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2013/10/16 晴耕雨読
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10月12日(土)15時〜 「岩上安身による東京大学教授・鈴木宣弘氏インタビュー」の模様を実況します。
岩上「自民党が公約を破ることを明らかにしました」
鈴木氏「TPPで聖域など守れないということははじめから分かっていたことです。分かっていながら嘘をついていたのです。これは本当にひどい話です」
鈴木氏「5品目を急に5分野・5項目と言い始めました。5品目には586の細目があります。各品目のうち一つの細目さえ守れれば、5品目が守られたと言い張るつもりなのでしょう。参院選前からこういう策略を考えていたのではないでしょうか」
鈴木氏「皮革、革製品の95細目に関しては、これまでまったく関税撤廃の対象にされない『聖域』でした。しかしTPPではこれも交渉の対象となっています。国民にはそのことがほとんど知られていません。農林水産物だけではないのです」
鈴木氏「西川公也議員は農業関係者に対して力を持っている方です。彼に『聖域』撤廃を言わせたというのも非常に巧みな戦略だったと言えます。舟山康江さんが立候補した山県のJAをかなり締めあげた方です。今後、論功行賞としてポストが用意されているのでは」
鈴木氏「このままでは米国の1%の大企業だけが目先の儲けだけに走るような世界になってしまいます。99%の普通の人々の健康や安全など知ったことか、と。日本は泥船に持ってみんなで沈んでいってしまいます」
岩上「山田正彦さんや首藤信彦さんらTPPを慎重に考える会の議員たちは、民主党を離党したり落選したりしました。自民党の議員たちは、より愛国的な立場からTPP絶対反対を主張していました。彼らはどうするのでしょう」
鈴木氏「自民党の議員は党を割るような動きはまったくありません。民主党の議員のほうがまだ筋を通したと思います。今でも256人の自民党議員がTPP反対の議連に入っています。しかし、国会で批准する際に党議拘束がかかったら反対票を投じることはできないと」
鈴木氏「結局は選挙のために国民をだましたのです。もう当分選挙はないので、自民党の議員からしたら国民をだましたほうが得なのです。聖域が守られなければ席を立って帰ってくる、と言った議員もいました。とんでもない嘘です」
岩上「10月2日にJAが日比谷野音で集会を開きました。石破茂幹事長もそこに参加していました。そこで『守ります!』と言いながら、直後に変わってしまいました」
鈴木氏「本当に馬鹿な話です。前もって筋書きがあったのでは」
岩上「5月14日、自民党の大西英男議員にインタビューしました。大西議員は『関税はすぐではなくいずれ撤廃。これが自民党の議員の考え』と言っていました。これが自民党の本音なのでしょう」
鈴木氏「官邸とごく一部の役所だけがTPPをやりたくてやりたくてたまらないのです。2月中旬に日米の共同声明が出た時、一部の役所(外務省・経産省)は祝杯を上げていました。他方、農林水産省は排除」
鈴木氏「守るべき国益6項目というものがあります。関税の聖域、自動車の安全基準、保険、BSE、医療、ISD条項の6つ。これらすべてを譲歩してしまったことになります。米国はTPPをテコにして二国間協議で圧力をかけてくるのです」
鈴木氏「一番ひどいのは保険の話。これから津々浦々の郵便局でAFLACを売ることになりました。日本の郵便局が、米国の保険企業の下請け機関になるということです。新自由主義は、自由競争でもなんでもない。一部資本の独占があるだけです」
岩上「新自由主義の植民地主義、帝国主義です」
鈴木氏「米国の要求のまま、身ぐるみ剥がされるまでやられます。霞ヶ関の神経はおかしい。普通の人間ではないですよ!国民を操るために情報を隠しているのです」
岩上「日本は軍事化が進んでいます。そのこともTPPと関係がないと思います。自衛隊は米軍と一体化してしまっています。官僚も米国に逆らえないのでしょうか」
鈴木氏「官僚の私生活まで米国にファイルされています。スキャンダルを持ちだして潰すなどたやすい」
岩上「ということは、日本の捜査機関も米国と通じているのでしょうか?」
