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2013年10月28日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三政権は特に秘匿が必要な安全保障に関する情報を「特定秘密」に指定し、漏えいした公務員らに最高で10年の懲役刑を科すなどとした「特定秘密保護法案」を閣議決定(10月25日)閣議決定した。この法案は、言い換えれば「スパイ防止法案」だ。とくに防衛省が防衛庁、そして陸海空3自衛隊のいわゆる制服組が念願としてきたものである。
この法案が成立すれば、「スパイ天国」と言われてきた日本でも、英国のスパイ映画「007」さながらに、「特定秘密」を知る大臣や副大臣、政務官、国家公務員らが中国、ロシア諜報機関により、「女性スパイ(くノ一)」の明確なターゲットにされて、いよいよ「本格的なスパイ事件」が発生するドラマチックな面白い時代になりそうだ。
つまり、これからの時代、最もビクビクするのは、「特定秘密」を知る大臣や副大臣、政務官、国家公務員らということである。
◆これまでも、歴代総理大臣や国務大臣のなかで、たとえば中国の女性スパイに絡め取られた人は少なくない。ある総理大臣は、参院予算委員会で追及されて、突然、足をガタガタ震わせた人もいた。
だが、中国の女性スパイに最高国家機密を握られていても、「特定秘密保護法」がなったので、摘発、処罰されることはなかった。はっきり言えば、日本の国家機密は、大臣や副大臣、政務官、国家公務員らが、外国スパイに漏らしていたケースが多かったと断言してよい。つまり、「売国奴」の大半は、大臣や副大臣、政務官、国家公務員らであったということだ。
孫子の兵法「用間篇第13」は、スパイを「5間」(郷間、内間、反間、死間、生間)に分類しているけれど、スパイが狙うのは、いつの時代でも「国家最高機密」である。
英国では、閣僚クラスの政治家が、高級コールガールの餌食になった事件が有名だ。1962年当時、ハロルド・マクミラン政権のジョン・プロヒューモ陸相((首相候補といわれた世襲貴族)が、ソ連側のスパイとも親交があったキーラーという名の高級コールガール(売春婦)をロンドンのナイトクラブで買ってしまい、英国陸軍の最高機密を漏らしたと疑われた事件が発覚した。キーラーは、ソ連の諜報員だったことが判明し、マクミラン政権は崩壊、このスパイ事件は、「20世紀最大の英政界スキャンダル」と言われた。
日本においても、同様のスパイ事件が起きない保証はない。それ故に、「特定秘密保護法」が制定されようとしているのである。そうなると、大臣や副大臣、政務官、国家公務員らは、親族、縁者を含めて、「ひょっとしたらスパイではなかろうか」と日々、疑惑の目を向けて生活することになる。
◆また、「特定秘密」に深く関わっている大臣や副大臣、政務官、国家公務員らは、「盗聴」に対して、神経質にならなくてはならない。米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの英語圏5か国で編成される通信傍受機関「エシュロン」(米国安全保障局=NSA=管轄)という最強の盗聴機関を持っている。
そればかりか、米国膨張CIAは、世界各国の最高指導者に対しても盗聴を行っている。このことが、今回、ドイツのメルケル首相にもバレた。
産経新聞msn産経ニュースが10月24日午前9時6分、「メルケル首相の携帯まで盗聴か 独政府声明に米側『傍受していない』」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「【ベルリン=宮下日出男】ドイツ政府は23日、メルケル首相の携帯電話の通話が米情報機関による盗聴対象になっていた疑いがあるとの声明を発表した。メルケル首相は同日、オバマ大統領と電話会談し、懸念を伝えるとともに事実関係の説明を求めた。
カーニー米大統領報道官によると、電話会談でオバマ大統領は、『首相の通話を傍受していない』と伝え、疑惑を否定した。
独政府の声明は判断理由など詳細を明らかにしていないが、独誌シュピーゲル(電子版)によれば、盗聴はメルケル首相の私用の携帯電話に対し数年にわたり行われていた可能性がある。独情報機関の調査の結果、独政府は米側に説明を求めるに十分な疑いがあると判断した。
メルケル首相は米側に対し、『こうした手法は事実であれば、全く受容できず、重大な信義違反だ。直ちにやめられなければならない』と伝えたという。
米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン容疑者が米国家安全保障局(NSA)の個人情報収集活動を暴露後、ドイツでも独情報機関と協力するなどして盗聴などが行われていた可能性が指摘されていた。最近では仏メディアが仏国内での大量の電話盗聴疑惑を報じている。
ただ、これまでの疑惑はいずれもスノーデン容疑者が入手した文書に基づく疑惑であり、独政府が独自情報に基づいて抗議したのであれば、異例の事態だ」
こうした手法は事実であれば、全く受容できず、重大な信義違反だ。直ちにやめられなければならない
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