自己利益の追求だと退ける意見もあるだろう。ネット通販大手の創業者である同氏が、利益率の高い大衆薬のネット販売を政府が全面解禁しないことに激怒しているからだ。
三木谷氏の反発は政府にとって厄介だ。長く大手製造業の意向に従ってきた経済政策の変革を目指す努力の象徴として、安倍氏は三木谷氏に産業競争力会議の民間議員就任を要請した経緯がある。
■上がらない収入…構造改革の道険しく
しかも、アベノミクスは困難な局面を迎えつつある。
今年夏の参院選での過半数回復を受け連立政権は基盤を強化したが、最も困難なのは内部対立だ。多くの自民党議員は規制緩和に反対する特定の利益団体を代表している。
問題はトヨタなどの大手企業が円安による利益をどれだけ従業員に還元できるかという点だ。日銀の政策は緩やかなインフレを生み出し、9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.7%上昇した。だが、消費者の収入は引き続き低迷している。この状態が続けば、持続的な経済成長は難しいとエコノミストは懸念する。
クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「3本の矢が成長率の上昇という目標を同時に達成できるとの見方は厳しさを増している。現時点では最初の矢である大胆な金融緩和だけが軌道に乗っているようだ」と指摘する。
さらに、「積極的な金融緩和は今のところ一定の成功を収めたといえる。だが、主に金融市場に限られた現象で、実体経済に大きな影響を及ぼしているとは思えない」と語った。
By Jonathan Soble
(c) The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV08003_Y3A101C1000000/?dg=1
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三木谷氏、政府委員辞任を表明 薬ネット販売規制
2013/11/6 20:55
三木谷浩史・楽天社長は6日午後、記者会見し、政府の産業競争力会議の民間議員を辞任すると表明した。政府が決めた一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売を一部禁止・規制する新ルールを「改革と真逆(まぎゃく)の方向に進んでいる」と批判。「立法化されたら国を訴える側を支援する。国の民間議員と両立しない」と述べた。
三木谷氏は「政府は医師が処方した薬も対面販売に限ろうとしている。IT(情報技術)を活用して医療費を抑制すべきなのに時代錯誤も甚だしい」と述べた。傘下の医薬品ネット通販会社ケンコーコムは行政訴訟を起こす構え。「楽天は原告には名を連ねない」とした。
「民間議員で最も顔を知られた経営者」(内閣官房幹部)である三木谷氏の辞任表明に政府内では困惑が広がっている。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0600M_W3A101C1EE8000/
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[真相深層]一億総TOEFL時代!?
国家公務員試験に採用 三木谷氏の主張、波紋呼ぶ
政府は2015年度の国家公務員試験・総合職試験から、米国発の英語能力テスト「TOEFL」を使う方針を決めた。6月にまとめた成長戦略に盛り込んだグローバル人材育成の切り札。背後には、英語を社内公用語にしてグローバル戦略を加速する楽天の三木谷浩史社長の存在があった。
高校入試にも
国家公務員・総合職は各省幹部候補。人事院は11月にも、TOEFLを含む外部の英語試験の使い方を発表する。政府の産業競争力会議の議員である三木谷氏が「大学入試や公務員試験にTOEFLを」と主張、人事院がのんだ。
「大学生もTOEFLを勉強せざるを得なくなる。そして大学入試にTOEFLが採用され、高校生からTOEFLの勉強をするようになり、英語のレベルが一気に高まる」。同じ産業競争力会議のメンバーである竹中平蔵慶大教授は三木谷氏の狙いを代弁する。
三木谷氏も「高校生がそのままTOEFLのテストを使って海外の大学に留学できる」と説いた。楽天が英語を公用語にしたことで社員の英語力が飛躍的に向上。海外企業を相次いで買収し、外国人の優秀なエンジニアも集まるようになった。こんな楽天の成功体験を日本中に広げれば、日本経済の競争力が一気に強くなる――。三木谷氏にはこんな思いがあるようだ。
TOEFLは「読む」「聴く」「話す」「書く」の4技能を測る。内容は学術的で大学生にさえ難易度は極めて高い。文部科学省によると一般入試でTOEFLなど外部試験を使っている大学は34校と全体の4.6%どまり。三木谷氏が投じた一石は、着実に未開の市場に広がり始めた。
文科省は14年度にも始める中学3年生と高校3年生向け英語能力テストの開発で「TOEFL等の実施団体との連携」を明確にした。このテストは5〜6年後の大学入試センター試験廃止後の新テストのひな型とされる。大阪府も府立高の入試での採用を決めた。
公文教育研究会はTOEFLをつくるNPO、ETSと連携し、中高生向け「TOEFLジュニア」を日本で販売。活用する高校は「年初の二十数校から50校超に増えた」(公文子会社の中江信一郎社長)。来春には小中学生向けの「TOEFLプライマリー」も売り出す。TOEFLを使い、東大と米ハーバード大のダブル合格をめざす学習塾も現れた。
成長戦略を議論した5月29日の競争力会議。三木谷氏は報告書案に「TOEFL等と“等”という言葉が入っている。TOEFLに統一すべきだ」とぶった。
「等」の一文字でくくられた他の陣営には不満も見え隠れする。英国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシルのIELTS(アイエルツ)は全世界の受験者数が年間200万人超とTOEFLを上回り「英語テストでは世界一」とはジェフ・ストリーター駐日代表。中高生の受験者が年60万人を超えるGTECのベネッセも「留学を考えていない高校生へのTOEFL活用はあり得ない」(藤井雅徳グローバル事業推進ユニット長)とけん制する。
大学は強く抵抗
最も抵抗しているのは現場を預かる大学関係者だ。鳥飼玖美子立教大特任教授は「TOEFLはあくまで北米の大学・大学院に留学するための試験。日本の入試に使えというのはグローバル化の意味をはき違えている」と批判する。
三木谷氏はなぜTOEFLにこだわるのか。
著書「競争力」の中で「ETSに(受験料を)ひとり3000円でやらせてくれと交渉している」と述べている。「楽天のビジネスのため?」と疑ってみたが、ETSは書面で「(楽天との)事業の予定はない」「受験料値下げは時期尚早」と回答。楽天からは回答をもらえなかった。
TOEFLという手段が広がっても、中高の授業・教科書の改善、英語教員の能力向上が伴わないと「生徒が振り回されるだけ」(語学教材会社アルクの飛田豊彦執行役員)。英語教育の改革か破壊か――。三木谷氏に翻弄されたTOEFL狂騒曲はしばらく続く。
(経済部次長 瀬能繁)
[日経新聞11月1日P.2]
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