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2013年10月20日
意味深く、且つ示唆的に富んだニュースが流された。サウジが非常任理事国就任を辞退と云うニュースなのだが、遠い中東の石油の出る砂漠国の話など、日本と関係はないだろうと思うのは、短絡的過ぎる。それこそ、対岸の火事と見物を決め込んで、「玉谷〜、鍵谷〜」と叫んでいる阿呆になりかねない。サウジアラビアは、外交防衛的には、日本同様アメリカ依存の強い国で、中東の金満国家であり、サウード家がすべてを支配する王権国家である。常に、アメリカン・デモクラシーとか、人権とかで口うるさい米国でありながら、なぜかこの国の政府が人権を無視したり、民主主義に反する王制を敷いていても、米国はなんの痛痒もなく、サウジと軍事外交で足並みを揃え、イスラエルを守っている。詳しくは踏み込まないが、イスラム教国家でありながら、イスラムの敵、ユダヤ教のイスラエルを米国と共に守護する勢力に加担している。この辺は一言で語れない複雑さがある。
≪ 国連:サウジ非常任理事国辞退に「前例ない」驚き広がる
【ニューヨーク草野和彦】アラブの盟主を自任するサウジアラビアが18日、初めて選出された国連安全保 障理事会非常任理事国のポストを突然辞退し、国連内に驚きが広がった。「把握している限り前例がない」(国連事務総長報道官)という異例の事態。サウジは 安保理の「二重基準」などを理由とするが、シリア内戦への対応やイランの核問題を巡って関係が冷却化しつつある米国と、安保理内で協力することに抵抗を感じた可能性もある。
米国はサウジに軍基地の提供を受ける一方、サウジも安全保障を米国に依存するなど、両国は互いを必要としてきた。 サウジ外務省が18日に出した声明では、シリア内戦を終結させられない「安保理の無力ぶり」を非難。反体制派を支持し武器や資金を提供してきたサウジは、これまでアサド政権を擁護するロシアや中国を批判する立場にあった。一方で、米国がアサド政権に対する軍事攻撃の方針を撤回したことに強い不満を持っていたとされる。
また、イスラム教スンニ派の盟主であるサウジは、シーア派国家のイランと対立。米国とサウジが接近する要因だったが、ロウハニ新体制となったイランと米国が対話を始めたことに不信感を強めていた。
サウジが安保理メンバーに選ばれたのは今回が初めてで、任期は来年1月から2年間。モアリミ国連大使は17日の選出後に「これから2年間、他の安保理メンバーと共に働くことが楽しみだ」と笑顔で語っていた。その直後の「辞退声明」で、国連加盟国はサウジの 真意を測りかねている。潘基文(バン・キムン)事務総長は18日、サウジから辞退通知は届いていないことを明らかにした。
サウジが正式に辞退せず安保理を欠席した場合、14カ国での会合が招集されることが想定される。過去には、旧ソ連が1950年に半年間、国連の中国代表権問題をめぐって安保理を欠席した。
非常任理事国は5地域別に割り当てられており、サウジはアジア太平洋グループの承認を受け、国連総会で選出された。サウジが正式辞退した場合は、このグループから新たな候補を選び、総会で改めて選出することになるとみられる。 ≫(毎日新聞)
オバマにしてみると、“シェールガス”も出てきた事だし、民主主義体制ではなく、人権問題でも問題のある、王制国家サウジアラビアは、アメリカのWスタンダードのサンプルのような同盟関係であり、喉に刺さった小骨のような部分があったのは事実だろう。シリア空爆の振りあげた拳の置き場で右往左往していたところ、ロシア・プーチン大統領の仲介で、恥をかかずに難を逃れていた。無論、財政支出の上限問題で、再びウロチョロする破目になったが、これも、自公の特定秘密保護法案同様、揉めているフリを政治家にさせていただけで、行政官僚が良しなに落とし処を初めから決めていた出来レースであることは、誰が見ても判ることである。
アメリカの身勝手な行動は、サウジにしてみれば看過できない気持は良く判る。イラン核開発疑惑で、“米・イスラエル・サウジ”はタッグを組んで動いていたわけで、サウジへの相談もなく、米国がイランと直接会話をする方向になったのだから、不愉快で堪らないと同時に、大きな不安を抱えることになる。これも、よく理解できる。イスラム国家がひしめく中東地域で、イスラム教王権のサウジが、ユダヤ教とタッグを組んでいたわけだから、それなりのリスクを取った上の同盟関係なのである。その頼りのアメリカが、原油の確保がそれ程の重要事項でなくなったからと云って、サウジとの同盟関係に齟齬を来すような敵国イランと直接会話では、裏切られたも同然の状況に追い込まれた気分だろう。
毎日の記事では、≪安保理の「二重基準」などを理由に≫サウジは非常任理事国を辞退したと云うことになっているが、非難すべき「二重基準」はアメリカの得意技を非難しているのだ。ただ、面と向かって米国を非難するだけの勇気も根性も実力もないので、米国の替わりに安保理をまな板に乗せて、前代未聞の辞退劇を演じたのだろう。おそらくイスラエルには、オバマ政権はそれなりの仁義は切っているだろうが、日本や韓国同様の属国的同盟関係なのだから、不必要になった時は、信義などと云う観念なしに、平気で冷酷な仕打ちをするものなのだ。サウジの心もとない米国との同盟関係の齟齬を、“対岸の火事”として受けとめるようでは、あまりのノーテンキと言われても怒るわけにはいかない。
サウジやカタールは、米国・イスラエルと共謀、中東のロシア・中国シンパを阻止する同盟関係にありながら、アルカイダを支援したり、ムスリム同胞団を支援したり、彼らとてWスタンダードな蝙蝠のような生き方もしているので、米国のWスタンダードを声高に謗る権利もないだろう。案外、中東問題はアメリカが、原油産出国を気配りをし、外交を展開する世界戦略がチェンジするキッカケになるのかもしれない。ただ、そのような事実が、ペルシャ湾を中心とする諍いの渦中に、集団的自衛権行使の、初出動のような形で、我が国を震撼させる辞退も大いにあり得ることを、覚悟しておくべきだ。まぁ、言葉だけで勇ましさを演じていた安倍政権が、国民に直接的被害者が出るような戦場に自衛隊員を派遣したとなれば、政権はあっという間に沈没してしまうだろう。
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