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2013/10/15 06:46
米国の傍迷惑なチキンレースに世界が巻き込まれようとしている。オバマ大統領のオバマケアに対して野党共和党が多数を握る米国議会が予算成立を人質にして反対しているのだ。このまま17日までに成立しなければ米国債の利払いが滞るデフォルトに陥り、世界に深刻な影響を与えることは避けられない。
オバマ氏は先日に提唱したシリア侵攻を国際世論と米国議会の支持を得られずに引き下げた経緯があり、ここで看板政策の国民皆医療保険のオバマケアを後退させるわけにはいかない、というメンツが掛っている。共和党も「小さな政府」を掲げ「貧困層の医療費を政府持ちにする」オバマケアに対して、共和党の有力支持団体「保険業界」の企業利益と存続をかけた反対には根強いものがある。
いわばオバマ氏と共和党とのメンツをかけたチキンレースが展開されているのだが、このまま予算が不成立のまま10月17日を迎えると米国債の利払いが実行できなくなり、米国政府の財政がデフォルト状態に陥り世界の基軸通貨ドルの信認は地に落ちることになる。
その影響は米国債を大量に購入している中国と日本の財政に波及するだけでなく、国債貿易決済通貨ドルが決済通貨として機能不全に陥り他のハードカレンシー(国際通貨)たるユーロや円や英国ポンドや仏国フランなどが高騰するのは避けられない。ドル以外のハードカレンシーの中で最も安定している通貨円の高騰はアベノミクスと呼ばれている「円安」「株高」をぶち壊して、日本の貿易に深刻な影響を及ぼすだろう。
米国政府のデフォルトの影響はドルの信認下落という経済面だけにとどまらない。海外で展開している駐留米軍もドルにより経費支払いが行われているため、当然ながら駐留経費支払いも不可能となる。あらゆる米軍の行動展開も不可能となり世界の軍事バランスに深刻な影響を及ぼすのも避けられない。
日本の駐留米軍も予算不足に陥り、兵士たちの給与すら支払いが困難になり機能不全に陥るだろう。日本の防衛に大きな穴が開く緊急事態に備えて、日本政府は緊急予備費支出措置を講じておかなければならない。しかし米国政府のデフォルトまであと二日と迫ったいまでも、日本政府のそうした動きが全く伝えられないのはなぜだろうか。安倍氏はこの連休の間にゴルフを楽しんだという。
この間、日本の議会も長い休会にあった。今日から議会が開会されるというが、政治家たちの能天気振りには驚くばかりだ。野党各党も米国政府のデフォルトに対して米国の大統領と議会に対して世界経済と秩序を破壊しかねない事態を招く事態を回避すべきとの日本国議会決議などをなぜしないのだろうか。
日本がこうした事態に陥っらないまでも米国の第二の財布といわれるIMFなどはお節介にも「消費増税」しろだとか内政干渉まがいの見解を示したりしている。最大の拠出金を支払っている国際機関から文句を言われる日本政府とは一体何だろうかと首を傾げざるを得ないが。
米国政府のデフォルトは日本国財政に壊滅的な影響を与えることはない。100兆円ほどの米国債は紙屑同然となるが、そもそも日本政府は国債残高(負債)は声高に宣伝しているが、日本国資産を隠しているのか殆ど報せて来なかった。
会計学的にいえば負債から資産を差し引きした純負債を問題とすべきだが、日本政府とマスメディアは総負債だけを問題として国民に「消費増税」を呑ませる世論作りをしてきた。だから日本が保有する米国債が紙屑となっても1000兆円の国債残高が増加するわけでもない、ただ計算に入れてなかった資産100兆円が消えてなくなるだけだ。
確かに100兆円の米国債が紙屑になるのは日本の資産が失われることに間違いないが、そもそも勘定に入れて来なかった資産はなかったことと同然だ。むしろ今後これまで毎年平均30兆円も買い入れていた米国債を買い入れる必要がなくなるのは大慶の到りというべきかもしれない。
ハードカレンシーを持つ日本は国債貿易に対して「円高」の影響はあるものの、決済不能に陥ることはないだろう。しかしハードカレンシーでない元やウォンの中国や韓国には甚大な影響を与えるのは火を見るよりも明らかだ。
東南アジア諸国に対して5兆円のスワップを結んでいるが、中国と韓国はその中に入っていない。米国政府のデフォルトにより中国は瀕死の重傷を負うだろうが、日本との二国間スワップを拒否した韓国は日本が緊急スワップなどの援助でもしない限り即死するしかないだろう。
日本政府の鈍い対応と今日からやっと開会する議会の能天気な政治家たちは米国政府のデフォルトに対してどのような危機感を持っているのだろうか。それこそが日本のデフォルトかもしれない。
この国は主要なセクションの座を温めている人物の劣化が激しい。メガバンクの首脳たちも小学校のホームルームのような取締役会を開いていたことが判明したし、各地のJRも国の基幹公共交通を担っている認識を欠くお粗末さを露呈している。福一原発に到っては深刻な放射能漏洩状態を収束できないまま粗雑な各種対策があらわになっている。米国政府と議会が国運を賭けた子供じみたチキンレースを繰り広げるのもこうした風潮の一環なのかもしれない。ただし、米国の場合は1%対99%の戦いであることを見逃してはならない。
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