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2013-11-04 07:19:31
ドイツのメルケル首相をはじめ各国首脳がアメリカの諜報機関に盗聴されていた問題は、収束の兆しがまだ見えません。アメリカは各国の機密を探索する手段をなんとか維持したいと画策しており、他方の諜報される側は何としても止めさせたいとアメリカへの抗議を強めています。
そうした中で、日本はなぜか無風状態の様相です。いかにも奇妙。日本にアメリカが知りたい情報がないわけではありません。むしろ日本の動向は、アメリカが進める世界政治、なかでもアジア太平洋地域の仕切りのためには少なからぬ影響があるはずです。しかし、安倍首相を盗聴していたという情報は一向に出てきません。
安倍首相は、首相公邸には居を移したくないと、自宅からの”通勤”にこだわっていました。ときには、「官邸には幽霊が出る」と、冗談めかして言ったりして、”入居”しませんでした。
第一次安倍内閣(06年9月〜07年8月)のときに、安倍首相は新しい官邸(公邸を含む)に、精巧な盗聴設備が仕掛けられたことに気づいたとも言われたりします。新しい首相官邸および公邸(首相の居住スペース)は2002年から使われ始めました。
それはさておき、日本の重要機密はアメリカには筒抜けです。フクシマ原発事故の際は、アメリカ大使館からただちに担当者が首相官邸に入り込み、菅首相(当時)の所に集まる情報を、逐一、チェックできる態勢を取りました。
かつて田中首相時代には、ロッキード事件にからみ、最高裁長官自らがアメリカ大使に最高機密を漏らすようなこともしていました。
日本をハンドルする(操る)には、情報は充分手中にしており、必要な時には、「ショー・ザ・フラッグ」(日本の自衛隊の旗を戦場に立てろ)、「グラウンド・ザ・ブーツ」(自衛隊を派遣しろ)と、命令すればいいのです。
アメリカは、各省庁、国会議員に情報網を張り巡らせており、必要なあらゆる情報を入手できる態勢を整えています。日本を諜報している全体像を暴きだすことは極めて困難なくらいに深く広く網を張っていると言われています。それだけに、アメリカさまは日本の機密防衛体制が心配でならない。
今後、日米で共同作戦を展開するときには、機密維持の強力な体制構築が欠かせないと思っています。それが、「特定秘密保護法案」の成立強要であり、今国会で成立をめざさせる最重要法案です。
これが成立すれば、日本国民には「極秘」だらけの社会、つまり「民には知らせず」の社会になります。もちろん、日本の情報は、アメリカさまにはジャージャー漏れ、ダダ漏れ、筒抜けは維持されます。
ついでに申し上げますと、アメリカ社会も「9.11」のあと、「愛国者法」というとんでもない法律が当時のブッシュ政権のもとであっという間に成立させられ、いまは盗聴し放題になっています。その「愛国者法体制」を日本に押し付けてきているといえます。
そして、日本の安倍政権はそれに抵抗するどころか、唯々諾々と隷従しようとしています。ジョージ・オーウェルの「1984年」で予告された「強大な監視社会」は、アメリカと日本で着々と現実化しているわけです。
人権や民主主義は崩壊です。世界は、どこへ向かうのでしょうか。
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