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2013年10月12日(土)歳川 隆雄 現代ビジネス
9月18日。
安倍(晋三)総理が動きました。
麻生(太郎)副総理から法人税減税を検討した結果を聞くためでした。
麻生「法人税減税は難しい」
あらためて受け入れられない意志を伝えた麻生副総理。これに対して、安倍総理は
安倍「デフレ脱却のためには、次元の違うものをやらなければならず、法人税減税がきわめて重要だ。復興特別法人税の廃止に向けて、知恵を出そう」
安倍総理は、想定通り、実効税率引き下げへの抵抗が強いと感じ取り、切り札の復興特別法人税を出したのです。
■近年まれに見る出来のNHKスペシャル
10月5日(土曜日)夜9時から放映されたNHKスペシャル「消費増税ドキュメント―安倍政権中枢で何が…」の構成台本から再録したものである。
同番組は、安倍首相が1日夕、官邸で行った記者会見で2014年4月1日から消費税を現行の5%から8%にすると発表した4日後のもので、近年まれに見る秀逸なものだった。
新聞各紙はもちろん首相の消費増税決断翌日から、事前の総力取材に基づく検証記事を掲載した。
だが、消費増税を巡る2ヶ月の攻防を迫ったNHKスペシャルは断トツであった。
まず指摘すべきは、映像の強みが遺憾なく発揮されていたことだ。9月上旬(官邸詰記者)、記者会見前日(政治部長)、そして会見直後(官邸詰記者)の3回、安倍首相に単独インタビューしている。
そこには微妙に異なる安倍首相の表情が映し出されていた。
会見直後のそれには、明らかに達成感が見て取ることができた。
だが、最初のインタビュー時には、髪の毛が逆立ち、疲労感が隠せなかった。
9月上旬のロシア・サンクトペテルブルクで開催されたG20(主要20ヶ国)・地域首脳会議)出席、アルゼンチン・ブエノスアイレスでのIOC(国際オリンピック委員会)総会出席と、強行日程の外遊が続いたこともあっただろう。
それにしても、このように最高権力者の微妙な表情を映し取ってしまう映像の凄さを改めて認識した。
さすがNHKと言うべきなのか。
■消費増税のバーターが法人税減税と復興特別法人税廃止
今回の消費増税政局のプロセスを精査すれば、同番組のナレーションに
「実は、このやりとりには伏線がありました。(9月10日の安倍首相、麻生副総理、甘利明経済財政相、菅義偉官房長官による消費税率引き上げに備えた経済対策についての4者会談)1週間前の9月3日。安倍総理、甘利大臣、菅官房長官、茂木(敏充)経済産業大臣の4人が官邸に集まりました。実は、この場で法人税減税を経済対策に盛り込む戦略が練られていました。これは、減税への抵抗が予想される財務省への対策でした」
とあったように、法人税減税と復興特別法人税廃止が「バーター」材料になったことが理解できる。
財務省最高幹部が筆者に漏らしところによれば、官邸サイドが復興特別法人税の1年前倒し廃止(約8000億円の税収減になる)を打ち出してきたのは想定外だったという。
これを裏ワザにして法人税実効税率引き下げ実現を成長戦略の目玉にするという案を捻り出したのは、首相周りの中心にいる今井尚哉首相秘書官(政務担当・82年旧通産省)と経済産業省の菅原郁郎経済産業政策局長(81年)の2人である。
こうしたことから、世上では消費増税を巡る攻防は、実は財務省と経済産業省の代理戦争であると言われているのだ。
換言すれば、「財政再建」と「成長戦略」の路線対立である。
安倍首相の祖父・岸信介元首相は戦前の商工省エリート官僚から東条英機内閣の商工相、父・安倍晋太郎元外相は大平正芳内閣の通産相を務めたが、安倍首相自身を含めた祖父・父・孫の3人は長い政治キャリアの仲で蔵相(財務相)を経験していないので、岸・安倍家は「成長戦略の家系」と言っていいのではないか。
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