鈴木氏「つながっていると思わざるとえません。さらに官僚達は若い時期に米国で新自由主義に洗脳されるのです。日本の大企業とも天下りで結びついている」
岩上「TPPが日本の企業に有利だと本当に考えているのでしょうか。TPPでは中国と切り離されることになります」
鈴木氏「某役所の役人はそれでもTPPはバラ色だと言い続けなければいけない、と」
鈴木氏「原発事故で国民の信頼を失ってしましました。だから、メリットがないTPPがまるでバラ色であるかのように国民の目をそらさなければならないんだ、と語りました。これはとんでもないことです。国民をなんだと思っているのでしょうか」
岩上「安倍政権は解雇特区を作ろうとしています」
鈴木氏「規制緩和とTPPはつながっています。ブラック企業の問題もつながっています。法人税減税で消費税を上げるなんて馬鹿げています」
鈴木氏「規制という岩盤を穿つ、なんてかっこいいこと言ってますけど、魂胆は自分が儲けることだけです。Aflacがまさにそうであり、ローソンの新浪CEOもそうです。オリンピックが決まったなどと言って喜んでいる場合ではありません」
鈴木氏「IOC総会でのあの嘘!あんなことを言えるなんて普通の人間ではできません」
岩上「その嘘が嘘だと分からないように、特定秘密保護法ができるのです」
鈴木氏「3.11の直後、内閣官房参事官から私のもとに電話がかかってきました。震災の混乱のおかげで、TPPを国民に知らせないで強行突破できるぞ!と。今の鶴岡交渉官たちはそういうことを言ってきた人たちですから、国民に知らせるつもりはない」
鈴木氏「民主党政権時、山田正彦さんらがTPP慎重会で繰り返し官僚を呼んで追及しました。IWJはすべて中継したけれども、地上波のマスコミで流したところは一つもない」
岩上「現役の官僚で志のある方はいないのでしょうか。日本を丸ごと米国に売り渡すつもりなのでしょうか」
鈴木氏「生命の危機まで含めて、米国に握られている可能性があります。さらに天下り先の確保という個人の利益だけです」
鈴木氏「大手マスコミは大企業の広告料が必要なので、経団連のほうだけ向いています。良心のへったくれもありません。一部研究者の中でもモンサントから研究費をもらって客観性のない実験をやっています。GMムラです」
鈴木氏「ある官僚は『官僚の仕事は国民を不安にさせないことだ』と私にはっきり言いました。しかし、今までそうやって重要な情報が国民に隠され、官僚の犯罪は免責されてきました。1%が99%の生活を食いつぶすのです」
岩上「TPPには『奥の院』があると言われています。外国が日本の土地を奪う、ということもあり得ると」
鈴木氏「内国民待遇を徹底する、ということです。日本が日本人を優先することは許されなくなる、ということです」
岩上「中国がTPPに関心を示していると言われます。習近平国家主席がオバマ大統領に情報を見せろと言ったら、オバマはその用意があると」
鈴木氏「中国に関しては、日本が入ることを促すよう意図的に流されたものです」
鈴木氏「TPPとは基本的には中国包囲網です。そのうえで、中国を追い込んで取り込んでいくことを狙っているようです。だから、現在の状況で中国がTPPに参加することはありえません」
鈴木氏「米国が中国を牽制していることは確かです。しかし、米国も中国の経済力に頼らざるを得なくなっていますし、米国内のチャイナロビー・チャイナマネーの力も非常に強くなっています。移民もたくさん入っています」
岩上「安倍政権は、米国の属国になりながら、中国や韓国とは敵対しています。中国の市場から追い出され、何もいいことがありません」
鈴木氏「米国は戦略的に日中対立を煽っている面があります」
岩上「安倍総理をヒーローだと崇めて日の丸を振っている若い人たちがいます。しかし、安倍総理と一部の大企業は、彼らの富を根こそぎ奪っていこうとしているのです・そのことに気づいてほしいと思います」
鈴木氏「マスコミも一緒になっているので、本当のことが伝わらないまま、奪われるだけ奪われてしまいます。私もTPPに関わって初めて気づきましたが、本当に恐ろしいことです。99%の革命を起こす必要があると思います」
鈴木氏「いい年した政治家が、自分の残り僅かな政治生命のために国民の生活を売り飛ばすなんてなにごとかと思います。安倍さん、もう本当にいい加減にしてくださいよ!」
