http://www.asyura2.com/13/senkyo154/msg/906.html
Tweet |
今年1月のワンショット。参議院議員として国政に携わる東国原氏だが、宮崎県知事選への出馬に意欲を示している(撮影:尾形文繁)
http://toyokeizai.net/articles/-/21719
2013年10月15日 ムーギー・キム :プライベートエクイティ投資家
早上好(ザオシャンハオ)〜!!
こちら上海は日ごろアジアにいる時滞在している香港やシンガポールと異なり、四季があるのが嬉しい。昨日も“田子房”という趣のある界隈でショッピングを楽しんだのだが、昔ながらの町並みに南青山の路地裏のようなセンスのあるセレクトショップが連なり、立ち並ぶレストランもことごとく美味しい。
上海に訪れた際はぜひ、バンドのM on the Barで19世紀の上海のような雰囲気と夜景ととっても美味しいカクテルを楽しみながら、上海蟹のはいった小龍包を食べ、お土産に陳瑞元先生の芸術的な写真の数々をお買い求めになることをお勧めしたい、
さて、街は肌寒くなり秋の訪れを感じて若干センチメンタルな気分になるグローバルエリートであるが、私の心理的温度を一気に厳冬へと変えてくれたのがご存じ、そのまんま東こと東国原氏の宮崎県知事出馬説である。これに驚きと怒りを覚えるのは上海にいる太っちょコラムニストだけではあるまい。
思えば東国原氏は未成年淫行問題で社会的立場を失った後、大学で勉学に励み、地元宮崎県民のあまりにも温かい支持の下、驚きの県知事当選を果たした。当時は見え見えとも思えるコストカットパフォーマンスに食傷感を感じつつも、ひたむきに地元から寄せられた恩と信頼に応えるべく宮崎を売り込み、マンゴーと鶏のセールスに励む東国原氏の姿に、東国原氏を見直した人も多いのではないか。“どん底”からの復活に自らを奮い立たせた人々も多かったことだろう。
■東国原氏の欠点は、機が熟す前に調子に乗ること
ただし、東国原氏の問題は、機が熟す前に“調子に乗る”ことである。2008年から9年にかけて宮崎県知事としての任期が高かった頃、人気にあやかろうとした不人気の自民党に対し、自民党から出馬する条件に自分自身を総裁にするよう条件付けしたことは反発と失笑を買っていた。その時自分が自民党総裁になっていたら、一体何ができたというのか全く謎である。
また宮崎県知事の任期をまっとうするまでは国政に参加しないとも当初は言っていたが、すぐ“私を閣僚か総裁にするのなら”と変節して国政に色気を出していたのは、“自分が貢献できることより、目先の権力志向の政治家”によくあることであり、この程度の不誠実さは見過ごすべきなのだろうか。
東国原氏は宮崎県知事だからこそ輝いたタイプだが、地元の恩を忘れ宮崎県知事を続投することなく東京都知事に色気を出して敗北したのは今思い返しても残念だ。その後浪人生活でメディアに取り上げられない日々をしばらく過ごしたあと、今度はタレント仲間だった維新の橋下氏に誘われて維新として比例で国会議員に当選したわけだが、滅びゆく政党でしかも都知事選で戦い敗れた石原氏がいて影響力を発揮できない中、自分自身が一番輝けていた“宮崎県知事”のポストに再び舞い戻ろうとしている。
■宮崎県民は、東国原氏を再度選ぶのか?
機を見ては東京都知事を目指したり、自民党総裁を目指したり、維新から出馬したり、そして宮崎知事に舞い戻ろうとしたりする姿からは“いまこのコミュニティコには、私が必要だ”“この人達のために、私だからこそこれこれの問題が解決できる”という信念が感じられず(まぁ政治家はほとんどそんな感じなのだが)、調子に乗って、国民的な知名度にかまけて自分に投票してくれた人への誠意が欠けている気がする。
過去のいきさつを考えた時に、もはや東国原氏は前回の知事時代のような“ワーキングプア知事として一から出直しています”というパフォーマンスもできないし、いまさら再度宮崎マンゴーと地鶏を売る対外パフォーマンスに全力投球することもできないだろう。そしてまだ記憶に新しい数年前に、宮崎県民の想いを振り切り、あなたを必要としていない東京都知事の仕事に色気を出して宮崎を離れた人である。ここで“私は宮崎県民です。これからも宮崎県民のために・・・”と言ったところでさすがに信じる人はいないだろう。
政治家は「出馬するとは言っていない」などと公示日直前までメディアにほそぼそとリークして世論の反応をテストしたり“直前発表のサプライズでモメンタムを票につなげる”ということをやりがちだが、そんな古典的なやり方にそのまんま乗せられることのないよう、十分注意したいものである。
■“そのまんま東“と”東国原秀夫氏“の境目に見たモノ
実は私はその昔、10年以上前になるが東国原氏とご一緒する機会があり、三軒茶屋のマンションで彼のプライベートの素を見る機会があった。酔っぱらった時の彼のお笑いセンスには目を見張るものがあり、テレビで見ても面白くないのに実際会えば本当にタレントがあるのだと感心したものである。
また彼は社会的には謹慎中であったので“勉強するのが楽しい、もっと勉強したい”と誠実な姿勢で勉学に打ち込んでおり、あのような社会的には普通終わってしまうような不祥事を起こした後も、反省して誠実に勉強に打ち込んで復活を目指すのだという姿勢に共感したものである。
私は東国原氏に再度、謹慎中に私に見せてくれた誠実で慎重な想いを取り戻してから、宮崎県知事を次のステップストーンではなく“人生かけてやりたい最高の仕事”と思えるようになってから出馬してほしい。
“そのまんま東“と”東国原秀夫“の境目を見る機会のあった私として、東国原氏の活躍を目にしたいが、その言動を見るに自省が足らず、機は熟していない。宮崎マンゴーは熟せば大変美味しいが、早熟で食べると高い割に固くて、味が全くないのである。
宮崎県民は宮崎県知事としての仕事を“踏み台”ではなく、県民のために全身全霊を注ぎ込んでくれる人物を次の知事に選ぶものと信じる、このコラムのせいで次のミーティング時間に遅れる上海の早朝であった。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。