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「解雇特区」見送りは地獄への第一歩 特例を全国に拡大するのが狙い
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2013/10/21 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
企業が自由にクビを切れる「解雇特区」の導入が見送られた。メディアは、「野党や労働者の反発に配慮した結果」と報じていたが、それはあくまで表向きの理由。導入の見送りは、企業側が「さらにブラックな特区」を画策しているからでもあり、警戒を怠ってはいけない。
安倍首相が18日、「解雇ルールの明確化」を後退させ、あっさり解雇特区の導入を見送った。この変わりようが何とも不気味だ。
首相の指示で国家戦略特区のワーキンググループが導入を目指した解雇特区とは、@解雇ルールを書面で明確にする(労働契約法16条の特例)A有期雇用の制限撤廃(労働契約法18条の特例)B自由裁量労働制(ホワイトカラーエグゼンプション)――の3つ。簡単に言うと、雇う時から解雇条件を労働者に同意させ、有期雇用が5年を超えても正社員にしなくてもよく、残業代も払わなくてもいいというもの。
ところが、ワーキンググループは各方面の反発に配慮し、導入直前になってやや腰が引けた。
@とAの解雇特区の対象企業は「開業5年以内のベンチャー」「従業員の3割以上が外国人の企業」に限るとし、Bのホワイトカラーエグゼンプションは完全に断念。また、Aの「5年で正社員になれる権利を放棄して雇用契約を結ぶ」人も、「高度な専門的知識を有し」「比較的高収入を得ている者」と厳しくした。
「これだと、オリンピックまでの7年間だけ建設作業員を雇いたくても、現行制度上はできなくなります。特区に条件をつけたことで、経済界が一気に難色を示した」(シンクタンク研究員)
厚労省も、今年4月に5年以上働けば、パートでも正社員になれるという法律を試行錯誤で施行したばかり。メンツもあって、今さら例外は認めたくなかった。
もちろん、今回反対したからといって、政府や経済界が解雇特区の導入を諦めたわけではない。虎視眈々ともっとひどいことを狙っているのだ。
「まず、解雇特区の〈対象〉をベンチャーと外資系以外にも拡大する。〈ホワイトカラーエグゼンプション〉は、特区としてではなく、全国的に拡大したい。これなら地域で労働条件が変わるのは好ましくないとする厚労省の官僚も納得するでしょう」(前出のシンクタンク研究員) 特定社会保険労務士の稲毛由佳氏はこう続ける。
「そもそも国が法令で解雇規定のガイドラインを策定することに反対の企業は多い。というのも、今でも外資系やブラックといわれる企業は簡単に解雇しています。現行法では、解雇相当の理由があれば、会社は30日前の解雇予告か、解雇予告手当を支払えば解雇できる。ヘンにルールを作ると、和解金などで余計にこじれます」
また、解雇しやすいということは、労働者にとっては“転職”しやすいことにもなる。これがおもしろくない企業も少なくない。
「昨年、同業他社に引き抜かれた外資系生保の社員を元会社が訴えたケースで、〈競業禁止は職業選択の自由に反する〉という判例が出ました。人脈や顧客、企業秘密を他社に持っていかれないよう、競業する会社への転職を禁止する誓約書を書かせる企業もありますが、これがダメとなった。解雇特区では、社員の引き抜きも頻発します。これに歯止めをかける方法も探っています」(稲毛由佳氏=前出)
矛盾するようだが、解雇特区では、社員を勝手に辞めさせない“逆解雇”のルールを盛り込みたいのだ。
好きに辞めさせ、好き勝手には辞めさせない。そんな人権無視を許していいのか。
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