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2013/10/28 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
大ボラ吹いて「成長戦略実行国会」などとペテン師のようなことを言い続ける重大な罪
安倍首相は、この臨時国会を「成長戦略実行国会」と名づけた。成長戦略はアベノミクスの「第3の矢」。これを着実に実行することが喫緊の課題だと言っていた。
ところが、安倍内閣が今国会で真っ先に手をつけたのは「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案」だ。25日の衆院本会議で審議入りし、11月中の成立は確実視されている。また、25日には「特定秘密保護法案」も閣議決定して国会に提出するなど、矢継ぎ早の動きを見せている。
「日本版NSC、秘密保護法案、そして集団的自衛権の行使。この3つは改憲軍拡に向けた“3本の矢”です。成長戦略実行国会のはずなのに、安倍政権は、戦争ができる国にするための法整備ばかり進めようとしている。成長戦略とは戦争のことなのかと言いたくなるほどです」(政治評論家・本澤二郎氏)
外務省国際情報局長だった孫崎享氏も、26日付の本紙コラムでこう書いていた。
〈秘密保護法は集団的自衛権を認める動きと対である。日本は集団的自衛権によって、米軍の傭兵的存在になる〉
〈おそらく集団的自衛権は「国際的安全保障環境を改善する」という口実で使われる。安倍首相の唱える「積極的平和主義」の「積極的」の意味とは、すなわち「軍事力の行使」に他ならない〉
安倍が経済そっちのけで急いでいるのは紛れもなく、軍国化法案なのである。
◇精神論をリキんで唱えるイカガワしさ
だとすると、それを急ぐ理由は何か。果たして安全保障上の理由だけなのか? ひょっとして、本気で戦争で景気対策のつもりか、と問いたくなる。安倍自身が東アジアの緊張を煽っているのだからなおさらだ。筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)はこう言った。
「経済政策での期待感を煽って支持率を維持してきたのが安倍政権です。だから、今国会も成長戦略実行国会と銘打つしかないのだが、本当にやりたいのは改憲であり、戦前回帰の軍国化なのです。もともと安倍首相は経済には興味がないし、分からないのでしょう。そうでなければ、実体経済がちっとも良くなってないのに、消費税増税を強行して、景気を冷え込ませるような真似ができるはずがありません。それに成長戦略と言ったって、議論されていたのは大企業の要望に乗っかったクビ切り規制緩和など、ロクなものじゃありません。成長戦略なんて、口先だけで、まともに考えちゃいないのです」
実際、27日の「日曜討論」では、野党から成長戦略の中身を問われた自民党の棚橋政務調査会長代理は、こんなことを言っていた。
「今、存在しないけれども、将来、日本経済を引っ張るようなビジネス。これを規制緩和や特区構想を中心に広げることにより、日本経済を成長させていこうとしている」
この期に及んで、こんなたわ言しか言えないのだ。
それは親分の安倍も同じで、「起業、創業の精神に満ちあふれた国を取り戻す」とか「若者や女性が輝く社会」とか言っているが、抽象的な言葉の羅列で、具体的な中身を語ったことはない。高度経済成長期を引き合いに出し、「今の私たちにもできないはずはない」とリキむが、それも精神論の類いである。
要するに、成長戦略なんてハッタリで、だから、抽象的な精神論を振り回すしかないのである。
◇グローバル資本による帝国主義はどこへ向かうか
もっとも、成長戦略に具体的な絵を描けないのは先進国に共通した悩みだ。そこには安倍の無能だけでなく、構造的な問題が存在する。
米労働長官も務めた経済学者のロバート・ライシュは著書「勝者の代償」で、IT革新で消費者としての個人が充実すればするほど、生産者・労働者としては不安定になるジレンマを「ニューエコノミー型経済の反比例性」と指摘した。
アベノミクスのせいで消費者物価だけが上がっている今、庶民にとって雇用の安定や賃上げは切実な願いだが、IT革新がそれを阻む。単純労働はどんどん機械に取って代わられる。産業革命の時代からイノベーションが雇用機会を奪うのは必然の流れだ。
しかも、現代はグローバル化によって、労働者賃金は途上国との競争にさらされる。
コスト削減が最重要課題のニューエコノミー型経済では、庶民は所得のデフレ進行を受け入れざるを得ない。
インターネットとグローバル化で世界中が画一化されれば、国の基幹産業を維持し、その貿易で儲けることも難しくなる。国家の枠を超え、巨大グローバル資本に富が集中していくからだ。これは日本だけでなく、先進国がどこも抱えるジレンマだ。
「これでTPPが持ち込まれれば、日本の国内産業は壊滅するでしょう。この先も賃金が上がる見込みはないし、国内の雇用も失われる。来年からの消費税増税とTPPで日本経済はグチャグチャになってしまいます。大不況と大衆の社会不安。その先に何があるのか。第2次世界大戦に走り出した頃の世相と重なって、背筋が寒くなります。TPPはグローバル資本による帝国主義のようなもの。市場争いがやがて戦争に発展することもある。何かの拍子に、そういうキワドイ方向に進みかねないキナ臭さがくすぶっています」(小林弥六氏=前出)
◇手っ取り早く不況を解決する「戦争」という手段
偶然か必然か、歴史を振り返ってみると、戦争が不況を止めてきたのも事実だ。それだけに、偽りの成長戦略を掲げながら、何もせず、戦争準備法案に邁進する安倍を見ていると、ますます、いやーな予感がしてくるのである。ジャーナリストの青木理氏はこう言った。
「NSCにしろ秘密保護法案にしろ、安倍政権が進めている法整備は、米国のネオコンの猿真似です。ここへきて武器輸出三原則も見直すと言っていて、日本を戦争ができる国にしようとしているのは間違いない。改憲という正式な手続きを取る前に、法整備で外堀を埋めて、なし崩しに海外での武力行使を認めてしまう。日本が戦後70年近くかけて築き上げてきたものを安倍政権はいとも簡単に手放し、壊そうとしている。その幼稚さが恐ろしくもあるし、シニカルな意味で滑稽でもあります」
27日の自衛隊観閲式で訓示に立った安倍は、中韓の脅威を煽った上でこう言った。
「訓練さえしていればよいとか、防衛力はその存在だけで抑止力となるといった従来の発想は、この際、完全に捨て去ってもらわねばなりません」
「年末までに防衛大綱を見直します。もちろん過去の延長線上の見直しではありません」
これはもう、「戦争をやる!」と言っているに等しい。
「大メディアは『安倍カラー』という言葉でゴマカしていますが、日本は今、急速に軍国主義に傾斜している。いったん法整備が整えば、野党不在の国会ではブレーキをかけることもできない。米国のマネで戦争を始めるのは時間の問題です。米国では戦争が最大の公共事業ともいわれている。消費が増えて軍産複合体が潤い、兵士の雇用は貧困対策にもなるからです。日本でいえば、戦争で潤うのは財閥でしょう。大企業べったりで原発輸出にシャカリキの安倍政権だから、核兵器を輸出する国になってもおかしくない。冗談ではなく、彼らは『戦争は景気対策にもなるな』と考えているはずです」(本澤二郎氏=前出)
不況が長引いたとき、国民もそれを望みかねないのが恐ろしい。
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