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NHKの松本会長もアングリだ/(C)日刊ゲンダイ
NHK経営委員に“お友達”ズラリ 安倍政権の露骨すぎる言論介入
http://gendai.net/articles/view/news/145502
2013年10月28日 日刊ゲンダイ
「皆サマ」から「安倍サマ」のNHKにする気なのか。安倍政権が示したNHK経営委員の人事案には、首相の“お友達”がズラリ。経営委はNHKの最高意思決定機関で、会長の任命権など強い権限を持つ。来年1月に任期が切れる会長人事をにらみ、日本最大の放送機関を「安倍カラー」に染めようとする狙いはミエミエだ。秘密保護法案で国民の「知る権利」や「報道の自由」を奪おうとする中、安倍のさらなる露骨な言論介入は民主主義への挑戦である。
<なぜ傍観しタレ流しているのか、この国の大新聞>
NHKの経営委員は国会同意人事だ。衆参両院に提出された新任委員の顔ぶれは、JT顧問の本田勝彦氏(71)、哲学者の長谷川三千子氏(67)、小説家の百田尚樹氏(57)、海陽中等教育学校長の中島尚正氏(72)の4人。安倍とは全員親密な仲で、思想的にも極めて近い。よくもまあ、これだけ偏った考えの持ち主を集めたものだ。
「本田氏は安倍支援の保守系財界人の集まり『四季の会』のメンバー。東大生の頃に小学3、4年生だった安倍氏の家庭教師を務めた。東大卒後に当時の日本専売公社に入社し、00年にJT初の生え抜き社長となり、06年まで務めました」(経済ジャーナリスト)
長谷川氏は「オンナは子を産み育てよ」がモットーで、少子化を口実に家父長制の復権を公然と唱える保守論客だ。
百田氏は「永遠の0」や「海賊とよばれた男」のベストセラー作家で、安倍も作品の愛読者のひとり。「探偵!ナイトスクープ」の構成作家という経歴から、単なる「おもろいオッチャン」と思ったら大間違い。いわゆる「自虐史観」を一貫して批判し、ある月刊誌で「安倍政権の最も大きな政策課題は憲法改正と軍隊創設」と言い切ったバリバリの軍国主義者だ。
中島氏が校長を務める「海陽学園」は次世代のリーダー育成を掲げる全寮制の中高一貫校。副理事長を務めるJR東海の葛西敬之会長は、本田氏と同じ「四季の会」の一員だ。葛西氏は財界きっての原発推進論者で、NHKの松本正之会長に不満タラタラだという。
「『アイツは国益に反する放送をしてけしからん』とボロクソに言っている、と雑誌に書かれました。松本会長はJR東海の元副会長で、葛西氏自身が3年前にNHKに送り込んだ。脱原発に転じた小泉元首相が『NHKが震災後に放送した海外ドキュメンタリーを見たのがきっかけ』と発言したのも、元部下への不満に火をつけた。中島氏は、葛西氏の意向に従った“松本降ろし”の刺客でしょう」(財界関係者)
恐ろしいのは、これだけ保守色の強い面々がNHKの首根っこを掴んだことだ。会長選任には経営委員12人のうち9人の同意が必要だ。新任4人が反対すれば「拒否権」が発動される。
安倍やその取り巻きの意に沿わない会長は、簡単に葬られてしまう。
「つまり、安倍首相や偏った思想の“お友達”が、NHKトップの人事を左右し、公然と公共放送を乗っ取ろうとしているのです。狙いはひとつ。放送法第1条に定められた『不偏不党』の原則をかなぐり捨て、NHKの報道姿勢を権力の思うがままに操ること。安倍色に染まった会長の下で、原発推進の一大キャンペーンや、反中反韓の偏向報道だって始まりかねません。戦中の大本営発表を想起させる言論封殺の危機なのに、大手メディアの追及は鈍すぎます。民主主義の基盤である『言論の自由』を抹消する動きを、絶対に許してはいけません」(元NHK政治部記者で元椙山女学園大教授の川崎泰資氏)
安倍ファッショは、すでに始まっている。
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