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「官僚機構の中枢は果たしてどこか」(EJ第3668号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/379571102.html
2013年11月08日 Electronic Journal
小沢謀殺計画の首謀者はだれか。ここまで、自民党、官僚機構
そして民主党反小沢グループという表現を使ってきています。民
主党の反小沢グループは、菅政権、野田政権を通じて国政を担っ
てきた松下政経塾出身のグループなどがそれに該当します。
彼らは、国政を担うようになって、野党時代に批判してきた自
民党の官僚機構との棲み分け体制を受け入れるようになり、限り
なく自民党化したのです。政権を失い野党に戻った現在でも、自
公民合意にこだわり、準与党的行動をしています。彼らはいずれ
自民党に吸収されるか、落選して消えると思われます。
問題は「官僚機構」です。官僚全体を仕切っている司令塔はど
こかです。はじめはカネを握っている財務省ではないかと考えて
EJで97回の連載をして追及してみたのですが、確証が得られ
なかったのです。カネだけで全体を仕切るのは無理なようです。
続いて、小沢事件について調べてみて、司令塔が検察ではない
かと疑ったのですが、小沢事件の主戦場が検察審査会になってき
て浮かび上がってきたのが最高裁の存在です。検察審査会への
検察の支配は限定的であり、コントロール不能です。
基本的に検察審査会は独立組織です。検察審査会法第3条には
「独立して職権を行う」と書いてあります。しかし、実質的には
最高裁事務総局という部署の管理下にあります。予算をつけて管
理しているのは最高裁ですし、職員は裁判所のスタッフが出向し
ているからです。しかし、最高裁の組織図には検察審査会は入っ
ていないのです。
その最高裁に志岐武彦氏が直撃の電話折衝をしたときのやり取
りが志岐氏の本に出ています。少し長いですが、引用します。電
話口に出たのは、広報課主任の森山ひとみ氏という人物です。
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森山:ご用件は
志岐:東京第五検察審査会が、審査員他の生年月日の開示は情
報公開法第五条の個人識別情報に当たるとして断ってき
たが、個人識別情報に当たらないことは明らかです。最
高裁で何とかしてほしい。
森山:なぜ最高裁に言ってくるのですか。最高裁とは関係あり
ません。
志岐:最高裁は情報公開について検察審査会に通達を出してい
るじゃないですか。あなたはそれを知らないのですか。
森山:知っています。検察審査会は通達に従い、あなたに回答
書を出しています。最高裁としてはこれ以上のことは何
もできません。
志岐:生年月日だけでは個人を特定することはできません。開
示させるべきです。通達を出しているということは管理
下にあるということだし、指導すべきです。
森山:個人情報うんぬんはあなたの考えでしょ。
志岐:私の勝手な解釈ではありません。第五条では個人を特定
できる情報以外は公開しなければならないとあります。
審査員対象者は850万人もいます。生年月日でどうし
て個人を特定できるのですか。
森山:私どもでは何もできません。不服請求でもするしかない
ですよ。
志岐:どこに不服請求すればよいのですか。
森山:それは・・お調べになってはいかがですか。
志岐:広報課のあなたでは話になりません。刑事局につないで
ください。
森山:おつなぎすることはできません。私は最高裁としてお答
えしています。
志岐:立場上、あなたが回答できるわけありません。回答にも
なっていません。
森山:全て答えましたので、電話切りますよ。
──志岐武彦/山崎行太郎著
『最高裁の罠/the Trap for Ozawa』/K&Kプレス
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声を聞いたわけではありませんが、「木で鼻をくくった」上か
ら目線の対応です。とくに注目すべきは、「なぜ最高裁に言って
くるのですか。最高裁とは関係ありません」という発言です。広
報課では仕方がないのかもしれませんが、実質上検察審査会は最
高裁事務総局の管轄下にあるのにこの発言です。
こういう発言を聞いていると、「和モガ」氏のいうように、小
沢審査会になりすまし審査員を入れ、議決を誘導した事実が明ら
かになっても、最高裁は検察審査会に責任を取らせて、我関せず
の態度をとると思います。とかげの尻尾切りです。そのために検
察審査会を独立機関にしているのかもしれません。
志岐氏によると、森山氏は検察審査会に不満があるなら「不服
請求」を勧めながら、志岐氏がどこで手続きを取るのかと聞くと
「それは・・お調べになってはいかがですか」といい、実際に調
べてみると、最高裁と検察審査会には不服請求ができないことが
明らかになったのです。やはり、検察審査会制度は欠陥制度であ
り、改正する必要があります。生活の党が中心になって、検察審
査会法の改正をアピールすべきです。
官僚機構のなかで、法務省に注目する必要があります。新政権
ができて大臣が任命されるとき、法務大臣はどちらかというと、
花形ポストではないという印象があります。しかし、官僚機構の
方から見ると、法務省はリーダー組織なのです。それは法務省が
「認証官」を一番多く持っているからです。認証官とは、憲法上
あるいは法律上においてその任免にあたって天皇による認証が必
要とされる官吏のことです。
法務省の認証官は、検事総長、次長検事、検事長の3つです。
これに法務省に関連の深い裁判所の最高裁判所判事、高等裁判所
長官をあわせると、5つになるのです。来週は、この認証官を含
めて、日本を仕切る官僚機構の司令塔に迫っていきます。
─── [自民党でいいのか/90]
≪画像および関連情報≫
●官僚国家日本の司令塔を解明する/深津真澄氏
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日本の政治の特徴は、権力の所在がまことにつかみにくいこ
とである。「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の
立法機関である」という憲法第四十一条の規定を鵜呑みにす
れば、二院制の国会で優越的地位を占める衆議院の代表者の
議長ポストが権力の所在を示すランプということになるが、
多数党の都合で議長の首などすぐに飛んでしまう。それは、
権力のありかが全く別であることを物語るといってよいだろ
う。では、多数党の代表者が権力者といえるのか。1955
年以来ほぼ一貫して第一党の座を占めてきた自民党総裁のい
すこそ、権力の所在を示すランプと理解されてきたが、実は
自民党総裁はひ弱な権力者である。誰が総裁のいすに座るか
は派閥の合縦連衡によって決定され、首尾よく権力の座を射
止めたとしても、常に反対派の牽制と妨害によって揺さぶら
れる。総裁の権力基盤はもろい。内閣総理大臣として行政権
を一手に収めているようにみえても、政府機関は22もの省
庁に分かれ、内閣の統合機能は弱い。権力者としての首相の
存在の軽さを見せつける恰好のエピソードが、最近、永田町
で起きた。小渕恵三前首相が突然脳梗塞で倒れたあと、22
時間もその事実は秘匿されたあげく首相の意思も不透明なま
ま、官房長官の首相臨時代理就任―内閣総辞職―後継首相の
選出という、権力者交代の手続きが進行したことである。外
国の新聞は権力の真空状態が長時間続いたことに呆れたが、
国会議員の大多数も大方の国民も危機管理のずさんさを批判
されてもピンと来ないのが実態である。宮沢蔵相が「いや、
心配ないんですよ。日本という国はこういうときでもちゃん
と動くようにできている」とコメントしたように、首相とい
う名目的な権力が損なわれても官僚機構による国家統治のメ
カニズムがしっかり作動しているのが実態だろう。とすれば
真の権力は官僚機構のどこかに宿っているのである。
──『カオスとロゴス』第17号(2000年6月)掲載
http://bit.ly/1aZHYUm
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