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2013年10月11日
ノーベル経済学賞を受賞している著名な経済学者のジョセフ・E・ステグリッツは、TPP(環太平洋経済連携協定)に批判的な立場だが、彼は学者らしい品の良さでTPPを、「アメリカの利益集団による管理貿易協定」だと言っている。
「管理」というのは、管理される側にかなりの自由度が認められる、言わば柔らかい監視体制をイメージする。
確かにTPPは“管理貿易体制”なのだが、その表現はあまりにも穏やか過ぎて実感が湧かない。
正確には米国コーポラティズム(多国籍企業と政府の共同体制)による強制的、越境的、越権的に究極的な不平等条約である。
だが、この正確な表現もコーポラティズムという馴染みの湧かない用語のせいで、一般にはとっつきにくい。
TPPは多国籍資本による現代版「冊封(さくほう)体制」と言った方が構造的には正確な表現かもしれない。
百科事典・マイペディアによれば、冊封体制とは、中国の歴代王朝が東アジア諸国の国際秩序を維持するために用いた対外政策である。
それは中国の皇帝が朝貢(ちょうこう)をしてきた周辺諸国の君主に官号・爵位などを与えて君臣関係を結び、彼らにその統治を認める(冊封)一方、宗主国対藩属国という従属的関係におくことをいう。
これを華夷秩序(かいちつじょ)という呼び方で捉える向きもある。
これは朝貢する従属的な周辺諸国を、序列的な下層(奴隷)国家群とみなした見方である。
「冊封」という漢字のイメージからは、文字通り柵(さく)に閉じ込められて管理されている動物農場(アニマル・ファーム)を思い起こす。
「動物農場(アニマル・ファーム)」と言えば、あの有名な「1984年」を描いたジョージ・オーウェルに同名の小説がある。
それは動物たちが飲んだくれの農場主を追い出して理想的な共和国を築こうとするが、指導者の豚が独裁者と化し、恐怖政治へ変貌していく過程を描く。スペイン内戦に自ら参加した体験を持つオーウェルが、人間を豚や馬などの動物に見立てることで20世紀前半に台頭した全体主義やスターリン主義への痛烈な批判を寓話的に描いた物語である。
ここで、また馴染みのない言葉を出すが、戦後の日本はアメリカによる「金融プランテーション国家」の下地を作らされ、核の傘下という“温室”で育まれた金融果実は、小泉政権以降、収穫期に突入している。
オーウェルが描く、指導者の豚が独裁者と化し、恐怖政治に移行していく“動物農場”の世界は、指導者の安倍が率いる現政権が目指す警察国家樹立への強行軍と強く重なっている。
現政権はCSIS(米戦略国際問題研究所)の直接統治下にある。
アメリカコーポラティスムがTPPで実現させようとする世界は、オーウェルが描出した「1984年」の全体主義国家と、「動物農場」の恐怖政治国家を指向している。
ただし、日本の大規模生産農場主たちは、小作人たちの弛(たゆ)まぬ労働成果として実らせた果実を、喜んで宗主国にささげる国政を敷いている。
菅政権、野田政権、第二次安倍政権の閣僚たち、権力官僚、経団連や経済同友会などの財界等、彼らは日本人を裏切ることに嗜虐(しぎゃく)的な喜びを見い出している買弁(かいべんcomprador)連中である。
このまま行けば、中江兆民に師事した幸徳秋水らが大逆事件という大冤罪で処刑された如く、安倍政権が推し進める恐怖政治の帰結として、国際金融資本への無条件朝貢に反対する有識者階層の大虐殺にいたる可能性は決して否定できない。
日本版NSC法案、特定秘密保護法案(秘密保全法)、共謀罪法案などは、疑いもなく現代版の治安維持法であり、これらが完全に機能する段階において、血生臭い粛清に走らないとは決して言えないということだ。
なぜなら、明治の大逆事件は純然たる国内事件だが、米国コーポラティズムが、わが国のコンプラドールに指令する弾圧は、日本人の命を何とも思わない強力な意思が出てくる。
考えてみれば、自衛隊が米国の命じるままに日本人の同胞を政治的な粛清のために殺戮することはあり得ないと思っている。
彼らにはまだ日本人の心が残っているからだ。
だが、傀儡現政権は、伝統的な侠客(きょうきゃく)ヤクザを駆逐して、倫理も道徳も欠落した半グレを組織化し、彼らを殺戮集団に仕立て上げるくらいのことはやるだろう。
それがTPPを構想した国際金融マフィアたちの冷酷非道さなのである。
日本人が日本人をポル・ポトのように大量殺戮することはあり得ないと思うのなら、それは想像力不足である。
歴史のパターンを眺めると、その可能性は決して否定できないのだ。
安倍政権が志向している方向性が、最悪、大量粛清に向かうという悪夢のコースは考えておきながら、TPPや言論弾圧法案に反対しなければならない。
新自由主義政策を日本に実現しようとする外国勢力は、広島・長崎に原爆を投下した連中と同じメンタリティを持っている。
そのことは、1973年の南米チリで起こった新自由主義革命の血生臭い出来事にも表れている。
彼らはとくに黄色人種(モンゴロイド)には容赦がない。
明治の大逆事件は純然たる国内事件だが、安倍政権が露骨に踏襲する新自由主義路線は、国際金融資本の意志が反映されている。
だから、もしも反対派への鎮圧が行われた場合は、比較にならないくらいの大粛清が起きると考えたほうがいい。
TPPを展望した危険な動きはすでに起きている。
今、東京都大田区の元区会議員だった奈須りえ氏は、TPPの前段階としての「国家戦力特区」を危険視している。
とくに第二次安倍政権が意図している特区構想はTPPのパイロット版になっているので、非常に危険である。
奈須りえ氏が強調するように、この特区構想には「国民の生活」がいっさいなくて、「投資」という企業利益のみが特化されている。
これがTPPのISDS条約とリンクすることは言うまでもないだろう。
多国籍企業による日本収奪計画が特区構想の思想になっている。
それが国民に見えないように、いかにも日本人の為の自由社会と経済の可能性を目指すように偽装されている。
国家戦略特区は完全なフリードマン主義に基づいていて、政府はこれを、一括具現化法案によって一気に全国展開に進むことを狙っている。
それが奈須りえ氏が気付いた危険の正体である。
日本では、2013年3月15日に安倍首相が正式にTPP交渉参加を表明したが、まだ正式参加には至っていない。
正式参加は国会で批准されるときである。
マスコミは、すでに参加が既定路線であるかのように装っているが、これが国民を諦めさせる意図を持っていることは注意した方がいい。
TPPの条約批准は絶対に阻止する必要がある。
だから地元の衆参両院の議員たちに反対するように働きかけてほしい。
すでに述べたようにTPPが批准された場合、経済の疲弊だけじゃなく、血生臭い大粛清にいたる可能性も十分にあるのだ。
だからこそ、家族や友人知己の生存をかけてTPPに反対する必要がある。
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