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2013-10-13 07:45:26
中国が台湾を統合する戦略が具体的に動き出したようです。来秋には中台の首脳会談が開かれるかもしれないと観測されるくらいに加速しています。
中国と台湾の専門家による第1回の「両岸平和フォーラム」が昨日10月12日、2日間の日程を終え、上海で閉幕しました。来年秋には北京でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれます。中国の習近平・国家主席はこの首脳会議に、台湾の馬英九・総統を招く強い意向を示しており、馬総統もこれに応じると見られています。
容易に統合する状況ではないようですが、英国の租借地だった香港を、中国は平和的に返還させることに成功した実績があります。「中国はひとつ」を掲げ、台湾併合を国家的戦略としてきました。当面は首脳同士の政治対話を求めています。
台湾が中国とひとつになれば、日本への影響は計り知れないものがあります。中国は、太平洋への進出が極めて容易になり、ハワイから西を中国の権益とする戦略を具体的に進めるとみられています。中東からの原油などの輸送ルートであるシー・レーンも中国の影響下に置かれます。日本としては、その時に備える戦略はあるのでしょうか。
第2次世界大戦の末期、中国大陸では、毛沢東が率いる中学共産党軍と、蒋介石の国民党軍が激しく闘う内戦状態にありましたが、モ沢東軍が勝利し、1949年に中華人民共和国を建国。蒋介石は台湾に逃げ込みました。モ沢党は引き続き、台湾を攻めるつもりでしたが、1950年に朝鮮戦争が勃発、そちらに軍を割かねばならず、台湾は後回しになったといういきさつがあります。
台湾海峡をはさむ「両岸問題」は、砲火を交えかねないほどの極度の緊張関係をはらみつつ推移してきました。それが時代の変化のなかで、友好ムードへと変わりつつあります。
本日の読売新聞は国際面(7面)のトップ扱い。写真や年表を入れて、厚めに取り上げています。もっとも、「中国、台湾に対話攻勢」という主見出しが示すように、中国の動きに「警戒」をキャンペーンする狙いがあります。
一方、朝日新聞は国際面(8面)の「地球24時」に押し込めたベタ扱い。しかし、いくら何でもベタ扱いは間違いでしょう。中国と台湾の関係は、日本にも重大な影響を持つものだから、それなりに丁寧な報道があってしかるべきではないでしょうか。
このようにメディアの扱いが極端に分かれるほど、中台問題の重要性はまだ認識されていません。日本はアメリカと中国という大きな勢力にはさまれた地球上の位置で生き延びていかなければなりません。中台問題にはもっと目を向ける必要があると思うのですが――。
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