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安倍晋三・岸信夫兄弟が「平成の岸信介・佐藤栄作兄弟」になる日
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/37355
2013年10月26日(土)歳川 隆雄 :現代ビジネス
今、永田町と霞が関では日を追うごとに安倍晋三政権の長期化は確実だとの見方が強くなっている。ここでは、逆張りして敢えて「ポスト安倍」について言及してみたい。早過ぎると言われることは承知している。
安倍後継に一番近いのは石破茂自民党幹事長であるという見方で政界関係者は一致している。 だが、安倍首相に健康問題が再来しない限り、2015年9月の自民党総裁選で再選される可能性が圧倒的に高いとの見方もまた支配的である。
だとすれば、石破茂幹事長は次の総裁選出馬を見送り、安倍首相(総裁)2期6年在任後の18年9月に勝負を挑むのではないか。その時、石破氏は未だ61歳。チャンスは残っているという指摘だ。
■次の総理レースの有力候補は石破氏なのか
果たして本当だろうか。
59歳の安倍首相の「次」の名前をアットランダムに挙げると、石破幹事長(当選9回・56歳)を別にして、
石原伸晃環境相(8回・56歳)
岸田文雄外相(7回・56歳)
小野寺五典防衛相(5回・53歳)
小渕優子元少子化担当相(5回・39歳)
加藤勝信官房副長官(4回・57歳)
林芳正農水相(参院当選4回・52歳)
などである。
これはもちろん、自民党政権が存続する前提での見立てである。
ところが、ここに来て新手が登場したのである。
岸信夫外務副大臣(参院当選2回、衆院1回・54歳)。
改めて指摘するまでもなく、安倍首相の実弟である。9月30日の副大臣・政務官人事で外務副大臣に任命された岸氏がマスコミの耳目を集めたのは、10月19日に秋季例大祭が開かれている靖国神社に参拝した時のことだ。
記者に対して事前に兄の安倍首相に相談しなかったと言明したうえで、「(外交への影響は)特に考えていない。あるとは思っていない。衆院議員の岸信夫として、これまでと同じ気持ちで参拝した」と語った。
だが、参拝したくても中韓両国の猛反発を回避するために参拝できない兄の苦悩を、岸氏は相談しなくても汲み取っていたはずだ。
■岸氏の靖国参拝は首相の名代だった
安倍首相はまさに同じ日、福島県相馬市で同行記者団に対して「第1次安倍政権で参拝できなかったことを『痛恨の極み』という気持ちは今でも変わらない。国のために戦い、倒れた方々に手を合わせて尊崇の念を表し、ご冥福を祈る気持ちは今も同じだ。リーダーとしてそういう気持ちを表すのは当然のことだ」と思いを発露している。
岸氏の参拝が首相の事実上の名代としてのものだったことは間違いない。
安倍晋三首相と岸信夫外務副大臣の姿は、1958年6月から60年7月までの2年間の第2次岸信介内閣時代を想起させる。
岸信介首相(当時)は言うまでもなく、晋三・信夫兄弟の祖父である。
岸元首相は58年6月総選挙で自民党圧勝をもたらし、悲願の日米安保条約改定に向けて第2次内閣を発足させたが、蔵相に自分の弟である佐藤栄作元首相を起用した。国家予算を担う蔵相が実弟という前代未聞の閣僚人事だった。
「安倍晋三と岸信夫」も、「岸信介と佐藤栄作」と同様、兄弟ながら姓が異なる。
岸信夫氏は安倍晋太郎元外相・洋子夫婦の3男として生まれ、洋子さんの兄で岸元首相の長男・信和氏に子供がなかったので岸家に養子で入ったのだ。
佐藤氏は蔵相だったが、岸氏は外務副大臣にすぎない。が、兄の内閣の一員であることは第2次岸内閣時代と同じだ。2期6年の安倍長期政権になったら、岸氏も大叔父同様大きく化ける可能性がある。
副大臣から主要閣僚に昇格し、その後、首相まで昇り詰めたのは野田佳彦前首相である。鳩山由紀夫内閣の財務副大臣、菅直人内閣で財務相を1年務めて首相の座に就いた。
■昭和の岸・佐藤兄弟は11年間、国家運営に携わった
菅義偉官房長官は総務副大臣→総務相→官房長官、塩崎恭久自民党政調会長代理も外務副大臣→官房長官のコースを歩んだ。幹事長を経験しているが、安倍首相もまた官房副長官→官房長官→首相である。
その意味では、岸信夫氏が来年6月予定の内閣改造で外務副大臣から外相に昇格することがあれば、一躍「ポスト安倍」の有資格者となる。
安倍・岸兄弟が「平成の岸・佐藤兄弟」になる可能性はゼロではない。
因みに、岸政権は3年5ヶ月、佐藤政権は7年8ヶ月、トータル11年間、岸信介・佐藤栄作両元首相はこの国の国家運営に携わったのである。
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