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2013/11/1 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
あと3年国政選挙がない国民の運命
安倍独裁政治の研究――こうした本があれば、ぜひ、読みたいものだ。
戦後の政治史において、これほど、奇っ怪な現象は見当たらないからだ。
なぜ、6年前に政権をブン投げた無責任男が返り咲き、あろうことか、独裁者気取りなんだ? その背景にあるのは国民の政治不信だ。民主党でなければ「誰でもいいや」ということで、安倍政権がかくも巨大化したのである。そんな政権が国民が頼みもしなかったことを次々にやろうとしている。あまりにもグロテスクな政治状況だ。
安倍は二言目には「国民の支持を得て」とか言う。多くの選挙民も「選挙に勝ったのだから」と諦めているが、そこに民意はあったのか。少なくとも、安倍への熱狂的な支持があって、いまの「再チャレンジ政権」が誕生したわけではないのである。
まず、昨年9月の自民党総裁選だ。極めて異例の谷垣降ろしの末、行われた総裁選で安倍が取った党員票は141票で石破幹事長の199票に遠く及ばなかった。議員票は54票で石原伸晃環境相の58票に負けた。決選投票で総裁になれたものの、昨年12月の総選挙で自民党が取った比例票は1662万票で、前回選挙の1881万票より200万票も減らした。
総裁選や総選挙で共通しているのは、安倍が強かったのではなく、相手がコケたということだ。
石破は地方の党員には人気があったが国会議員には嫌われた。石原はその逆で、双方がコケたおかげで、どっちつかずの安倍が残った。総選挙は、空前の低投票率と民主党のおかげだし、今夏の参院選もその延長線上にある。つまり、自民党はさして、支持されたわけじゃないのである。
◇国民は今も安倍政権を支持していない
例えば、自民党の比例得票率は34%。投票率は前回より5ポイントも下がって52%だったから、単純計算で有権者全体の17%強の支持である。5分の1以下だ。
ま、それでも選挙は選挙だから、「無効だ!」とは言わない。言わないけれども、こんな得票で「独裁者を気取るな!」だ。
まして、安倍は選挙で、秘密保護法の是非や平和憲法の解釈変更を争点にしたか? 右傾化路線はひた隠しにし、TPPについても「農業の重要5項目を守れなければ、参加しない」と言い続けてきたのである。まさしく、詐欺師、ペテン師の手法で選挙に勝ったくせに、安倍は今や、大宰相気取りで長期政権を目指している。国民にしてみれば、チンプンカンプンというか、アレヨアレヨというか、悪夢のような展開だ。国民は今だって、安倍を積極的に支持する気なんてサラサラないのだ。
「安倍首相は高支持率に浮かれていますが、世論調査結果をよく見たほうがいい。個別の政策への支持を見ると、まったく支持されていないのです。共同通信の世論調査では、景気が『よくなった』は18%、『実感がない』が78・8%、『所得が増えそう』は16%、『そう思わない』が75・8%。汚染水コントロールの安倍発言は『信頼できない』が83%でした。特定秘密保護法も武器輸出三原則の見直しも、支持されていません。個別の政策は支持されていないのに、なぜ、安倍政権が選挙に勝てたのか。民主党への反動だけで勝ったわけで、そこを勘違いされちゃ、困るのです」(政治評論家・野上忠興氏)
この政権はイビツで特殊だ。マトモな政権とは言い難い。
◇都市部の市長選で負け続けている自民党
国民が決して、安倍政権を支持しているわけではないことは、世論調査だけでなく、選挙結果にも表れている。
例えば、菅官房長官がニラミを利かしていたのにまさかの苦杯を喫した10月27日の川崎市長選だ。自公民相乗りで新顔の官僚を推したのに、無所属の新顔にあっさり敗れた。
同日、投開票が行われた神戸市長選も自民党が推した総務官僚が民間企業出身の新顔に大苦戦。わずか5000票差まで追い詰められた。自民党は安倍政権になってから名古屋市長選、さいたま市長選も落としていて、都市部の「安倍ノー」は明確だ。
「川崎は国政選挙の票を当てはめれば、楽勝だったのに落とした。神戸は麻生財務相ら大物が入ったのに追い詰められた。安倍内閣の支持率がてんで当てにならないことが、こういう選挙結果にも出ています」(野上忠興氏=前出)
安倍に少しでも謙虚さがあれば、尻に火が付くはずである。
衆参選挙を冷静に分析し、世論調査を検証、さらに地方選の結果を真摯に受け止めれば、決して、独裁者気取りはできないはずだが、安倍はどこ吹く風だ。民意を無視して、ますますウルトラタカ派路線を突き進もうとしている。3年間は選挙をやる気がないし、だったら、「いまのうちにやっちまえ」ということだろう。
偶然の産物のような政権のくせに、この狂乱ぶりが恐ろしい。
◇大統領を目指している安倍の野望
過去の歴史を見ると、時々、こうしたイタズラのように出てきた政権がとんでもないバカをやったりする。その結果、国民は塗炭の苦しみを余儀なくされる。安倍を見ていると、まさしく、そうした悪夢がよぎってくる。政治評論家の森田実氏の解説は分かりやすい。
「安倍政権がやろうとしているのは、自分が大統領になることなんです。日本版NSCをつくり、そこで外交、防衛、安全保障の方針を決定する。そのトップには安倍首相が座るわけです。そこで、米国と一緒に戦争することも決めてしまう。事実上の大統領制です。その前提として、集団的自衛権も行使できるようにする必要がある。秘密保護法を通して、情報統制もしなくちゃいけない。こう考えれば、安倍首相が考えている危険な野望の全容が見えてきます。これは民主主義へのクーデターだと思います。これまで日本は、国会が国権の最高機関でした。しかし、安倍首相は憲法ですら閣議決定による解釈改憲で変えようとしている。政府を国権の最高機関にするつもりなのです。その仕組みが日本版NSCで、その長は当然、好き勝手ができるようになる。こんな暴挙は到底、許されることではありません」
実は自民党議員も安倍の暴走には焦っている。「おそらく、特定秘密保護法は強行採決になる。世論の大反発を食らう」と不安顔の議員もいる。そんな暴挙が許されるのか。自民党の一部もビビっているのだが、安倍だけは浮かれている。
戦争責任を直視しない安倍は当然、権力が暴走する怖さ、それを阻止するための民主主義の手続き、重さ、そうした歴史的経緯などに無関心だからだろう。無教養、勘違い首相の怖さである。そんな政権があと3年も選挙なしで暴走する。歴史の皮肉では済まされない。
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