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2013/10/21 11:07
本日の予算委員会で自民の塩崎議員が安倍首相に第四の矢の国家戦略特区(この仰々しい名称にはゾッとする)に関して質問していた。その中で「起業大国を目指すべき」と言及し、格好の例として米国のシリコンバレーを取り上げた。そこでは年間に17000社も起業され、12000社が消えているとの例を引き合いに出し「新陳代謝が大事だ」と主張した。
塩崎氏はシリコンバレーの現状を御存じないのだろうか。IT企業の集中により労働人口も集中したため家賃が高騰し、普通のアパートでも月額二十数万円にもなったため、働くホームレスが増加している。つまり普通のサラリーマンはアパートにすら暮らせず、妻子持ちのホームレスが郊外の森林地区に増加しているという。
国家戦略特区構想には賛成できない。そこだけが規制を大幅に緩和して、もしかすると労働者の「解雇自由化特区」すらも図ろうとするのは、まさしく日本国内の米国化に他ならない。
米国モデルが必ずしも国民の幸福を促進するとはいえないことを国民は周知している。米国の起業が多いのは米国金融機関の高い流動性にも起業を促す一端がある。日本の場合は実績なき若者が銀行を訪れて融資を実現するのは不可能に近い。ただし詐欺師にはドンドンとカネを貸すという事件が発覚しているが、それは余程お粗末な銀行員のいる銀行に限られる。
たとえばこの国では新規参入が大きく制限されている業界が幾つもある。起業することはおろか、実績のある企業が新規に地方自治体に「ゴミ回収業務」委託業者として登録するのすら困難な場合がほとんどだ。ましてや屎尿処理業者として新規参入する可能性は皆無といって良いだろう。
他にも色々地方自治体の外注委託業者に参入するのにTPPの「関税障壁」以上に高くて厚い壁が存在している。それを撤廃することもしないで、産業特区構想とは片腹痛い。官僚・公務員の利権構造擁護の姿勢すら撤廃できないで、何が構造改革・規制緩和だというのだろうか。
政治家諸氏には足元の現状をまずは良く観察することからお勧めする。
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