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2013年11月04日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆韓国の朴槿恵大統領が、「経済政策の失敗」が元凶となり、「企業業績の悪化」「経済のデフレ」が進行、「国民の所得格差の拡大、貧困化」など、大ピンチに陥っている。これが災いして支持率が急激に下降線をたどっている。さらに追い討ちをかけているのが、大統領選挙の「不正」と「捜査介入」の疑惑である。
元来、保守派である朴槿恵大統領が、大ピンチを脱することができなければ、政権が不安定になってしまうので、安全保障にも悪影響を及ぼす。この状況を見て、米共和党と民主党を代表する知日派としても知られるリチャード・アーミテージ元国務副長官(ブッシュ政権第1期)ら、いわゆる「ジャパン・ハンドラーズ」(日本操縦者たち)が、憂慮し危機感を強めている。
米国は、韓国と同盟を結んでおり、朝鮮半島有事の「一旦緩急の時」、駐留米軍を動かして韓国軍とともに戦わなくてはならないからである。しかし、駐韓米軍のなかには、「米軍将兵の血を流してまで、韓国民を守るために戦いたくない」という厭戦気分が支配的だ。首都ソウルの近郊に配置していた駐韓米軍を南下させているうえに、「指揮権」を韓国軍に移そうとしているのが、何よりの証拠である。要するに「腰が引けている」のである。
現在は「休戦中」の「朝鮮戦争」で米軍将兵が多数消耗したという「悪夢」を想起すると、第2次朝鮮戦争(核戦争)にかかる「巨額の戦費」が頭痛のタネなのだ。オバマ大統領が、財政難から「金欠病」で国防費を削減している状況を思えば、「大戦争」は極力避けたい。
◆米国は、日米安全保障条約に基づき「同盟関係」にある。けれども、日本は韓国と同盟関係にはない。しかも、日本の自衛隊は、朝鮮半島有事の際、同盟国である米国がいかに強く要請してきても、日本国憲法上、これを支援するために出動はできない。つまり、韓国軍は「見殺し」にするしかない。
しかし、米国は、本音部分で「日本の自衛隊を駐韓米軍の肩代わり」をさせたい。少なくとも、「駐韓米軍のバック・アップ」をさせたくて、安倍晋三政権が「解釈改憲」して、「集団的自衛権行使を容認」することを求めている。加えて、日韓関係が、「歴史認識」「靖国神社」「元慰安婦」問題をめぐって、隣近所のトラブルのようにエンドレスに「こじれ続ける」のを「迷惑」に感じている。日米韓3国が結束していなければ、東アジアの平和と安定を維持できないと本気で考えているのだ。
リチャード・アーミテージ元米国務副長官は10月30日、慶応大学三田キャンパスで「緊迫の度合いを増す北東アジア情勢や中国の再興、日米同盟の今後など」を主要なテーマにして開かれた大学生を中心とする若い世代との「白熱討論会〜アジア新世代 問われる日米の絆〜」(日本経済新聞社と慶応大学共催)のなかで、「元慰安婦」問題について、こう語った。
「非常に大きな危険というのがあるのは、日本において、それからソウル、韓国において、人々は本当にうんざりしてきているということです。お互いの意見を聞くのはうんざりだということ、これが第一の点です」
◆リチャード・アーミテージ元国務副長官らは、安倍晋三首相が、「日本国憲法第9条改正→国防軍創設」を目指して驀進しており、これは元々、「アーミテージ・レポート」を受けたものであるにしても、「河野談話」まで見直そうとしていることを心配している。
「河野談話」とは、河野洋平官房長官が1993年8月4日に発表した慰安婦関係調査結果発表に関する内閣官房長官談話のことである。第2次世界大戦中、朝鮮半島などでの慰安所設置に「旧日本軍が直接あるいは間接に関与した」と認め、「生活は強制的な状況の下での痛ましいもの」として慰安婦狩りのようなものに限らず全体としての強制性を認め、「心身にわたり癒やしがたい傷を負われたすべての方々に対し心からおわびと反省の気持ち」を示した。
毎日新聞毎日jpが11月1日午前3時30分、「アーミテージ氏:自民幹部に「慰安婦問題に触れないで」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「来日中のアーミテージ元米国務副長官が自民党幹部と東京都内で会談し、歴史認識問題を巡って『従軍慰安婦問題に触れないでほしい』として強い懸念を伝えていたことが31日分かった。安倍晋三首相の靖国神社参拝に関しても『これまで積み上げたものを全て壊すインパクトがある』と強調した。日中、日韓関係の悪化を憂慮する米政府内の雰囲気を間接的に伝えたものだ。会談に同席した米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)幹部は慰安婦問題について『米政界のロビー活動は韓国が上手だ。日本が強硬姿勢を続ければ米議会が背を向ける』と指摘。旧日本軍の関与を認めた『河野談話』の見直し論が高まれば、日米関係にも悪影響を与えかねないと警告した。【竹島一登】」
要するに、リチャード・アーミテージ元国務副長官らは、安倍晋三政権が、「慰安婦問題」について、いつまでも、日韓両国が「波風を立て続ける」のを控えるよう要請したのだ。
【参考引用】東京新聞が11月3日付け朝刊で「韓国・朴大統領支持率下落 野党民主党が攻勢」という見出しをつけて、以下のように報じた。
「【ソウル=辻渕智之】韓国で朴槿恵(パククネ)大統領の支持率が一カ月で10ポイント以上下落している。韓国の情報機関・国家情報院が昨年末の大統領選前、朴氏に有利なコメントを五万件余もネット上に掲載したことが検察の捜査で明らかになったためだ。前後して特別捜査班長の検事が突然更迭され、野党側は朴政権の不正選挙と捜査介入の疑惑を追及している。韓国ギャラップ社が一日公表した世論調査では、朴氏の十月最終週の支持率は前週に続き53%。九月第二週の67%からは14ポイントも低い。具体的な不支持理由では「国情院問題」がトップだった。国情院の問題をめぐっては、職員が大統領選で朴氏を応援し、野党候補を中傷する文をネット掲示板に書いたとして、前院長を検察が公選法違反などで起訴。十月末、短文投稿サイトのツイッターにも五万件以上の書き込みがあったとして前院長の起訴内容を追加した。韓国メディアによると、『(野党民主党候補の)文在寅(ムンジェイン)は北朝鮮追従政権だ』『(野党の地盤である韓国南西部の)湖南に心から接する朴槿恵』などの書き込みがあった。検察は十月中旬に国情院の職員三人を逮捕したが、特捜班長の検事が翌日、担当から外された。院長に対する逮捕の事前告知義務を守らなかったのが理由とされたが、検事はその後、国会で、捜査に法務省の圧力を感じたと証言した。大統領選で得票率3・53ポイント差で敗れた文議員は、朴大統領に選挙の不公正と民主主義の危機に責任を取るよう要求。検察捜査への圧力についても『中断されねばならない』と主張した。朴氏は三十一日、首席秘書官会議で事件に対する沈黙を破り『疑惑は必ず国民に正確に明らかにし、責任を問うべきことがあれば問う』と約束。事態の収拾を図っている」
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