岩上「今後、TPPはどのように展開するのでしょうか」
鈴木氏「絶対に譲れない聖域を譲ってしまうということですから、日本の食料生産は崩壊します。地域の農地は崩壊し、関連産業も成り立たなくなります。日本中が限界集落になります。限界列島です」
鈴木氏「農地が荒れて山が荒廃すると、洪水などの災害も起きやすくなります。ごく一部の都市に人口が集中することになります。しかし日本人に職はなく、移民ばかりが雇われるようになります」
岩上「一部のインテリや特殊技能を持った人だけが生きる世界になるんでしょうか。ごく普通の、一般の方々はどうすればよいのでしょうか」
鈴木氏「はっきり言ってどうしようもありません。もはや生きていけない。日本という国の縮小です」
鈴木氏「メキシコでは、米国の遺伝子組み換えトウモロコシしかなくなってしまいました。安全性と安心性、つまり命が一部の大企業に握られてしまうのです。遺伝子組み換え表示を撤廃するようになります」
鈴木氏「米国はTPP二国間の並行協議で、自動車、保険、食品の安全基準について徹底的に議論すると言っています。TPPでは米国の基準に合わない安全基準は変えられてしまいます。無茶苦茶です」
岩上「TPPは最初はP4協定でした」
鈴木氏「P4協定に目をつけたのが米国でした。P4をTPPに拡大することでハイジャックしてしまおうと。その際に米国が標的としたのが公共事業です。英文による入札を求め、現地の事業者への受注に介入しようとしました」
岩上「公共事業には再分配の機能があります。それを多国籍企業がかすめ取っていくということですね」
鈴木氏「大学の授業も英語、公務員も英語にしようという流れです」
鈴木氏「P4協定の160頁の英文の仮訳を外務省は出しません。国民に隠しているのです。米韓FTAの問題点については、首藤信彦先生と連携して『TPP48の間違い』という本で紹介しました」
鈴木氏「米韓FTAはTPPのベースになるものだと、私のもとに言ってきた方がいました。しかし、米韓FTAのことを外に出すことは、霞ヶ関で箝口令がしかれていたというのです。だからマスコミにも全然出ませんでした」
鈴木氏「最近研究室でやった試算を紹介します。内閣府が3.2兆円のGDP増加の試算を出しています。しかしこの試算は日本の農産物は生き残れるという楽観的な仮定。土地や労働力が流動的になると仮定すると、GDPは1.3兆円の減少」
鈴木「経済的幸福度というものがあります。同じお金を払ってどれくらい満足したか、という指標です。これですと、日中韓FTAやRCEPと比べてTPPは少ないのです。本当にTPPには何もメリットがないのです」
岩上「米国はデフォルトするんでしょうか?」
鈴木氏「専門ではないので分かりませんが…。ショック療法として、米国でとんでもないことが起こることで日本人が目を醒ます、ということもあり得るのではないでしょうか」
岩上「TPPは米韓FTAと同じように安全保障とリンクしているのではないでしょうか」
鈴木氏「推進派の人たちはそのように思い込まされています。日米安保・日米同盟に幻想を抱いているのではないでしょうか」
鈴木氏「私はアジアを中心とした連携を深めていかなければならないと思います。EUは農業を基盤として統一をはたしました。日本もEUを手本にして、農業共通政策で基金を拠出し、アジア諸国と手をつないでいってほしい」
岩上「鈴木先生のご提案はどこかの政党が取り入れたりしないのでしょうか」
鈴木氏「セミナーなどで話すとみなさん納得してくれますが、なかなかその先に行きません。鳩山さんの東アジア共同体構想が潰された前例もありますから」
鈴木氏「原発と同じように、TPPでも、国民のことではなく自分の保身、一部の大企業の利益だけを考えている人がいる。だからIWJのようなメディアには頑張って欲しいと思います」
岩上「IWJは財政的に非常に厳しい状況でして…。今月から来月にジャンプできるか危ういんです。皆さん、ぜひIWJの会員になってください」
鈴木氏「真実を伝えようとすると規模は大きくなりますしね。どうか頑張ってください」
以上で実況を終了します。アーカイブはアップ次第、IWJのサイトに掲載します。→http://iwj.co.jp/
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