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盗聴されたメルケル首相(左)。オバマ大統領(右)は「知らなかった」と弁明したが…(AP)
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20131103/frn1311030724000-n1.htm
2013.11.03
ドイツ政府は先月23日、米国家安全保障局(NSA)がアンゲラ・メルケル独首相の携帯電話の通話を盗聴していた情報を得たとして、米政府に説明を求めた。メルケル首相もバラク・オバマ米大統領に直接電話をして、「信頼を著しく裏切る行為であり、こうした監視行動はすぐにやめる必要がある」と伝えた。
オバマ大統領は疑惑を否定し、「盗聴の事実を知っていたらやめさせていた」と語ったという。「疑惑を否定した」というよりは、「自分は知らなかった。でも、盗聴があったとしたら、ゴメンね」という感じだったようだ。
独誌「シュピーゲル」などの報道によると、メルケル首相は2002年から盗聴されていたという。ということは、彼女が党首を務めるキリスト教民主同盟が野党だった時代で、現在のようにふっくらしていなかったころからマークされていたわけだ。
これで「盗聴は知らなかった」という言い訳は通らない。実際、2年前にオバマ大統領にも盗聴の実態報告があった、という報道もある。「知らなかった」と言うぐらいなら、「ジョージ・ブッシュが始めたものを、私は単に継続しただけ」と言えばよかったのではないか。
同じように盗聴されたブラジルの女性大統領、ジルマ・ルセフさんは、よほど都合の悪いことを話していたのか、米国訪問をキャンセルしてしまった。
専門家の意見を聞くと、メルケル首相の話を盗聴しても、テロや米国の国防に関する情報が得られることはない。メルケル首相はロシアのウラジーミル・プーチン大統領とロシア語で(またプーチン大統領もKGBでドイツ語専門だったので)直接話し合えるから、おそらくドイツとロシアに関するひそひそ話を集めたのではないか。
ドイツの場合、NSAが同国内で毎月約5億件の電話や電子メールを監視している事実が発覚した。結局、米国は味方であってもこういうことをするわけだ。常軌を逸している。
盗聴をやり始めると、担当者は念のために「次はこれにしよう」「こちらはどうか」というようにエスカレートして止まらなくなってしまうからだ。これはNSAの1つの“性癖”だと思う。ロシアに亡命したNSAのエドワード・スノーデン氏の話は当初眉唾だ、という人もいたが、一連の事態展開を見て、彼の言っていたことがいかに正しかったか、と評価する声も出ている。
おそらく日本でも、野党も与党も含め、政治家はみんな盗聴されているのではないか。まあ、TPPの交渉内容を国家機密の対象にするかどうかでもめている日本の場合、盗聴して価値のあるものが、どのくらいあるのかよくわからないが…。どちらにしろ、政治家たちは盗聴を前提として電話で話さなければならないということだ。
メルケル首相も、電話で話したことが全部米国に筒抜けになって、ムチャクチャ気分が悪いだろう。しかしドイツは、アングロサクソンが冷戦時代からやっているエシュロンの仲間に入れろ、と転んでもただでは起きないしたたかな要求を米国に対して出している。
米側は、盗聴によってテロを未然に防ぐことができたと主張しているが、同盟国のトップの盗聴を正当化する理由はどこにもない。「いい加減にしろ!」と言いたくなる話だ。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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