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http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131011/dms1310110725001-n1.htm
2013.10.11 「日本」の解き方
安倍政権の公務員改革が「抵抗勢力」で進んでいない。人事院が、新設される内閣人事局への権限委譲に反対姿勢を崩さないようである。
そもそも人事院とはどういう組織なのか。国家公務員の人事管理を公正中立に行うための行政機関の一つであるが、その権限は独立している。たとえば、国家行政組織法及び行政機関の職員の定員に関する法律(総定員法)は適用されず、事務総局の組織や定員は人事院規則で独自に定めることができる。
人事院は3人の人事官の合議組織であるが、2009年までは、事務系官僚OB、技術系官僚OB、全国紙やNHKなどのマスコミOBという出身構成が慣例だった。
麻生政権の時、郵政事務次官OBの谷公士・人事院総裁は組織をあげて政府法案に異議を唱えたことがあった。公務員にも労働基本権を与えて、その代償措置である人事院を廃止するという改革案に対する反発だった。その姿勢は、組織の廃止に徹底的に抵抗する「官僚そのもの」である。
実際のところ、一部の公務員に労働基本権を与えても、とてもそれを行使して賃金を勝ち取るという状況ではないため、労働組合を中心に、公務員に関わる制限や代償措置をなくした方が、むしろ公務員を普通の民間企業のサラリーマンと同じにできる。そう考えても、公務員の労働基本権の代償措置としての人事院の存在意義が問われることになるのは自然だ。
各省の公務員人事は、もちろんその省庁の大臣の専管事項である。政治主導で政策を実現させようとする政治家大臣であれば、自らペーパーワークするわけにいかないので、信頼のおける部下を選ぶのは当然である。
それは先進国で共通の話だから、米国、英国、フランス、ドイツでは省庁の幹部公務員はほとんど政治任用である。
そのため、各省の事務方トップの事務次官を、その省庁出身から内部登用することはあまりない。内部登用が多いといわれるフランス、ドイツでも全次官のおおよそ3分の1だといわれている。日本の場合は、ほぼ100%、それぞれの省庁の人が事務次官に登用されるので、先進国の中で際立っている。
そうした先進国では当たり前の政治任用についても、人事院は反対だ。そのため、政治家が各省人事に介入するという、(官僚側からみて)行き過ぎた政治任用に歯止めをかけるため、人事院に是正を指示する権限を与える仕組みを政府は検討しているようだ。
そこまで官僚に甘くしていいのか。人事院の独立性といっても、憲法上の要請ではなく、あくまで法律の範囲の話だ。であれば、国会議員が決める問題である。人事院という行政組織一つ廃止できずに、公務員改革なんて夢のまた夢である。
人事院が強気なのは、歴代人事官がマスコミの「天上がり」先になっていたので、マスコミからは叩かれないからだ。マスコミにも、人事院に変わる内閣人事局の実現に働いてもらいたい。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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