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大阪地検特捜部・証拠改竄事件の完全終結
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2013年10月15日 闇株新聞
大阪地検特捜部の証拠改竄事件で、実際に改竄した前田恒彦・主任検事(当時)の「犯行」を認識しながら隠ぺいしたとして犯人隠避罪で起訴されていた大坪弘道・特捜部長(当時)と佐賀元明・副部長(当時)が、10月8日に最高裁への上告を断念しました。これで執行猶予つきの有罪判決が確定しました。
発生から3年で、証拠改竄事件が完全に終結したことになります。
当の前田恒彦氏は服役してすでに出所しており、証拠改竄の舞台となった郵便不正事件で逮捕されていた厚生労働省の村木厚子氏は無罪となって復職し、トップの事務次官に昇進しています。
これで事件そのものが完全に風化してしまうはずですが、本誌の「思うところ」をもう1回だけ書いておくことにします。
まず郵便不正事件も証拠改竄事件も犯人隠避事件も、すべて「官僚組織の中の特殊な事件」です。これをもって検察庁を含む官僚組織の一般庶民に対する対応が改善されるわけでもなく、どこまでいっても「庶民感覚から大きく遊離している」のです。
まず、最初に郵便不正事件で逮捕されたのが高級官僚の村木氏ではなく一般庶民だったら、そもそも証拠改竄事件も犯人隠避事件も「全く」問題にならず、粛々と裁判で有罪となっていたはずです。万一無罪になっても(ありえませんが)逮捕された段階で失職し、復職とか昇進は全く不可能だったはずです。
それでは、なぜ逮捕されたのが村木氏だったのか?ですが、村木氏は女性で大学も高知大学卒ですが有能で人望もありました。これが東大卒のエリート官僚の「妬み」を集め、嵌められてしまったのでしょう。
さらに検察庁からみれば、「間違って逮捕してしまった」のが高級官僚の村木氏だったので、何かしらの「落とし前」が必要となりました。厚生労働省(実際は厚生省)は、戦前に圧倒的な権力を保持していた旧内務省であり、官僚組織としては「ゴメンナサイ」では済まされなかったのです。
その「落とし前」をどうしようかと考えていたときに、うまい具合に?証拠改竄が出てきたので検察庁をあげて「大騒ぎ」し、主任検事1人の「身柄」だけでは足りずに、上司2名の「身柄」まで確保してしまったのでしょう。
付け加えておきますと前田・元主任検事は広島大学卒、大坪・元特捜部長は中央大学卒、佐賀・元副部長は専修大学卒で、見事に東大卒のエリート検事(官僚)ではありません。
ここで最大の疑問は、なぜ前田・元主任検事はそんな「幼稚な」方法で証拠改竄を行ったのか?です。天下の特捜部がその気になれば、もっと巧妙な証拠改竄ができるはずです。証拠改竄事件とは、「全く違ったもの」だった可能性があります。
前田恒彦氏は出所後、ブログなどで積極的な情報発信をされていますが、ここのところだけは「絶対に」触れません。また元上司である大坪・佐賀両氏の犯人隠避裁判では、積極的に元上司の「有罪」を裏付ける重要証言を行っています。
つまり前田氏も大坪氏も佐賀氏も、誰一人として検察庁と「全力で戦っていない」のです。まだ官僚体質が抜け切れていないのでしょう。したがって、どこまでいっても「官僚組織の中の特殊な事件」だったわけです。
その前田氏が「憤っている」のが、検察庁が陸山会事件で検察審査会への調査報告書(など)に虚偽を記載していた事実です。
虚偽の報告書を作成した田代・元検事(不起訴処分で退職)や、それを主導した佐久間達哉特捜部長(当時)らが、形式的に軽微な処分があっただけで逮捕も起訴もされていません。
田代・元検事は早稲田大学卒なので「詰め腹を切らされた」のですが、佐久間氏は東大卒で、しかも在米大使館の一等書記官を経験している「エリート親米検事」なので、当然のように検事総長レースに復帰しています。
いくら前田・元検事が「憤って」も、嫌疑をかけられて首相になるチャンスを逸した小沢一郎氏は高級官僚ではないので(政治家ですが)、村木氏のように処遇されず、検察庁も「落とし前」をつける必要が全くないだけなのです。
すべて非常に後味の悪い事件なので、これ以上は取り上げることもないと思います。
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